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2016年5月

2016年5月31日 (火)

ジロ・デ・イタリア お礼

皆さんこのたびはFacebookTwitter、ブログへのコメントを含め様々な方面からの応援本当にありがとうございました。

毎日レースを終えてから、本当に多くの人から応援して貰い、期待されていると感じることが出来「次の日も頑張ろう」と思えることが出来ました。

正直、応援や注目されている事が無ければここまで頑張ろうとは思えていなかったかもしれません。

あまりにたくさんの応援を頂いていたこともあり1つ1つに返事することは出来ませんでしたが、自分が確認できたものは全て読ませてもらい力に変えさせてもらいました!

自分にとって選手とは応援してもらい注目されることで初めて存在することが出来るのだと思っています。

そのうえでその応援や注目をしてくれる人達に対して感動や力を返すことが出来て初めて存在している意味が有るのだと考えています。

 

これからも「存在している意味」を果たす為にも、多くの人々に応援して貰い、感動と力を与えることが出来るように、また日々成長していく姿を見てもらえるように全力で頑張って行きたいと思いますのでこれからも応援よろしくお願いします!

 

NIPPO VINI FANTINI 山本元喜

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2016年5月30日 (月)

ジロ・デ・イタリア 21日目

ジロ・デ・イタリア 21日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月29日

距離:163km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:47

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日は最後のゴールスプリントをグロスで狙いに行くとのこと。

指示に従って援護するようにという指示。

 

 

レースレポート

 

スタートラインに並びに行く。

今までとは雰囲気が一転しかなり和んだ雰囲気のスタートライン。

それもそのはず、ジロ・デ・イタリアの最終日は総合順位争いがよっぽど僅差でない限りはレース後半の周回コースに入るまで争わずに走るのが毎年の習慣。

レースがスタートしてもペースは一定のまま。

逃げも発生しない。

総合順位リーダーのニーバリが所属するアスタナが集団のペースをコントロールして雨の中をレースが進む。

23km地点。

何もない普通のロータリー前の直線。

ロータリーで集団が詰まり減速する。

前の選手に合わせて自分も軽くブレーキする。

その瞬間、前の選手とほぼ同時に前輪がスリップして地面に投げ出される。

後輪ならともかく前輪がスリップしては立て直すことなど不可能。

雨で濡れた路面を滑る。

自分の左右にも選手が滑っているのが見える。

急いで手を握り体を丸め、指と手足を守る。

落車で一番怖いのは後続から突っ込まれる事。

胴体への直撃であれば肋骨骨折程度で済むかもしれないが、指は切断の危険があるし手足は轢かれて折れると走れない。

幸い後続からは突っ込まれなかった。

打ち付けた左半身が痛むが鎖骨は無事、指も繋がっているし出血も少量。

周りを見るとかなりの人数が転がっている。

水路に落ちている選手も居る。

また水路か……と思いながら自分のバイクを探す。

フレームとホイールは無事。

外れたボトルを拾う為に地面を見ると、デローザのバーエンドと共にカーボンの欠片が落ちている。

TI…」の文字が確認できたので、ペダルを見るとバネ代わりに付いているカーボンパーツが真っ二つに割れている。

ペダルから足が離れる際に無理な力が加わったのだろう。

今まで割れた事など無かった。

ともかく、これではシューズをペダルに固定することが出来ない。

バイクを交換しないといけない。

チームカーが足止めを食らっているので状況を無線で説明してバイクを持ってきてもらう必要がある。

無線のイヤホンが耳から外れている。

付け直そうとするが付けれない。

そもそも連絡するのにイヤホンが必要ない事に気付く。

マイクで連絡しようとするが、マイクの位置が分からない。

落ち着いているつもりでも相当混乱している。

マイクの場所を思い出し、伝えようとするが何と言っていいのか分からない。

普段なら言葉が出るはずだ。

変に無線で離して向こうが混乱しても困る。

その内チームカーから誰かやって来るだろうからそれまで待とう……というかこの状態で物事を考えるのは疲れる。

とにかく誰かがチームカーからやって来るのを待つ。

チーフメカニックのアンドレアがスペアホイールを持って駆けてくる。

「バイクを交換してくれ!」と叫ぶ「他に誰か落車したか!?」と聞かれ「俺だけ!」と答えると引き返して行った。

バイクが来るまでの間にボトルとデータ記録のためにガーミンを外して背中のポケットに入れる。

福井がやって来たので一応日本語で状況説明。

ちゃんと伝わっていたようでスペアバイクを今取りに行ってくれているとのこと。

アンドレアが自分のバイクに跨ってやって来る。

見慣れない光景に思わず笑うが、受け取って再スタート。

自分が再スタートするころには落車した選手の数がめっきり減っていた。

集団に復帰する為に追いかける。

幸い今日は最終日。

集団のペースは速くないハズ。

むしろ落車した選手を待つためにユックリ走ってくれている可能性が高い。

単独で走っているとFDJのチームカーが「後ろに入れ」と言って車で風除けをしてくれる。

こういった不慮の事故の際にはチーム関係なく助けてくれる場合が多い。

かなり良いペースで先導してくれたが、ロータリーのところで遅れてしまう。

先ほど落車した原因が分からないのでコーナーを攻めるのが怖い。

この道の路面自体が滑りやすい可能性もある。

何台かのチームカーにパスされた後、今度はトレックのチームカーが助けてくれる。

今回はかなり手厚く、集団復帰まで連れて行ってくれた。

集団に復帰して落ち着いたことで落車で負った傷が痛みだす。

左肘の近くと左の太腿の付け根。

良く傷を負う部分だが今回は太腿の付け根をかなり強く打っている。

普通に走っていてもジワジワ痛み、踏み込めば結構痛い。

ほぐせば痛みがマシになるかと思い、ストレッチしてみるが逆に痛む。

これは何もしない方が良いと判断し綺麗なペダリングを意識して走る。

時間が経てば収まるかとも思ったが痛みが引かず。

チームカーまで下がってジュリアーニに「左の太腿の付け根が強く踏み込むと痛む。完走は大丈夫そうだが仕事は厳しい」と伝える。

「分かった。無理せず落ち着いて走れ」と言われる。

集団に戻りクネゴとグレガに同じことを伝える。

クネゴは「無理はしなくていい。後ろに付いていればいい」と言ってくれて、グレガはニヤリとしながら「(いつも通り)俺の後ろだ」と言ってくれた。

その後ジリオーリの隣に並び、同じことを伝えると「大丈夫、腰回りの骨が折れていたらペダルを踏めていない」と言われる。

そこから残りの距離を確認しながら後ろに付いて走る。

最終日だというのに落車するとは付いていない……

いや、違うな。

落車したのが最終日で良かった。

今日以外の日に落車していれば完走はかなり危うかっただろう。

今日まで想像できないくらいに上手く行っていたのだから、これくらいの事は多めに見ても良いだろう。

自分の経験的に良いことが続けば悪いことが必ず来る。

2月のように車に轢かれるよりはよっぽどマシ、この程度の落車で済んでよかった。

最後の周回コースが近づくにつれてペースが上がって行く。

痛みで踏み切れず遅れてしまい集団最後尾へ。

ここから千切れる訳にはいかない。

集中してアドレナリンが出たおかげか痛みが和らぐ。

周回は8周。

1周7.5kmの合計60km。

ラスト2周まで残れれば確実に完走できる。

打ち切りのタイム的に考えて、もし単独になっても集団に追いつかれる事なくラスト1周に入れれば完走できる。

そこまでは出し切ってでも付いて行くしかない。

周回コースの途中に合流する。

道が細くなったり直角コーナーがあったり、石畳があったりでハイペースな集団が伸び縮みを繰り返す。

力尽きそうと思いながらも全力で付いて行く。

ゴール地点を通過し残り8周。

自分にとっては6周。

長い!耐えきれないかもしれない……

残りの周回を数えながら耐え続ける。

残り5周!あと3周耐えればいい!今まで耐えて来た周回と同じ!結構長い!考えるんじゃ無かった!

とか考えながら付いて行く。

周回を重ねるごとにほんの少しずつペースが落ちてきている気がする。

このままいけば耐えきれる。

残り4周に入る1kmほど手前の石畳で落車発生。

道が塞がれて集団後方が足止めを食らう。

スタキオッティが落車に巻き込まれ、ビソルティが自分と同じく足止めを食らっている。

落車が広がっている区間を抜ける。

集団に復帰する為に全力で踏んでいく選手や、追いつくのを諦めてグルペットを作ろうとする選手に分かれる。

自分は後者。

ここでグルペットが出来れば完走は出来る。

結構な人数が巻き込まれていたから大きな集団になるハズ。

ビソルティもグルペット組で選手が集まるのを待っている。

落車したスタキオッティも復帰し、10人以上のグルペットが出来る。

少し人数が少ないがこれなら大丈夫。

速すぎないペースで走っているとそこにオリカの列車が合流。

チャベスが落車に巻き込まれていたらしい。

そこからはオリカがグルペットを曳いて周回数を減らしていく。

ラスト1周に入るまであと2kmというところで「後ろからトップグループが来ている」と言われて路肩に停止させられる。

周りを見ると30人近い選手が止まっていた。

しばらくしてグロスを含んだトップ集団が自分たちの横を過ぎていく。

少し遅れてグレガ。

ビソルティとスタキオッティが「グレガ~」と嬉しそうに叫んで応援していることにグレガが気付く。

「お前ら何やってんだ」とハンドシグナルで表して過ぎていく。

その後に大集団が過ぎていき、「もういいやろ」といった感じで自分たちの集団が再スタート。

ラスト1周に入るというところで「もう1周回らなくていい」と告げられる。

実際、ゴールラインを過ぎたところはメディアの取材や観客でごった返していてとても通過できる状態では無かった。

タイム差に関しては「落車による足止め」を考慮してトップと同タイムという扱いになった。

ゴール後にオリカの選手(おそらくチャベス)が審判に「本当に大丈夫なんだな!同タイムなんだな!」と迫っており、審判が仰け反りながら「大丈夫、大丈夫だから!」と言っていた。

 

 

感想

 

最後は短縮によるゴールという事で若干味気なかったが無事に完走することが出来て良かった。

落車で打ち付けた腰は痛むが、日にちが経てば治ると思う。

落車した原因だが、どうやら道路にオイルが撒かれていたらしい。

もし故意に撒かれていたのだとすれば、どういう思考回路をしていればそんなことが出来るのか分からないし、そういうことをする人間はクズだと思う。

そこに怒ったところでどうしようも無いのは分かっているので今は回復させることを最優先で考えたい。

ジロ・デ・イタリアを完走することが出来たという事でほっとしている部分もあるが、まだまだ足りないところばかり。

ここから成長しなければ経験を積んでいる意味が無いのでそのことを忘れず、これからも強くなる為に頑張り続けたいと思う。

 

もっとも、まずは一旦休憩したいと思う。

3週間走り続けたわけだし、しっかりと疲れを抜いてリフレッシュして次に気持ちを切り替えていきたい。

 

 

 

キツさレベル

最終日という事でレースはそこまで辛くなかった。

最後の周回も落車していなければ今日ほど苦しんでいなかったと思う。

しっかり休んで次に備えたい。

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2016年5月29日 (日)

ジロ・デ・イタリア 20日目

ジロ・デ・イタリア 20日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月28日

距離:134km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:54

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日の指示はグレガの側に居るようにとのこと。

 

 

レースレポート

 

一昨日と昨日の疲れ&今日のレースがスタートからイキナリの登りという事で滅多にしないローラーアップをしてからスタートラインに並びに行く。

結構前に並ぶことが出来た。

アップやスタートラインに並びに行く際に走った感じでは足の感じが結構良さそう。

もしかしたら登りでクネゴの援護が出来るかもしれないと思いながらパレード開始を待つ。

短めのパレードを終えてレース開始。

イキナリの登り。

開始直後はペースが上がらない。

開始と同時に逃げが行ったのだろうか?それとも嵐の前の静けさというやつだろうか?

出来れば前者を期待したいが、恐らく後者だろう。

しばらくして集団の先頭が縦に伸び出す。

その瞬間に前方から聞こえてくる「グルペートッ」という悲鳴。

悲鳴を無視して加速して行く集団。

アタック合戦が始まる。

今日は調子が良いはず、心拍数もいい感じに上がっているし足も軽く感じる。

起床時心拍は54とジロの期間中で最高値を記録していたが、ホテルが標高2000mにあったせいだろう。

クネゴの援護をしようと前に上がろうとする。

頭打ちだと思っていた集団の速度が更に上がる。

前に上がるどころか後ろに振り落とされる。

半端ねぇ!これがスタート直後のフレッシュな状態でのアタック合戦!援護とか舐めたことを言っていた自分を殴りたい。

とにかく付いて行くことに全力を尽くさないと、ここで遅れると完走すら危うい。

グレガの3人ほど後ろに付いて行く。

今日の「グレガの側に居ろ」というのはアタックに備えてとかでは無く、側に居るだけで限界だろうと見越したうえでの言葉だったのだろう。

最初の登りは8kmで一旦緩やかになるはず。

そこまで粘れれば希望が見える。

現在4km。

マジでヤバい。

自分の位置から見える集団は少人数に分かれてバラバラになっている。

どこからがグルペット予備軍でどこからが逃げ予備軍か判別がつかない。

とにかくグレガを含む自分の前の集団に食らいついて行く。

自分の後ろに選手の気配は感じない。

少なく無い人数が自分の後ろに居たはずだが、散ったのだろう。

とにかくこの集団には付いて行きたい。

しかし自分が今いる集団も1つ前の集団に追いつこうとペースを上げている。

千切れかけたり付き直したりを繰り返しながら付いて行く。

(無理してでも付いて行くべきか?しかし残りの距離がまだまだある。ここで出し切るのはマズイ。でも前に追いつけばペースが落ちるはず。そこまで耐えればどうにかなるか?でも足が相当ヤバい。緩くなるまでの残りの距離は?1.5km!?ヤバい……無理……)

力尽きてブッ千切れる。

やってしまった。

完全に出し切って千切れてしまった。

これはマズイ。

とにかく回復させないとどうしようもない。

自分が思うに、自分の回復力は高いはず。

まだ取り返しは付く。

後ろにはまだ選手が居るはずだし、最悪の場合はそのメンバーとグルペットを形成すればいい。

審判車に抜かれる際に「ヤマモト!ユックリ走って回復させろ」と声をかけてもらう。

後ろから2人の選手に抜かれるが回復しきっていなかったので付いて行かず。

登りが少し緩やかになったか?というタイミングで結構な人数の集団に抜かれる。

これはオイシイ!と思い即座に飛びつく。

あと少しで下りと平坦が来るはず。

この集団に付いて行けばいいペースで前を追ってくれる。

上手く行けば前に復帰できるかもしれない。

先に抜かされた2人を吸収し、そのままの勢いで前を追いかける。

再び勾配が急になる前に前方に形成されたグレガを含む大集団に追いつく。

大集団はペースを落として楽なペースで登っている。

グルペットだろうか?

しばらく息を整えて落ち着いたところでグレガの側に行く。

「この集団はグルペットか?」

「いや、違う。メイン集団だ」

どうりで集団の上空にヘリが飛んでいる訳である。

メイン集団はペースを落としたまま19km地点の1回目の1級山岳を通過。

速すぎないペースで下り、41kmから始まる2回目の1級山岳へ。

登り始めは先ほどの登りと同じく比較的ユックリ。

足にダメージがそこまで来ない。

このままのペースで登り切らないかな?と淡い期待を持ったが、5km程登ったところでペースが上がりだす。

このペースは不味いな……と思いながら集団内を下がって行く。

一瞬ペースが上がっただけか?とも思ったがどうやらそうではない。

ペースアップが始まったようだ。

あと15kmも登る。

ここで無理は出来ない。

単独でも遅れて1人で登っていればその内グルペットに追いつくことが出来ると判断し集団から遅れようとする。

そのタイミングで集団の後ろ3分の1がゴッソリ遅れる。

丁度いいタイミングだったのでそこに合流して登る。

無理の無いペースで登り切って1級山岳を通過。

集団先頭10番手辺りで下りに入る。

前に付いて行くが、その前の選手が中切れを起こす。

上手く前との差を詰めることが出来ず自分も前から遅れる。

何人かの選手に後ろから抜かされ、付いて行こうとするが上手く付けず遅れる。

後ろから選手が来ないので一瞬で後ろを確認するが、後ろも結構バラバラになっている。

自分が下りが下手な訳では無く、自分の前に行った選手がとびきり上手いだけ。

むしろ位置的には自分もそこまで下手な方ではないハズ。

ヘアピンの連続する区間は単独で下り、直線的な下りに入ったところで後ろを待つ。

ダニエル・オスに抜かされて後ろに付く。

重いので下りが速いし、一杯踏んでくれそうだからだ。

案の定、先頭交代の要求もせずに黙々と踏んでいく。

しばらくして後ろから大きな集団が追いついて来てローテーション開始。

下りで先行したメンバーを追いかける。

103kmからの最後の1級山岳が始まるところで前に追いついて1つの集団となって登りだす。

少し足に来るくらいの一定のペースで登って行く。

時々無線からトップ集団とのタイム差の連絡が来る。

山頂が近づくにつれ、打ち切りのタイムリミットまで十分に余裕が有ることが確定的になっていく。

余裕が出来たことで集団のペースが徐々に落ちていく。

余裕のあるペースで最後の1級山岳を通過。

下りに入る。

1車線、ガードレール無し、白線の向こう側は崖、という中々クレイジーな下りを1列になって下って行く。

時間的に余裕があるおかげでそこまで速くは無い。

しかし前の選手の下りが下手で前から遅れ始めている。

余裕があると言っても前から遅れるのは嫌だったので直線的な下りで前の選手を抜いて集団に追いつく。

かなり下りが上手くなっている気がする。

昔と比べて、視線の送り方、見るべきところ、集中力、判断力がかなり上がっている気がする。

調子に乗っていると絶対にこけるので、無理には攻めず自分が「絶対に大丈夫」と思う速度を維持して前に付いて行く。

そしてラスト3kmを切ってから少ししてラストの3級山岳に入る。

ジリオーリに「タイムアウトの心配は無い?」と聞くと「全く問題ない」と教えてくれた。

そこからは集団に付いて行くだけでゴールした。

 

 

感想

 

最初の8kmを耐えれば後はどうにかなると思っていたが、その8kmが半端無く速くて相当キツかった。

それ以降はそこまで苦しむことも無く走ることが出来たので良かった。

感覚的には昨日の方がよっぽどしんどかったという感じである。

明日はトリノへ向かう最終日。

ここまで来れば完走は確定的と言えるが、最後までどんなトラブルが有るかは分からないのでリラックスしつつも集中して走りたい。

今日で全ての山岳ポイント地点を終えたわけだがクネゴの山岳リーダージャージは昨日まで2位につけていたニエベに逆転されてしまった。

本格的な山岳が始まってからは全くと言っていいほどクネゴのアシストが出来ていなかったので申し訳なかった。

自分に対してのジロのこの山岳でのアシストは期待されてなったとは思うが、いずれは期待されるような選手になりたい。

 

 

キツさレベル

スタート直後のペースアップが半端無く辛く、出し切って千切れてしまったが、その後に復帰することが出来て良かった。

それ以降は限界を越えないレベルで走りきることが出来たので全体としてはそこまで辛いとは感じなかった。

しかし134kmのレースとは思えないほどに長く感じたのは確かであった。

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2016年5月28日 (土)

ジロ・デ・イタリア 19日目

ジロ・デ・イタリア 19日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月27日

距離:162km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:47

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

クネゴの山岳リーダージャージを守る為にクネゴが乗れていない逃げは潰すといった感じの内容だった。

一応レース前にジュリアーニに確認に行く。

「山岳ポイント争いに入っている選手が行った場合には潰した方が良いが、それ以外の場合は逃がしても構わない。グレガの側にいて指示に従えばいい」と言われた。

 

 

レースレポート

 

スタート地点に並びに行きグレガと会話する。

グレガが「ヒロシ(大門さん)が言っていたがお前のブログに俺が登場しているのか?」と聞かれ、「先生みたいな感じって書いているよ」と答える。

「じゃあ俺も日本で有名だな!ジャパンカップに行ったら大人気か?」と聞かれたので「たぶんそうだと思う」と答えた。

その後に今日の動きの話になる「援護はするが足を使い切らないように気を付けろ。今日の登りはかなり長いから全力を出し切ると遅れた際に一気に遅れてしまう。前でローテーションして追うとなった際にも足を使い切らないように気を付けろ」と教えられる。

そしてパレード開始。

短めのパレードが終わりレース開始。

出来ればクネゴを含む逃げが早く決まってくれれば良いが、そうはいかないだろう。

自分の足の調子は良くないだろう。

出発の時点で足がむくんでいた。

少なくとも30分は走らないとむくみが取れないだろう。

それまでは確実に足が重いまま走ることになる。

むくみが取れても昨日のダメージが筋肉に残っている可能性が高い。

いずれにせよ厳しいステージになることは確定的。

アシストの動きが出来れば良いのだが、どうだろうか?

レース開始からの平坦区間でアタック合戦が始まる。

かなり速い。

グレガが前に上がって行くが付いて行けず取り残される。

ロータリーやコーナーが連続してとても上がれる状態じゃない。

付いて行くだけで相当キツイ

集団後方でかなり苦しむ。

足が重い事もあり半端無くキツイ。

無線から「ヤマモト、スタキオッティ!前に上がれ!」という指示が聞こえるが上がれる状態じゃない。

むしろ気が付けば最後尾に追いやられていた。

無線から「おい!聞こえてるのか!誰か返事しろ!」という声が聞こえてくる。

誰も答えない。

全員キツクて答えてる場合じゃないのだろう。

最初の30分が経過する。

足のむくみが取れたかどうかは不明だが、足が重いまま。

それでも「仕事をしないと」と思い前に上がろうと頑張る。

ペースが落ちたタイミングで足を使って前に上がり、ペースが上がって後ろに引きずり戻される。

何度頑張っても同じ。

そうとうキツイ。

40kmを越えて緩やかに登りが始まる。

逃げが決まっているのかどうかは知らないが、アタックがかかっているのは確か。

集団が伸び縮みしてメチャクチャキツイ。

前に上がるとか言っている場合じゃない。

嵐が終わるのを待つかのように耐え続ける。

延々と続くアタック。

キレが無くなってきているのか集団の伸び縮みは少なくなる。

その代わりに一定の速いペースで緩やかな登りを登り続ける。

これもキツイ。

しかしここで千切れる訳にはいかない。

とにかく全力で付いて行く。

しばらくして集団前方を見ると、「もういいやろ」とでも言いたげに集団が大きく分断している。

先行する集団からはアタックがかかり活性化しているが、後ろの集団は離れすぎない程度のペースを保って付いて行っている。

集団のペースが落ちてきたこともあり若干楽になる。

最終的に逃げが決まってペースが落ちたのが70km手前。

それまでは延々と苦しむことになった。

逃げに関しては、人数やメンバーは一切分からないがクネゴが入ったのは確かだった。

そこから一定のペースで登る集団内でとにかく休む。

後半に向けて足を回復させないとマズイ。

理想としては山岳ポイント10km手前まで集団に付いて行きたい。

そこまでは勾配も比較的楽な上、距離的にも96km地点なのでそこまで行ってグルペットに入ることが出来れば完走は確実。

ペースが上がらないように祈りながら付いて行く。

後ろに下がって来たグレガに「調子はどうだ?」と聞かれ「相当キツイ」と答えると「俺もキツイ」と言っていた。

「出来れば96km地点からの登りで千切れてしまいたい」と伝えると「山頂は何km?」と聞かれ「105km辺りだと思う」というと「なるほど」と言っていた。

集団のペースがそこまで上がらないまま96kmまで来る。

一目見ただけで分かるこれまでと明らかに勾配の違う坂が出迎えてくれる。

登りに突入したタイミングでグレガがチームカーにボトルとアームウォーマーを取りに行く。

最後尾にいた自分に「(無理に付いて行かず)ペースを落として登るぞ。グルペットには後で追いつけばいい」と伝えてくれたので自分も遅れる。

遅れたついでにチームカーからレインジャケットを受け取っておく。

山頂付近で着込んでいると集団から遅れる可能性があるし、今でも吐き出す息が白くなるくらいには気温が低い。

自分達が遅れてからすぐに集団からかなりの人数が遅れてグルペットが出来上がった。

グルペットのメンバーに力が残っている間はペースがあまり落ちないので追いつかず、疲れて来てペースが落ちだしたところで合流した。

かなり休むことが出来たので足はかなり回復している様子。

しかし絶対に無理をしてはいけない。

今日は標高2700mを越える。

少しの無理で一気にキツクなる可能性がある。

登っていく毎に道路脇に積もっている雪が増えていく。

事前の情報では5m積もっているところも有るらしい。

雪だけでなく霧も徐々に濃くなっていく。

周りの景色がほとんど見えないぐらい霧が濃い。

下りもこれくらい霧が濃いのであれば、前方が見えない為かなり危険になる。

その分遅くもなると思うので悪くは無いかもしれないが。

山頂まで2kmを切る。

レインジャケットを手放しで着ようとするが、速度がユックリ過ぎて安定しなくて危険。

仕方がないので一旦止まってからジッパーを半分ぐらい上げた状態で集団に復帰する。

気温が低いとはいえまだ上っているので、ジッパーを全部上げてしまうと暑い。

山頂が近づくにつれて霧が晴れ出した。

これぐらい見通しが良ければ下りは問題無さそう。

ちなみに周りの景色は霧が晴れても白一色、辺り一面雪だらけだった。

集団の6番手辺りで登り切りジッパーを全部上げて下りに入る。

前の5人が相当速く下る。

普段であれば付いて行こうとするのだが少しためらってしまう。

路面が湿っているように見える。

もし路面が湿っているのであればこのペースは確実にオーバーペース。

相当危険なことをしている事になる。

ビビッてしまって遅れる。

後ろにまだまだ選手が居るので問題ない。

それでも緩い右コーナーで踏み込んで遅れを取り戻そうとする。

そのタイミングで地面の凹みに突っ込み跳ね上がる。

ビックリしてブレーキを掛ける。

後輪がかなりスリップした。

普通はここまでスリップしない。

路面が湿っているか、滑りやすいかのどちらか。

いずれにしても絶対に攻めるべきではない。

ペースを落として下りだすと、後ろからグロスと2人の選手が「遅すぎ」とでも言わんばかりに一気に抜いて行く。

そして左コーナー手前でグロスが地面の凹みに突っ込んで跳ね上がる。

ブレーキをかけて後輪が滑りバランスを崩して、右の雪の壁に突っ込む。

グロスの後ろに居た2人も回避できずに壁に突っ込んだ。

グロスに突っ込まれて抉られた雪の壁がバラバラになって道の真ん中辺りまで飛び散る。

雪の壁に跳ね返されたグロスのバイクが道路の真ん中を結構な速さで滑って行く。

バイクに突っ込まないように注意しながら回避する。

そこからは更に慎重に下る。

後ろから他の選手に抜かれるたびに付いては行くが無理はしない。

しばらくヘアピンコーナーが連続してから直線的な下りに入る。

その辺りでは路面が乾いていたのでかなり高速で下って遅れた分を取り戻す。

下りの途中でカチューシャのチームカーと救急車が止まっていた。

誰か吹き飛んだんだろうか?

その後無事に前に追いつく。

壁に突っ込んだグロスも集団に復帰する。

そこからは前を曳いて疲れないようにグルペット後方で付いて行っただけ。

ラスと10kmの登りに入り、ラスト7km地点で無線から「ニーバリがマリアローザを4分離してゴールした」という情報が入って来た。

打ち切りのタイムリミットまでかなりの時間が有ったので、そこからはグルペットの全員がユックリしたペースで走りゴールした。

 

 

感想

 

前半のキツさが半端無かった。

ホテルでスタキオッティとも話したが、とても上がれる状態じゃなかったし、キツ過ぎて返事も出来ないと言っていた。

ペースが落ち着いてからは少し休むことが出来たし、その後もグルペットだったので楽が出来たが、落ち着くまでが70km近くかかったので疲労が半端無い。

筋肉もガチガチなのでしっかりストレッチをして、最後の山場である明日のレースに全力で挑みたい。

血反吐を吐いてでも完走するつもりなので頑張りを見ておいて欲しい。

 

 

キツさレベル

前半のダメージが半端無く、それ以降もペースは楽だと感じることが有っても足はずっとしんどいままだった。

昨日今日とかなりキツイが明日を耐え抜いて完走したい。

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2016年5月27日 (金)

ジロ・デ・イタリア 18日目

ジロ・デ・イタリア 18日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月26日

距離:240km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:40

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ミーティングの内容は「山岳ポイントに絡む選手が飛び出したら捕まえるように」という感じ。

ミーティング後に個人的には聞きに行かなかった。

 

 

レースレポート

 

スタートに並びに行く前に少し考える。

このまま行けば今の調子的に完走は確実。

完走だけがしたいのであれば今日は集団で休んでおいた方が良いと思う。

しかし、それだけで良いのか?という思いもある。

完走が確実で目標を達成できる以上、その次のステップに進まなければ成長は無い。

自分がジロに出ているのは経験を積むため。

少しでも多くの経験を積むことが出来れば次に繋がる何かが見えるはず。

今日どうすればいいか監督のジュリアーニに聞きに行けば「今日は長いし、明日と明後日はきついレースになる可能性が高いから休んだ方が良い」と言われる気がした。

そう言われてしまえばそうするしかない。

自分でどうするか決める為に今日はジュリアーニには聞きに行かなかった。

結局のところ、明日明後日に山岳が控えていようと、今日の距離が最長だろうと「逃げたい」という思いは変わらずあったわけである。

もし逃げに乗れれば更なる経験を積むことが出来る。

逃げれなければ明日明後日に向けて休むことが出来る。

「何が何でも」という感じでは無く、「逃げれれば良いな」という位の軽い気持ちで逃げを狙おう。

そう考えてスタートラインに並ぶ。

軽い気持ちではあるがパレード中は集団の前から2列目以内を死守。

今!と思った瞬間にいつでも飛び出せるように備える。

スタートと同時にグロスが審判車を追いかけて単独で発射していく。

審判車に振り切られグロスが単独で先行。

それとは別の動きで集団からアタックがかかり集団が伸びる。

ファーストアタックは決まらず。

今日のスタート前にグレガに「今日のアタック合戦はどうなると思う?」と聞いたところ「長引くぞ~」と言って笑っていた。

吸収された後に2人が飛び出す。

集団先頭はスカスカにバラけた状態で広がっている。

行けそう。

そう判断し一気に飛び出して2人を追う。

あと少しで追いつける、というところで後ろに付いて来ていた選手と交代する。

自分の後ろに付いて来ていた選手たちの最後尾まで下がる。

結構な人数が来ている。

しかし、先頭の選手は後ろを確認してから更に踏み込んでいく。

恐らく集団が離れているのだろう。

人数が多いので決まる可能性は低いが絶対に遅れてはいけないし、前に出ても行けない。

前に出れば消耗する。

逃げの飛び出しはとにかく速い。

ここで先頭に出ればかなりダメージが来るし、吸収された際に再び反応できなくなる。

上手い事他の選手を利用して前に出ないように工夫する。

それでも2、3ど先頭に出てしまった。

先頭に出た際はペースを落とさず速攻で変わる。

しばらくしてジリオーリが合流する。

人数もかなり増えて来たので「とうとう集団に追いつかれたのか?」と思い後ろを見ると集団の姿が全く見えない。

しばらくしてタイム差が1分半という事が逃げに伝えられる。

無線から「バルディアーニが集団を曳いている」という情報が入る。

しかし逃げ集団は24人が完全に協調しておりハイペースで突き進む。

バルディアーニが追いつける訳も無く集団とのタイム差がドンドン開いて行った。

開始30分辺りでタイム差4分程。

こうなれば今日の逃げはこのメンバーで確定。

集団が追ってこようが24人も居れば差を詰めるのは至難の業だろう。

全員がサボらずに綺麗にローテーションして逃げる。

自分は楽に走れる位置を探してローテーションの入る位置をちょこちょこ変える。

やり方としては用事が有るようなフリをして集団の後方でローテーションから外れ、良い選手が来た際にローテーションに再び加わるといった感じ。

分かりやすく言えばデカい選手に挟まれるような位置を探す。

ローテーションで前に上がって行くときも風除けがいて、交代してからも前に風除けが出来る位置。

もっとも全員自分よりデカいので誰でも良い風除けにはなるのだが、少しでもデカい選手の後ろに付いて少しでも楽がしたい。

楽が出来る位置を探しつつローテーションを続ける。

ローテーションは集団とのタイム差を確認しつつペースを上げたり下げたりしている。

楽に走ろうと思っていても先頭を曳くことが有るのでやはり疲労が溜まる。

「そろそろ良い具合に目立つことも出来たしいい経験も出来た。吸収されても問題ないな、今日はどれくらいの位置で集団が追いついてくるのかな?」とか感がえながら走る。

タイム差はズット10分を越えたまま。

一向に詰まって来ない。

そもそも逃げの人数が多いせいで逃げのペースも落ちる気配が無い。

これでは追う側も中々差を詰めれないだろう。

……という事は逃げ切りか……。

150km地点、ラスト90kmを切った時点でタイム差が11分以上だったことで頭の中を逃げ切りに切り替える。

ここからは出来る限り足を使わずに集団に残る事を考えないといけない。

逃げ切るであろう集団に居るというのはかなり良い。

更なる経験を積むことが出来る。

160km地点から登りが始まる。

しんどいような雰囲気や乗り方で集団の最後尾に下がる。

他の選手から見れば自分は「小さい日本人。総合順位ドべから4番手。雑魚。その内千切れる」といった感じだろう。

ここで苦しそうに集団最後尾に居ても全然不思議に思われないハズ。

それならば、それに甘えて集団最後尾で少しでも楽をして足を溜めよう。

どう考えても他の選手の方が強い以上同じ条件で走っていればスグに散ってしまう。

そこからは集団最後尾でローテーションに加わらず足を溜めながら走った。

特に文句を言われることも無く気楽に付いて行く。

無線からは「この集団は逃げ切ることが確定的なので、ラストの2級山岳や、その手前の登りでのアタックに気を付けておくように」と告げられる。

180kmを過ぎて登りが始まる。

集団先頭から2人の選手がアタックで飛び出す。

「これか!付いて行ければチャンス!」と思い集団最後尾から全力で反応して一気に追いつく。

「よし!追いついた!」と思って後ろを見ると集団も付いて来ていた。

完全に判断ミス。

放っておけば集団が差を詰めただろうに、気持ちが先走って全力で追ってしまった。

今の全力の反応のせいで一気に足に来た。

相当キツイ。

しかもそこから他の選手を振り落とすために集団のペースが上がる。

振り落とされかける。

早く山頂来い!と思いながら粘る。

足が限界の状態で山頂通過。

ギリギリ集団に残れた。

しかしそこから超ハイペースの下り。

コーナーで少し遅れる。

いつもの事。

コーナーで遅れた分は直線で踏んで取り戻す。

しかし足がいつもと違う。

足が限界過ぎて直線で踏めないし取り戻せない。

しかも下りの途中でBMCがコケてるし……

コーナーが遅くて落車から復帰したBMCに抜かされる。

さすがに1度コケてる選手の後ろに付くのはリスキーすぎる。

しかも懲りずに超高速で下って行くし……

そのまま前に追いつけず下り切る。

下り基調の平坦区間に入る。

自力で踏んで追いかけるが差が詰まらない。

力尽きそう。

無線から「後ろに選手が居るからそこに合流しろ」という指示が出る。

踏むのを止めて後ろを待つ。

LOTTOソウダルの選手に一気に抜かれる。

急いで追いかけ直して追いつく。

一心不乱に前を追ってくれたおかげで自分は前を曳かずに済む。

チームカーの車列に合流する。

チームカーの横に並ぶと「ジリオーリに水を運んでくれ!」と言われて水を受け取る。

チームカーの横を抜いて行く。

ロータリーでクイックステップのチームカーに轢かれかけるが回避する。

その後集団に復帰。

「前で回れ!」と無線から指示が聞こえたので、先頭まで上がって集団から飛び出していた2人の選手を捕まえる。

そのままの勢いで7秒先行している別の選手も捕まえようとするが、無線でジリオーリから「違う!問題ない」と言われて後ろに下がる。

普通に書いてはいるがかなりキツイ。

その後緩い登りで集団のペースが上がる。

千切れる。

離れるが、前のペースが落ちた際に歯を食いしばって再び追いつく。

この後に千切れるのは確定的だが、少しでも残って勝負所に向かう集団がどういう動きをするのこの目で見たい。

散発的にアタックがかかっては吸収を繰り返す。

集団が伸びるたびに苦しむ。

ゴール地点を通過して石畳の区間に入る。

石畳のまま登りが始まる。

これは耐えるとかの問題じゃない。

タダでさえキテいる足に石畳の登りを踏み切るような力は残っていない。

ここで決定的に遅れる。

ラスト25km程。

下り切って2級山岳に居向かう平坦区間に入る。

チームカーに抜かれる際に「あとは流してゴールすればいい」と言われる。

チームカーに抜かれてからも前方に見える逃げ集団との差がそこまで開かない。

ペースが落ちているのだろうか?追いつこうか?と思うが、ここで無理してもどうせ登りが始まればすぐ千切れると考え直して止める。

(ここからユックリ流して帰るべきだろうか?

正直、逃げから千切れたとはいえメイン集団からは逃げ切りたい気もする。

ワールドツアーのレースでこんな上位でゴールできることなど滅多にないだろう。

しかもジロ・デ・イタリア。

しかし明日のためにも無理は出来ない。

ユックリ帰るべきだろうか?)

そんな葛藤をしながら登りに入る。

(とりあえずはこの平均勾配10%、距離5kmの登りを抜けてから。)

そう考えて登りだす。

この登りが半端無かった。

今の足に来ている状態では真っ直ぐ登れないような区間が何か所もあった。

蛇行しながら苦しみ、苦しみ、苦しんでやっと登りきる。

集団が来ている気配は無い。

下りに入る。

この下りが相当ヤバかった。

ガードレースの無い「すぐそこが崖」という細くて曲がりくねった道を下って行く。

所々砂もあるし、ユックリ下っていても相当怖い。

(勝負にかかわっている選手はここを爆速で攻めるんだろうか?正気の沙汰じゃない。

下手すれば死ぬ。

そもそもこの道は本当にコースなのだろうか?自分が道を間違えたのではないだろうか?)

そう疑い出したところで観客が現れ、コースで有ると確信する。

集団に追いつかれないまま下り切り、下り基調の平坦に入る。

ラスト10km。

そこからは長い直線区間に入る毎に後ろから集団が来ていないか確認して走る。

そこまで踏まないように気を付けてはいるが、「逃げ切りたい」という気持ちのせいで、やはりペダルに力を込めてしまう。

ラスト3kmのゲートを越える。

後ろに集団無し。

逃げ切れるかも!

そう思いながら先ほど逃げ集団から千切れた石畳の登りへ。

後ろからコミッセールバイクに抜かされる。

後ろに集団が近づいて来ている証拠だ。

ここまで来たのであれば逃げ切りたい。

石畳の登りを頑張って登りきる。

千切れてからそこまで踏んでいなかったおかげも有ったのか、1回目の石畳の登り出しから終わりまでが2分13秒、2回目が2分8秒。

少し速く登れた。

登り切ってラスト2km。

下り切ってラスト1400m。

後ろを頻繁に確認して集団が来ればいつでもダッシュできるように備えて走り、そのまま追いつかれずにゴールした。

 

 

感想

 

かなり貴重な経験を積むことが出来たステージだった。

足に疲れを溜めないように気を付けて走ってはいたが、やはりダメージが蓄積していた。

まだまだ実力が及ばないという事を見せつけられはしたが、良い物を見ることが出来た。

いずれはこういう展開で勝負に絡めるような選手になりたい。

自分が将来目指すところを見ることが出来たのでかなり嬉しかった。

判断ミスによるダメージは相当大きかったと思う。

興奮状態で冷静に判断できていなかったと思う。

十分に痛い思いをしたので次は失敗しない。

世界トップのレースで逃げに乗れたというのはかなり大きな収穫だった。

これを糧にして更に成長していきたい。

まずは明日明後日の超級山岳ステージを全力で乗り越えたい。

今日のダメージで明日完走することが出来なかったとしても仕方がないとは思う。

しかしどれだけ苦しくても諦めるつもりは一切ない。

石に噛り付く思いで集団に食らいついて行きたい。

そこまで努力した上で完走できなければ、それは力が足りないという事だろうと思う。

もっとも、今はかなり調子が良く今日も千切れてからは流して走っていたので、登りの苦しさはいつもと変わらない可能性もある。

とにかく残り2日に超級山岳ステージで絶対にゴールし、無事にトリノに到着することで「第1の目標」を達成したいと思う。

というより、やはり完走しなければ意味が無いと思うので何としても完走できるように全力を尽くしたい。

昨日のダメージが……とか言っている場合じゃない。

一度完走すると決めた以上、完走しなければヘタレである。

 

 

キツさレベル

感覚的には一昨日のステージの方がよっぽどキツかった気もする。

瞬間的なキツさはあったが、長時間苦しみ続けたという感じは無かった。

しかし、かなりの距離を走っている上に強度も高かったのでジワジワと疲労が溜まっている可能性が高いので気を付けたい。

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2016年5月26日 (木)

ジロ・デ・イタリア 17日目

ジロ・デ・イタリア 17日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月25日

距離:196km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:47

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ミーティング後に「今日はどうしたいか?」と聞かれ、「スタートして足の調子が良ければ逃げに挑戦したいが、悪ければ休んで回復させたい」と伝えると、それでオッケーと言って貰えた。

 

 

レースレポート

 

集団中盤でスタートラインに並ぶ。

パレード中に上がるが先頭までは出れず。

レース開始。

スタートしても集団がユックリのまま。

前の状態が分からず疑問に思いながら前に上がって行く。

だいたい予想はしていたがスタート直後の飛び出しが決まった模様。

集団先頭がガッチリと固められており前に出れる状況では無い。

集団のペースも結構ユックリ。

普段であれば後ろに下がる状況。

しかし空気が違う。

相当ピリピリしている。

集団の先頭を逃げを決めさせたいワールドツアーチームが固めてはいるが、常に左右のサイドを気にして誰も飛び出さないようにかなり警戒している。

逃げが決まれば、談笑が始まりトイレに行く選手も現れるが、それも一切なし。

超高密度の集団先頭部分がシーンと静まりスプロケットの空回りする音だけが響く。

どう考えても次の動きが起きる。

ここで下がるのは良くない。

しばらく集団3列目辺りで待機する。

集団の左サイドに居るが、ランプレの選手が自分の前を固めており中々飛び出せない。

無理に出ようとすれば落車を引き起こしかねないし、左のゴツゴツした岩の壁で体を削りかねない。

動きが起きるのを待つ。

とうとう左側からLOTTOソウダルの選手がアタック。

それを追いかけ集団が伸びる。

アタックした側も全力、追う集団も全力で爆速で下る。

これは相当怖い。

前に付いて行くのが中々難しい。

「皆で一緒に綺麗に下ろう」と言う感じでなく「後ろを突き放すために全技術を投入しての攻めた下り」だ。

付いて行けず離れてしまう。

ここで交代してはいけない。

ただでさえ他のチームから下に見られるプロコンの選手。

その選手が中切れを起こして、その尻拭いを他のチームの選手に押し付けたとなれば良く思われない。

前に入れて貰えなくなる。

足を使ってでも遅れた差を前が緩んだ際に取り戻さないといけない。

下りが一旦終わり平坦に入った際で飛び出しが捕まった様子。

前方で集団が広がりペースが落ちているのが分かる。

ここで追いつかないといけない。

一気にダッシュして追いつくのではなく、ペースを維持してジワジワと差を詰めて前に追いついた。

かなり疲れたがしょうがない。

集団の先頭が再び広がりペースを落としている。

この感じでは追加の飛び出しは不可能だろう。

もし飛び出しても下りで確実に捕まる。

自分と同じような判断をした選手が多かったのか、集団の空気が緩む。

密度も下がり、トイレに行く選手も出て来て談笑が始まる。

こうなれば追加のアタックは出来ない。

アタックを企んでいるのがバレただけでもブチギレられる。

今日は諦めて休もう。

そう思い自分も気を緩めて一旦下がる。

次の登りは32kmから。

山岳ポイントではないが結構勾配があったはず。

今日はその登りとその次に来る100km辺りで終わる山岳ポイントの登りで遅れずに集団に付いて行くのが完走の絶対条件。

それが終わるまではリラックスできない。

足の状態もそこまで良くない。

芯の部分に疲れが残っている感じがする。

警戒しないといけない。

登りが始まる。

始まってスグに前の選手が捨てた捕食の包み紙が自分の前輪のスポークに絡まる。

しょせん紙なので落車などの心配は無いが、ホイールが一周するごとにシャカシャカシャカシャカうるさい。

恐らく空気抵抗も上がっているハズ。

気分的にもペダルが重く感じる。

ペースも結構速くてキツイし、音はうるさいわで相当イライラする。

何度か走りながら取り除こうとするが取れない。

無理をすれば前輪のスポークで指を切断したり落車したりする可能性があるので中々難しい。

気にしないでおこうとしてもやはり気になる。

最終的に一旦止まって取り除いてから集団に戻った。

そこからは登りで疲れた分を取り戻すために集団後方で休憩しながら進む。

山岳ポイント手前で補給を受け取り、念の為に集団中盤まで上がって登りに入る。

逃げが決まっているためペースも遅く4級山岳という事で勾配も緩く、全くしんどく無いペースで登りきる。

32kmからの登りの方がよっぽどしんどかった。

そこからは再び集団内や後方、あるいは他のチームメイトの側で休憩しながら走る。

(今日はどこまで集団に付いて行った方が良いかな?

恐らく4時間半のレースで打ち切りが7%だから19分くらいかな?

ラスト40kmでグルペットが出来ればそこに入ればいいけど、こんな平らなレースでグルペットが出来る訳も無いし……。

最低でもラスト20kmまでは集団にいないと不味いな。

ラスト10kmを越えれば1人でも何の問題も無いから流して帰れるな。)

そんな適当な事を考えながら走る。

明日は240kmのレースでその後に超級山岳2連続。

少しでも楽をして足を残した状態で挑みたいところ。

ラスト60km辺りで無線から「横風が吹く可能性があるから他のメンバーがいるところまで上がっておくように」という指示が出る。

クネゴを見つけ側で走る。

徐々に前に上がって行く。

集団先頭が見える。

オレンジのジャージが集団先頭に数人いるのが見える。

見間違えかと思って何度か見直すが、やはり居る。

(なるほど、横風区間を他のNIPPOのメンバーが集団前方でクリアする為に先頭を曳いているんだな。お仕事お疲れ様です!)と考える。

集団先頭を曳いているチームのメンバーは優先的に集団前方に居ることが出来る。

エース級の選手に楽をさせる為に他の選手が仕事をするのである。

今回の場合は横風でペースアップした際に遅れたりダメージを受けるのを防ぐために集団先頭付近にいた方が良いという事だろう。

集団前方に上がって行く。

クネゴが後ろから「一気に前に上がるぞ」と伝えてくる。

「よし!今だ!」と言われ、クネゴを後ろに付けて集団前方まで上がる。

ここまで上がれば横風が吹いても大丈夫、という位置まで上がる。

そしてクネゴから「よし、良いぞ。回ってこい!」と言われる。

「了解です!」と心の中で答えて集団先頭のローテーションへ。

今日はスプリントステージ、チームエースのクネゴやゴールスプリントで動けるであろうグレガ、スタキオッティ、グロス以外の選手が途中のアシストで動くのは当然の事。

だいたい予想はしていた。

それに今先頭でローテーションに加われば確実にテレビに映れる。

いつもテレビに映れないタイミングの仕事ばっかりだっただけにモチベーションは高い。

ラスト50km辺りからローテーションに加わる。

だいたい2分程の間隔で交代している。

自分の先頭の番が回って来る。

踏んでいると、後ろのジリオーリから「もう少し落とせ」と言われる。

モチベーションが高すぎて踏み過ぎた。

そこからは問題ないペースで何度か先頭に出る。

逃げとのタイム差をジワジワと詰めていくペースなので足へのダメージも殆どない。

ラスト35kmを切り他のチームが前に上がって来る。

何でかな?と思っていると中間スプリントポイント。

まずランプレの選手2人が列車を組んで飛び出す。

続いてスプリントポイント狙いの選手達が飛び出した2人を追いかけて行く。

集団内の自分の横でランプレの選手が無線に「右」と告げている。

(なるほど、そうやって後ろから来る選手の動きを伝えて対応するのか。)

自分がスプリントすることは無いだろうが、勉強になる。

中間スプリントで活性化した集団に呑み込まれる。

再び前でローテーションした方が良いのかと思い1回前に上がる。

しかし他のNIPPOの選手の姿が見えない。

仕事終了だろうか?

自分1人が集団の前で回っていても意味が無いので集団後方に下がる。

他の選手も集団内に下がっていた。

それからは集団後方で休憩。

したかったのだがペースが速くて伸び縮みが多く大変だった。

ロータリーごとに集団が伸びては縮みを繰り返す。

休むどころか疲れる。

様子を見つつラスト10kmのゲートを越えたところで単独で遅れる。

付いて行けなくも無いがここまで来れば打ち切られる心配は無い。

自分の楽なペースで足を回して回復させながらゴールした。

 

 

感想

 

基本的に楽なステージだった。

ローテーションに加わっていた姿もテレビに映っていたようで嬉しかった。

自分の感覚的にレースが続く毎に調子が上がって行く気がする。

ようはコンディション的に休息日開けが一番つらい。

明日は240kmの前半平坦ステージなので指示に従いつつ無理し過ぎないように気を付けたい。

 

 

キツさレベル

たいしてキツく無かった。

33kmからの登りがいろいろ有ったせいで辛かったがそこからの距離も長かったので十分回復できた。

山岳ポイントでペースが上がらなかったのも大きい。

後半のローテーションは鬼曳きという感じでは無かったので問題なかった。

去年の北海道のローテーションの方がよっぽど辛かった。

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2016年5月25日 (水)

ジロ・デ・イタリア 16日目

ジロ・デ・イタリア 16日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月24日

距離:132km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:45

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日もクネゴの山岳リーダジャージを守る為に全員でクネゴを援護するという指示。

 

 

レースレポート

 

結構前でスタートラインに並びパレードスタート。

眺めのパレードで位置を上下させながら良い位置でレース開始。

スタート後はしばらく集団内に居て様子を見る。

何度かアタックがかかった後結構な人数の飛び出しが出来る。

クネゴがどこにいるか確認すると集団内に居る。

これはマズイ。

急いで集団の先頭に上がろうとするが、追撃のアタックもかかっており速度が速く中々上がれない。

無線から「追いかけろ!」という指示が出る。

誰か分からないが前に出れたNIPPOの選手が他の追いかけたいチームと一緒にローテーションを開始している。

自分も急いで前に上がらないといけない。

少してこずったが前に上がれた。

そこから前を追うローテーションに入る。

そこまで長く引きすぎないように気を付け変わる。

先頭から5番目くらいの位置に入るが集団先頭付近は協調が上手く取れていない。

というよりあえて乱しているチームが居る。

LOTTO JUMBOだ。

逃げを追いたいのはNIPPO、バルディアーニ、モビスター辺り。

LOTTOが集団先頭付近に位置取ることで逃げを追いたいチームが前に出にくくなっている。

恐らく総合順位を脅かす選手が入っていない逃げなのだろう、LOTTOとしてはさっさと逃がしてペースをコントロールしたいのだろう。

LOTTOに阻まれながらも協力して前を追うが30秒差から詰まらない。

前も全力で逃げようとしているので当然だろう。

しばらく追いかけていたが疲れて来た。

少し後ろに下がったところでロータリーが来て集団内での位置をかなり落としてしまう。

前に上がるのはかなり厳しい状況。

上がれないし上がらない方が良いと判断。

理由は今日のタイムアウトのリミット。

レース前に確認したところによると今日は10%。

距離とコースプロフィール的に今日のゴールタイムは3時間半程。

恐らく打ち切りはトップのゴールから21分程のハズ。

しかも今日のレースは距離が短いので前半からペースが上がりグルペットが発生するのが早い可能性が高い。

グルペットが早くできる割にタイムアップの時間が短い。

要は高速のグルペットが出来る可能性が高い。

出来る限り集団に近いグルペットに入る必要があるしグルペットに入ってからも速いペースに耐える必要がある。

どちらに対しても足を残しておかなければ対応できない。

ここで出し切って「仕事したぜ!」なんて言っている場合では無い。

そこから登りに備えて集団内で待機する。

と言っても登りの始まりまで残り10km程。

足に結構キテいる

正直やり過ぎた。

そもそもスタート時点でも「コンディションが最高」とは感じていなかったのでかなり不安。

しかし、今日のステージの内容を自分で確認した時点で今年のジロで一番キツいステージになるかもしれないという覚悟はしていたので心の準備は出来ている。

登りが始まる。

付いては行けるが結構キツイペースで登りだす。

出来ればここではグルペットに入りたくない。

中切れが発生する。

最後尾で登りだしたので集団と開いた差を埋める為に更に踏まなくてはいけない。

キツイ。

3度程前との差を埋める。

これは付いて行けないかもしれない。

そう思っていると前の10人ほどがゴッソリ遅れる。

グレガも居る。

集団に追いついた方が良いかと思い、前に上がろうとするとグレガに「俺の後ろに居ろ」と言われる。

言葉に従って後ろに付いていると、その後集団はさらに加速し離れていく。

もし前に追いついていてもその加速で遅れただろう。

グレガのおかげで無駄な足を使わずに済んだ。

集団が加速したことにより、自分達のグルペットの前に千切れた選手の小集団が複数出来る。

その集団を少しでも吸収して大きな集団にする為にペースが上がる。

かなりキツイ。

今にも千切れそう。

というか、前と車輪1個分ぐらい離れている。

他にも苦しんでいる選手がおり、後ろから怒りの叫びが聞こえてくる。

しかし先頭でペースを上げている選手はそれを無視。

登りで千切れる弱い選手を残す事よりも前から千切れてくる少しでも強い選手を取り込む事を優先したいという事だろう。

このペースに付いて行ける選手は文句が無い。

むしろ少しでも大きく強い選手の多い集団にしたいので「助かる」という感じだろう。

また、前にも書いたが、ペースが速いのには遅れたタイミングが早いので前からの遅れを少しでも抑えたいという思いもあるだろう。

千切れそうだが何としても耐えなければいけないというペースがかなりの間続く。

相当キツイ、本当にかなりキツイ。

前回の「完走を諦めようかと思った」くらいキツイガ、今回は覚悟が出来ていたので耐えれる。

ここで耐えれなければ、ここまで耐えて来た全てが無駄になる。

耐え続けていると前に居た遅れて来た選手を吸収しきってペースが安定する。

山頂まで7km程。

そこから若干休みつつ登る事が出来た。

下りに入る。

爆速で下る覚悟は出来ている。

前から少しも離れずに全神経を集中して下る。

ここで集団から遅れるようなことが有れば更にしんどい状況になる。

2週間かけて鍛え上げられた下りの技術のおかげで集団の前方で下り切れた。

そこから平坦区間。

全力でのローテションが始まる。

最後にある登りのためにも足を使いたくない。

集団の後方で出来る限りローテーションに加わらないようにして付いて行く。

それでも人数が30人ほどで、全力でローテーションしているという事もあり何度か前に出ることになった。

そして110kmから始まる登りへ。

先頭とのタイム差10分。

残り10分しか遅れれない。

余裕はかなり少ない。

登りだして気付いたがこの登りはトレンティーノの2日目に走ったラストの登りと同じ。

勾配はそこまでキツく無かったハズ。

無線から「登りは10km」と情報が入る。

(まぁ、そんなものか、そこまで長くないな……)

そう思い、そう思ってしまった事に対してジロを走り出してから登り過ぎていることで感覚がマヒしてきている事に気付く。

そこから自分にとっては余裕のあるペースで登る。

周りには相当苦しそうな選手もおり、そういう選手を見るとより楽に感じる。

山頂付近で無線から「打ち切りの時間が迫っている!」とかなり焦った感じで情報が入る。

下りで爆速になることを予想し集団の先頭から10番手以内まで上がる。

残り10kmのゲートを越えて下りへ。

予想通り爆速で下る。

しかしトレンティーノで下っていてだいたいの感じを覚えていた事と、コーナー自体がそこまで深く無いおかげであまり苦労することなく付いて行けた。

そしてラスト5kmを越えて再び登りだす。

他のチームにも打ち切りが近いという情報が入っているのだろう、ペースが相当速い。

先頭付近で下り切ったこともあり自分も先頭に出る。

この場面では「足を温存」等とほざいている場合では無い。

引いた後に千切れない程度に全力で先頭を引いて変わる。

残り3kmを切る。

そうとうペースが上がる。

とてもグルペットとは思えない状態。

無線からは「追い込め!追い込め!時間がもうない!」と聞こえ。

後ろからは「ふざけんな!ペースを落とせ!」と置き去りになりたくない選手が叫ぶ。

一向雲早くゴールする為に半端無いペースで登る。

グルペットが分解し出す。

少しでも完走の可能性を上げる為に自分は先頭の集団に付いて行く。

マジでキツくて千切れそうになるがとにかく耐える。

ラスト1400mの看板が出る。

ここからは100m毎に看板が出る。

ラスト1kmを切り道がフラットになる。

こうなれば後は付いて行くだけでいい。

全力で前に付いて行きゴールした。

 

 

感想

 

覚悟は出来ていたので良かったがやはり相当キツかった。

ゴールしたタイミングで「先頭から何分遅れているかの表示」を確認すると17分台。

意外と余裕があったのか?と思ったが、自分がゴールしたのが17分57秒、打ち切りタイムリミットが19分41秒。

打ち切りまで2分を切っており、最後に追い込んでいなければ恐らくグルペットが抹殺されていた。

ちなみに132kmのレースで獲得標高2500m、自分のグルペットで平均速度38.4kmは速すぎると思う。

トップに至っては時速40km越え……頭おかしい。

ラスト10kmからの下りで最高時速96.4kmをマーク、素晴らしい。

レース後に道に迷って1時間ぐらい彷徨った。

 

 

キツさレベル

10

距離が短かったから良かったとか言っている場合じゃない。

途中で休んで回復させた足もレース終盤に出し切ったと思う。

明日に疲れが残っているのは確実だと思うので覚悟して明日に挑みたい。

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2016年5月23日 (月)

ジロ・デ・イタリア 15日目

ジロ・デ・イタリア 15日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月22日

距離:10.8km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:49

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ミーティングは無し。

出発前にクネゴからは「80~90%の力で頑張れ!」と言われグレガからは「前の選手を全員ぶち抜け」と言われる。

 

 

レースレポート

 

アップの際に心拍数を上げる為に追い込んでみたが、165以上上げることが出来なかった。

心拍的にはキツク無かったが足の筋肉が終わっていて踏めない。

今回のタイムトライアルはハイスピードで曲がるコーナーや平坦がほぼ無いので技術が全く関係なく純粋な力勝負になる。

流す選手も多いがトップの選手はガチ踏みだろう。

世界トップの選手との力の差を知れるいい機会なので全力で登るつもりでいたが、今の足の状態では微妙。

いずれにせよ、打ち切りもかなり怖いので今出せるベストを尽くして走るしかない。

クネゴとグレガの激励を受けてからスタート地点に向かう。

タイムトライアルスタート。

始めは踏み過ぎないように気を付ける。

筋肉の調子が悪そうなのも気になるが、今日はゴール地点が1800m越えの地点にある。

前半に追い込み過ぎると昨日の様に酸欠になって急激に失速する恐れがある。

スタートしてすぐの緩い左コーナーで日本の国旗を振って応援してくれている日本人の方を2名発見。

もともと前半で捨てるつもりだったボトルをそこに向かって投げる。

30分と少しの登りのタイムトライアルにおいて水を飲む必要は無いのでボトルはただの余計な重量。

タイムトライアル使用のバイクには貴重なエアロ形状の特別なボトルが付いているので捨てれないが、今日は登りのタイムトライアルなのでバイクは普通のロードバイク。

ボトルもいつも使っている普通の形。

チームには数千本単位でボトルがあるので捨てても問題ない。

ラスト9kmから本格的に登りが始まる。

心拍を見ながら踏んでいくがやはり160を中々越えてこない。

(調子がイマイチだな)と思いながら踏んでいくと3km地点で自分の1分前にスタートしたガスプロムの選手をパスする。

(やる気あんのか?大丈夫かコイツ?)と思いながらそのまま踏んでいく。

.4km(ラスト6.4km)の中間計測地点を通過する。

数秒ではあるがトップタイムを更新した。

もっとも自分の前には数名しか走っていないので全く参考にならないが。

ラスト5kmを過ぎる。

あと半分か……楽だな。

そう思えたおかげか、筋肉がほぐれて来たのか調子が上がって来る。

心拍も徐々に上がりだし170ぐらいまで上がっている。

そのころから遠くに自分の2分前にスタートしたスタキオッティがチラチラ見えだす。

目標が出来たことによりやる気が出る。

回転数も良い具合に上がりながらスタキオッティを追走。

ラスト2kmを過ぎたところでスタキオッティをパスする。

スタキオッティをパスしたことで気が緩み一瞬ペースが落ちるが、ラスト1400mの看板が出てくる。

そこからは100mごとにカウントダウンの看板が立っている。

あと少しでゴール!と思って頑張って踏み込んでいく。

ラスト500mを切ったところで勾配が若干緩くなる。

そこからは下ハンドルで踏み続ける。

最後は再び勾配が急になったが下ハンドルのまま全力でダンシングしてゴール。

参考にならないトップタイムを更新した。

 

 

感想

 

アップの際から調子がイマイチそうだったので心配だったが、途中から調子が上がって来て良かった。

前半に踏めなかったおかげで逆に後半に追い込むことが出来て良かったと思う。

ラスト2kmぐらいからはかなり踏んではいたが、それまでは最後まで確実に踏み続けれるペースで走っていたのでダメージはほぼ無い。

むしろ最後にいい感じで追い込めたので固まっていた筋肉もほぐれていい状態になったと思う。

タイムも全体で見てもそこまで悪くないので良かったと思う。

明日の休息日でしっかり休んで疲れを取って最終週に備えたいと思う。

この3日間の総上昇量が自分の測定値で9104m、エベレスト越えである。

ちなみに自分がブチ抜いたガスプロムの選手は打ち切られた。

 

 

キツさレベル

ほとんどキツク無かった。

最後だけ追い込んだが距離が短かったのでダメージも無し。

全体としても距離が短く時間も短かったので問題なし。

上でも書いたが、良い具合に追い込めて筋肉もほぐれたのでむしろプラスといった感じ。

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2016年5月22日 (日)

ジロ・デ・イタリア 14日目

ジロ・デ・イタリア 14日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月21日

距離:210km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:44

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

レース前にジュリアーニに作戦を聞きに行く。

「今日はレースが落ち着いてからは休んで良い。でも、クネゴを逃げに送り込むまでは逃げを潰したり逃げに入って先頭交代に加わらないといった動きをするように。チームにとって今一番重要なのがクネゴの持っている山岳リーダージャージなのでクネゴだけに任せるのではなく他の選手も出来るところで援護するように」という指示が出た。

 

 

レースレポート

 

スタートラインにかなり前方で並ぶ。

パレードが終わりレーススタート。

スタート直後にクネゴがアタックを掛ける。

4人ほどが飛び出す。

この逃げが決まればいいのだが……

やはり捕まった。

そこからアタックが繰り返される。

自分も集団前方を維持するが中々タイミングが見つからずアタックに反応できない。

前に上がっては反応するタイミングが無く集団に呑み込まれるという動きを繰り返す。

無線でベルラートが「俺しか動けて無いぞ!」と怒っている。

その後少しして集団の先頭に出ることに成功。

IAMの選手が2人で列車を組んでいるのを見つけその後ろに付く。

列車を組んだ2人がそのまま凄い勢いでアタック。

付いているだけで千切れそうになるが、ここで千切れては仕事にならないと思い必死で付く。

1分以上IAMの1人目の選手が踏み続ける。

2人目の選手を逃げさせるための発射台だろう。

IAMの1人目の選手が先頭を代わる。

自分は先頭に出る意味が無いので、1人目の選手が下がって来るのに合わせて自分も下がる。

クネゴが逃げる為にチェックに入っているだけなので先頭を引いて逃げる為の手助けをしてはいけない。

自分は逃げを潰す為にアタックに反応しているのである。

後ろを見ると集団がバラバラになりながら追いかけて来ている。

自分達の所に追いついて来た選手を自分の前に入らせるように動き、飛び出したメンバーの最後尾に付く。

後ろからビソルティも追いついてきたが自分と同様ほぼ最後尾に付いている。

10人以上の飛び出し。

集団は結構離れている。

(これはマズイ。こんな怪物たちと逃げたくない。さっさと集団が追いついてくれ!)

そんなことを思いながら飛び出したメンバーの最後尾に付いて行く。

逃げを決めたい選手が「日本人!ローテーションに入れよ!」と言ってくる。

自分が逃げを潰すために付いて行っていることが分かっているだろうに……

無視して最後尾に付きっぱなしになる。

しばらくして集団に追いつかれる。

これで一安心。

一旦集団内に吸収される。

そろそろクネゴの加わった逃げが決まってくれれば助かる。

アタックが繰り返されるが、逃げが決まらず。

十分休むことが出来たと判断し、再び前に上がろうとする。

集団が密集していて中々前に上がれない。

集団左側にスペースが出来たので一気に前に上がる。

そこからアタックに反応していく。

アタック合戦が長期化しているせいかやる気が無いのか、アタックがそこまで速くない。

,3人が飛び出した場合に反応し逃げが決まらないようにする。

昨日と違い足の調子がかなり良い。

集団が追いかけるのを利用したりして自分だけが動きすぎないように気を付ける。

上手く反応出来ているおかげもあり、そこまで疲れずに飛び出しをチェック出来ている。

潰すために動いているので先頭に出なくていいというのも大きい。

逃げが決まらないまま登りの勾配が少しキツクなる。

(足の調子はいいが、この勾配でのアタックに反応するのは結構足に来る。完走するための足を残すためにもこの辺りで止めた方が良い)

そう判断して集団内に戻る。

自分が集団内に戻った直後にクネゴとベルラートを含む30人近い選手が数名ずつ集団から飛び出していき、それが合流して大きな逃げが出来た。

逃げが決まったのが40km過ぎ。

逃げが決まってからはモビスターのコントロールで集団が進む。

緩やかな勾配の区間が終わり勾配がキツクなる。

山岳地点に向かう9kmの登りが始まる。

コントロールのペースがユックリな為そこまでキツクは無い。

ペースが上がらないか心配しながら登ったがそのままで山頂を過ぎた。

94km通過。

そこから下りに入る。

前の選手に付いて行くことは出来るが、ペースが相当速い。

集団が縦に伸びているのが分かる。

6kmの下りが終わり再び登りが始まる。

下りで縮んだ分を取り返すために集団の後方が凄い勢いで登りに入っていく。

そのせいで集団がブチブチの千切れている。

(この加速は集団のペースアップで発生しているわけではない。先頭に追い付くことが出来れば楽に登る事が出来るはず。)

そう思い前に

追いつこうと踏んでいくが中々追いつけない。

足がキツクは無いが呼吸がかなり辛い。

それもそのはず。現在標高2000m

2000mと言えば、低酸素トレーニングをする際に初期に設定する高度である。

普通の状態で有るはずがない。

キツ過ぎて前に追いつくことを断念。

ちょうど近くにグレガも居たのでその周辺にいる選手が作るグルペットに入ることにする。

グルペットに入ったは良いがそれでも相当キツイ。

前半に動いたのが原因か、前に追いつこうと無理をしたのが原因かは分からないがとにかくキツイ。

標高が高いことが原因であることは確実。

頭がクラクラする。

呼吸もかなり辛い。

あまりにしんど過ぎて「ジロ完走」という目標がどうでも良くなって来る。

これだけキツイ思いをするぐらいであれば、完走を諦めて千切れた方がよっぽど良いと思ってしまうくらいキツイ。

しかし、なぜ頑張れたのかは正直分からないが諦めずにそのグルペットに付いて行くことが出来た。

前に付いて行くという本能だろうか?

2回目の山頂を過ぎ下りに入り、再びすぐに登り始める。

(残りの登りが6km2回で12kmその後に9km……考えるのを止めよう)

残りの登りの合計距離など考えるだけでキツクなると思ったので計算するのを途中でやめる。

1つ1つ登りをクリアすることに集中しよう。

進んでいる限りはゴールに近づいている。

その後山岳2つを越え、平坦のようなアップダウン区間に入る。

少し余裕が出て来たので、その時点での獲得標高を確認する。

獲得標高3000m。

なるほどね……見なければ良かったね……今日は合計何m登るんだろうね……。

後悔しながら集団に付いて行く。

そのころにはグルペットの人数がかなり増え30人以上になっていた。

同じグルペットにグレガ、ジリオーリ、ビソルティ、グロスがおり、そこにアップダウンの区間で前から遅れて来たベルラートが合流する。

スタキオッティは自分たちのグルペットの更に後ろに居る。

159kmから始まる山岳ポイントに向かう登りに入る。

この登りは9kmで平均勾配は確か10%近かったはず。

何故か登り出しの速度が速い。

かなりキツイ。

グルペットなのに意味が分からない。

自分の隣でグレガがブチ切れ「頭大丈夫か!(あまりに汚い言葉だったので意訳)」と叫ぶ。

他の選手も同意だったようで「ユックリ走れ!」と叫んでいる。

最終的にBMCの選手が前に上がって行きペースをコントロールし出した。

その時点で時速9km程。

この坂を1時間近く登るんですか……?と恐怖しながら登る。

最終的に47分かけて9kmの登りが終わる。

登りの頂上で「集団トップから30分遅れ」という情報が入る。

他のチームにも同様の情報が入ったのかそれ以降は平坦、登り共にユックリなペースで走った。

下りに関しては「頭のネジが飛んでいる」としか思えないような爆速で下った。

168kmからの下りは先頭から5番目で下り出し、前から遅れるごとに後ろの選手に抜いてもらう事で(後ろにいた選手にとってはそうとうウザかっただろうが)集団の中盤で下り切れた。

最後の下りは前回の下りを反省し、前に付いて行くことだけに集中しまくったおかげで、「こける」という事を忘れることが出来、千切れずに付いて行けた。

そしてトップから45分程遅れた最終グルペットでゴールした。

クネゴは1回目の山岳ポイントをベルラートの全力のアシストのおかげで1位通過し山岳リーダージャージを2位の選手に62点差の134点でキープした。

その代わりにベルラートが力尽きてしまい、DNFに。

ぶっ倒れた状態で点滴を打たれながらチームバスに運び込まれてきた。

 

 

感想

 

そうとうキツイレースだった。

何としても達成したいと思っていた完走を諦めそうになるくらいにキツイレースだった。

しかし耐えきることが出来た。

今日のレースを耐えることが出来たおかげで確実に強くなったと思う。

完走がグッと近くなったと感じるが、油断せずに明日の登りのタイムトライアルに全力で挑みたい。

今日のレースは走行時間6時間48分、走行距離210km、獲得標高5050m、最高スピード時速87.7km、頭おかしいと思う。

昔に聞いた、ジロかツールが「キツ過ぎる」という理由で人権団体から訴えられているという噂の意味が分かった。

もっとも、自分はジロが走れて幸せではあるが。

 

 

キツさレベル

10

本気でキツかった。

後半はグルペットのペースが落ちていたので多少回復させることが出来たっぽいが。

疲労度は1日で半端無い。

絶好調の極みと言えるレベルの調子で挑んでこれなのだから少しでも調子が悪ければ終わっていたと思う。

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2016年5月21日 (土)

ジロ・デ・イタリア 13日目

ジロ・デ・イタリア 13日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月20日

距離:170km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:46

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日はグレガの側にいればいいという指示。

ハードな山岳ステージなので自分が出来ることは殆どないだろう、完走しなくてはいけない。

 

 

レースレポート

 

今日はスタート地点に移動するチームバスの中で念入りに距離をチェックする。

49kmから9kmの登り、72kmから9kmの登り130kmから9kmの登り。

9関係の数字が多いので覚えやすい。

130kmの登りの入り口まで集団で行ければ十分だろう。

そんな軽い感じでスタートラインに並ぶ。

位置は結構後ろ。

短めのパレードを終えレース開始。

さっさと逃げが決まってペースが緩んでくれれば嬉しい。

そんな訳にはいかず延々とアタックが繰り返される集団先頭。

それに引きずられ高速で進む集団。

横風も軽くふき集団後方で苦しむ自分。

「前に上がれ」という指示が聞こえる無線。

とても前に上がれる状態じゃない自分。

足の筋肉が結構痛く重い。

昨日のレースでアタックやらなんやらやり過ぎた。

ダメージが残っている。

今仕事をすれば確実に後で散る。

そもそもペースが速すぎて前に上がれる状態じゃない。

集団最後尾で上体を落として付いて行く。

(ペースは速いし足もキツイが大丈夫!自分にはまだ下ハンとそこからの前傾姿勢、そして下ハンもがきが残っている!)

等と訳の分からないことを考えながら付いて行く。

常に下ハン(下ハンドル)で走らないのは疲労を1か所に溜めない為。

下ハンを持って体を小さくすればするほど空気抵抗が減り楽には走れるが、その分使える筋肉が減っていき疲労が溜まりやすくなる。

マジでヤバい!という時の為に使うために下ハンは簡単には握らない。

そもそも体が小さいおかげでエルゴパワー(シマノで言うところのSTI)を握っていても十分スリップストリームに入れる。

下ハンはいわゆる必殺技。

ちなみに下ハンもがきは下ハンを持って上体を落とした状態でダンシングして全力でもがく。

本来ダンシングする為にサドルからお尻を上げると空気抵抗が増すが、自分は小さいのでダンシングしても風を全然浴びない。

四頭筋にかなり疲労が来るので短時間しかもたないが、かなりの出力が出るので本当に、本当に、ギリギリの時に少しだけ長く前に付いて行ける。

いわゆる超必殺技。

その後程なくしてペースがさらに上がり下ハンで上体を落として付いて行くことになる。

このポジションになると後ろの選手はモロに風を受けることになる。

他のチームとはいえさすがに申し訳なく感じるが、今は最後尾なので関係ない。

緩やかなアップダウンを高速で過ぎる中で集団先頭を見ると結構バラけている。

逃げが2つ3つ出来ている。

その後どうなったかは分からないが一旦ペースが落ちて登りに向かって行く。

無線から「クネゴとボーレが逃げに入っている?(集団から飛び出しているのは確実だがイマイチ内容が理解できなかった)」という情報が入って来る。

2大エースが飛び出しているのであればNIPPOとしては問題ないはず、あとはペースが落ちた集団でラスト130kmまで走りそこからグルペットに入ればいい。

悲しいことにグライペルは家に帰ったらしくグライペットは発生しないが、そのあたりで出来るグルペットに入れば完走は確実だろう。

しかしレースは思い通りに行かない。

登りに入りペースが上がる。

マジで?と思いながら付いて行く。

かなり勾配の急な区間に入り見上げた位置に集団の先頭が見える。

何故か2、3人飛び出している。

何してるの?と思った瞬間集団の先頭が活発化。

再びアタックがかかり始める。

この9kmの登りで逃げを吸収して山岳争い&総合争いを始める気だろう。

グルペットに残りたい身としてはたまった物じゃない。

もっと平和に走って欲しい。

しかし本来のレースの形としては今の状況が正しいわけで文句を思っている自分が間違っている。

集団のペースが上がる。

いつも通り最初に遅れてくるスタキオッティ。

他にも遅れだす他チームの選手をパスして行く。

まだここは千切れるところでは無い。

後ろには恐らくグルペットが出来ているがそこには入りたくない。

早くできたグルペットは前から遅れだすのが早い為、タイムアウトにならないように速いペースで走る必要がある。

しかも、特に登るのが遅いメンバーが集中するため、下りと平坦のペースがより速く、人数も少ないので自分も前を引かなくてはいけなくなる。

そのグルペットに入ればかなり疲労することになる。

楽をする為に大きなグルペットが出来るまでキツクても耐える。

しばらく集団に付いて耐える。

耐えていくと集団が大きく分かれ出す。

前に残りたい選手は分断したところから急いで上がって行くが、結構な人数がグルペットをつくろうとしている。

ベルラートもいる。

ここで良いだろうと判断する。

そもそも足の調子的にも昨日の疲労が残っているのでそこまで無理は出来ない。

そこで形成されたグルペットに混ざってペースで登る。

第1山岳でグルペットを形成したため残りの距離がまだまだある。

その為グルペットではあるが登りのペースが結構速い。

自分はまぁまぁ耐えれるというペースだった。

頂上まで登り切り下りへ。

前の選手から離れないように集中して下る。

数人前の選手がハンドシグナルで「路面注意」と教えてくれる。

なぜか道路の真ん中に踏みつぶされてペチャンコになった馬糞。

臭い。

ジロで使う道路なのだからちゃんと掃除しておいて欲しい。

そのすぐ後に下りのペースが落ちる。

前方を見るとランプレのチームカーが道路の右側でユックリ下っていて邪魔になっている。

ランプレのチームカーを左側から抜く。

無線から「馬が!馬が!」と聞こえてくる。

ランプレのチームカーの前に馬がいた。

下る自転車の集団と並走して全力疾走中の馬が。

1匹ではなく超大量。

大きな大人の馬も子馬も全力疾走。

道路のセンターラインを跨いで右に馬の列車、左に自転車の列車。

先頭の馬がセンターラインを割って左に入ってきており、馬の少し後ろの選手がビビッて抜けないせいで集団が中切れを起こしている。

「さっさと抜けよ!」といった感じで野次を飛ばしている選手も居るが中々抜けない。

そりゃ怖いだろう、下手に抜いたら興奮した馬に吹き飛ばされかねないからな……。

恐らく今でもすでに興奮状態。

20匹近い馬が首を振り回しながら下りを全力疾走。

どうしてこうなった……。

先頭の馬が右に戻った瞬間に全力で選手が抜いて行く。

自分も上手く抜くことができてその後ある程度下り再び登りだしたところで離れていた集団に追いついた。

登りで馬に追いつかれないかと若干ビビっていたが馬はやってこなかった。

その後81km地点の山岳ポイントを過ぎて再び下りへ。

今回は1回目と違いほぼ1車線の細くコーナーも多い下り。

相当怖いが前に全力で付いて行く。

レース前半に出来たグルペットという事でトップからの遅れを少しでも押さえようと下りは過去最高に速い。

前の選手に集中しつつ、その10人くらい先の選手のバイクの倒し方や減速の具合も確認し、ブラインドコーナーの深さを予測してビビりながらも遅れずに全力で下る。

経験したこと無いくらいの「爆速で危険な下り」を遅れることなく下り切れた。

そこから平坦に入る。

そこでグルペットの人数を確認すると30~40人近くいた。

この人数がいれば自分が先頭交代に入らなくても問題ない。

下りと同様、遅れを押さえる為に平坦もかなりの速度で突き進む。

後ろに付いているだけでも中々踏まなければいけないぐらい速い。

平坦が終わり130kmからの登りに入る。

先頭とのタイム差が打ち切られない安全圏だったということと、平坦での爆速で疲れたのか残り2つの山岳ポイントは比較的ユックリ登り、下りは相変わらず爆速で突っ込んでいき無事に32分遅れでゴールした。

 

 

感想

 

予想していたよりも遥かに早いタイミングでのグルペット入りだったが判断としては悪くなかったと思う。

これからのグルペットの指標としてはベルラートだろうか?

自分の調子を見つつ人数の多いグルペットに入るのが一番楽をする方法だと思う。

ここからはグルペットの見極めが非常に重要になるので集中して判断したい。

なぜコースに馬が侵入してきたのかは謎だったが、これもジロ・デ・イタリアなのか……といった感じだった。

明日は今年のジロにおいて最初の「超級山岳ステージ」なので未知のキツさに負けないように頑張りたい。

 

 

キツさレベル

かなり早くにグルペット送りになったが、先頭も引かずに付いて行くだけで良かったので意外と疲れていないかも入れない。

それでも獲得標高3300のハードなレースだったので疲労は絶対していると思う。

しっかり休みたい。

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2016年5月20日 (金)

ジロ・デ・イタリア 12日目

ジロ・デ・イタリア 11日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月19日

距離:182km

天候:雨

起床時体重:61.

起床時心拍:46

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ミーティングで「今日はお前の日だ!逃げに乗れ!」と言われる。

そして「スタート直後に1番にアタックしろ!」と言われる。

平坦ステージではほぼ毎回「逃げろ」と言われている。

そろそろ逃げに乗れないと毎回アタックすることになるので大変。

今日はいつも以上に居合を入れて逃げに行く。

 

 

レースレポート

 

雨で殆どの選手がスタートに並びに来ないが、自分はかなり前から並びに行く。

雨がかからないところを見つけて一人で待つ。

スタート時間が近づいて来て選手が増え、パレード開始。

先頭1列目でレース開始。

開始と全く同時に全力でアタック。

踏みまくる。

集団から数人で飛び出している。

交代する。

自分、サウスイースト2人、ガスプロム1人、ランプレ1人。

あまりメンバーが良くない上にランプレが回りたがらない。

すぐに集団に追いつかれる。

追いつかれた瞬間に単独でアタックを掛ける。

一瞬飛び出したがすぐに吸収される。

連続で動いてキツイ。

雨と寒さで筋肉も固まっておりかなり痛い。

しかし今日はここでは下がれない。

集団前方で耐える。

再びアタックに反応するが決めれず。

その後BMCと確かカチューシャ?が飛び出す。

集団が全力で追いかけるが中々差が詰まらない。

差が少しつまり集団が若干緩んだタイミングでベルラートが無線で「今行け!」と言い。

自分がブリッジをかけに全力で飛び出す。

全力で踏んで後ろを見ると集団が結構離れている。

前2人には時間がかかるが追いつけそう。

後は集団がやめてくれれば逃げが決めれる。

全力で踏み続け前に追いつこうとする。

体感時間では1分以上踏んでいたように感じた。

後ろからまず3人ほどに抜かされ、その後に集団に抜かされる。

力を使いすぎて一気に集団に飲み込まれたが前方付近にギリギリ留まる。

もともと飛び出していたうちの1人は帰ってきたがBMCはそのまま先行を続けている姿が見える。

その後集団に飲み込まれているせいで前の様子が分からなくなるが、少しして集団のペースが落ちる。

無線から「今行け!」と言われるが、自分の居る集団左側の前も完全に蓋されていて無理。

橋に入り左側に若干隙間ができ、前のティンコフの選手を無理やり前に上がる。

前に上がった際に「オイ!」と怒鳴られて腰の辺りを殴られる。

無理やり入った事に怒っているのか、アタックしようとしてる事に怒っているのかは分からないが、今はそれで怯んでいる場合ではない。

丁度集団左側からもアタックがかかり、それに反応して自分もアタックする。

集団が伸びただけで決まらず。

そこから再び自分がアタック。

決まらず。

力尽きて集団に呑み込まれる。

その直後にバルディアーニが飛び出して単独で集団から離れていく。

「あれを追いかけろ!」と無線で言われるが、足が無い。

すぐに集団がペースを落としアタック合戦が本当に終了。

開始から20分程。

その後集団内に居ると、近くに着たクネゴに「どうだ?」と聞かれる。

「かなり疲れた」と答えると「(逃げれなかったが)挑戦したのだから良かった。休め」と言ってくれた。

その後グレガからも「挑戦して乗れなかったのだからしょうがない。ここからトランクイーロ(大門さんからユックリでは無く落ち着けや焦るなという意味だと教えてもらった)だ。周回コースに入っても危険であれば無理するな」と言ってくれた。

こういう時は優しい言葉の方が涙腺に来る。

そこから反省タイム。

逃げに乗れず、かなり悔しかったので今日の動きを振り返る。

まず足的には悪くない。

調子も良いしいい反応が出来ていた。

問題はタイミングと冷静さ。

タイミングに関しては集団との掛け合いもあるので何度も試して掴むしかない。

冷静さに関しては……焦り過ぎた。

このジロという大舞台で何としても逃げたいという気持ちが冷静さを失わさせていた。

仕方がないと言ってしまえばそれまでだが、もっと落ち着かなければいけないと思う。

短時間に何度も動いたせいでキレが無くなって行き、ここぞ!という時に動けなかった。

20分くらいそんなことを考えていた。

この反省を次に生かして頑張るしかないと考え気持ちを切り替えてレースに集中する。

スタートから降っていた雨が徐々に強くなり、本格的に寒くなって来る。

前半で体調を崩したのもこの雨と寒さのせいだった。

チームカーにジャケットを取りに下がろうとする。

そこでティンコフの選手に声を掛けられる。

「さっきは殴って悪かった」

今までの罵られたりすることはあっても謝られたことなど無かったし、そもそも自分が無理やり入った事も悪かったので「こちらこそ無理やり入って悪かった」と伝えた。

それでも「俺の方が悪い」と言って謝ってくれた。

確実に格下な自分に対して謝ってくれるなんてかなり驚いた。

マヌエーレ・ボアロだった。

そこからジャケットを受け取り羽織る。

しばらくはそれで問題なかったが、徐々に冷えてくる。

かなり寒い普通に走っているだけだと歯がガタガタするくらい寒い。

これは確実にマズイ。

体を温める為に少し集団から遅れて走る。

余分に踏むことになるがその分温まる。

体温が下がり過ぎて風邪がぶり返すよりマシと考えて走る。

結構な時間そうやって走っていたが集団のペースが少しずつ上がりだしたのでちゃんと付いて行くことにする。

残り60km程。

そこからは他のNIPPOのメンバーと固まって走る。

雨も止み、残り40kmを切る。

集団のペースが落ちたタイミングでスタキオッティとクネゴからレインジャケットを受け取りチームカーに返しに行く。

集団に戻って再びスタキオッティからレインジャケットを受け取る。

スタキオッティが着こんでいたか、誰かから預かったものだろう。

チームカーに再び返しに行くとジュリアーニから「調子はどうだ?」と聞かれる。

「悪くは無い」と答えると「じゃあ逃げている2人が捕まったタイミングでアタックすればいい。日本のファンがテレビで見てるぞ!」と言われる。

見せ場?チャンス?到来!

そのタイミングでアタックできればかなり目立てるだろう。

自分もやりたいと思っていただけにかなり嬉しい指示。

集団に戻り前に上がって行く。

残り40kmを切っていることもあり逃げを吸収する為にかなりペースが上がっている。

前に上がるのにかなり苦労する。

しかも時々現れるコーナーで位置を下げてしまう。

直線で足を使って上がり、コーナーで下がる。

それを何度も繰り返す。

集団のある程度の位置までは上がれるが、そこから先は密集度合いが桁違いで完全に『壁』という感じ。

そうこうしている内にとうとう逃げが捕まる。

逃げが捕まり集団の左右に若干隙間が出来て上がれそう。

しかし上がれない。

ペースが速すぎる。

ゴールスプリントに向けての列車の争いというよりも、自分のような輩が余計な事をしないようにペースを上げて前に出れないようにしている感じ。

それでも前に出ようと頑張る。

(俺の見せ場が!見せ場が!見せ場が……見せ場……限界……)

幾度となく上がり下がりを繰り返したせいで足が限界に達する。

丁度そのタイミングでコースの最後に設定されていた周回に入る。

周回はコーナーがかなり多く、コーナー毎のペースアップに耐える気も起こせずアッサリ千切れる。

そのままアッサリ千切れた5人でゴールした。

 

 

感想

 

逃げようとして全力で頑張った分だけ逃げれなかった悔しさが残った。

無理だったことは仕方がないので次に生かすようにしたい。

逃げれなかったのは残念だったが死に物狂いのファーストアタックがテレビに映して貰えたようでうれしかった。

明日から2日連続でかなりキツイ山岳コースが始まる。

ここを耐え抜くことが出来れば、目標としているジロの完走がグッと近づく。

耐えれなければ家に帰るだけである。

家に帰りたくは無いので、ここで根性を見せて何としても堪えなければいけない。

 

話は変わりますが、恐らくこのレポートのアップ後にこのブログの「ジロのレポートを上げ出した5月7日以降のページビュー数」が50万ページビューを越えそうです!

広告やアフィリエイトを張っていない為、1銭にもなっていないこのブログですが、このブログを見てロードレースをより好きになってくれるファンの方や新しくファンになってくれる方、またテレビに映らない部分での頑張りや光景を楽しんでもらえる方がいてくれるのであれば値千金だと思っています。

レース後に即行で書いているので誤字脱字も多いですが「アップしている」意味もあるのかなと思います。

アップしなくとも自分の記録のためには書いているとは思いますが。

それでは引き続き「レースを」頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします。

 

 

キツさレベル

最初のアタック合戦はキツかったが、時間が短かったためそこまでのダメージは無かった。

後半もかなり頑張ったが時間が短かったのでそこまでキツくは無かった。

一番キツかったのは寒さだった。

再び体調を崩さないように気を付けたい。

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2016年5月19日 (木)

ジロ・デ・イタリア 11日目

ジロ・デ・イタリア 11日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月18日

距離:227km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:42

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日はグレガにアタックに行け!と言われたタイミングでアタックに行けばいいと言われる。

明日は真っ平らで休めるから今日は頑張っても大丈夫!と言われる。

 

 

レースレポート

 

集団の最前列に並んでパレード開始。

指示が出た際にいつでもアタックに行けるように集団前方で待機しつつレース開始。

開始直後のアタックでベルラートを含む数名が飛び出す。

その後何度かアタックがかかるがベルラートは集団に帰ってこず、そのまま逃げて行った。

その後一旦ペースが落ちる。

(今日もベルラートが行ったな。後は落ち着いた集団内で休憩の1日かな)と思いながら走ろうとする。

集団のペースが上がり始める。

かなり上がる。

何で!?と思い集団先頭を見るとランプレとバルディアーニが協力して逃げを追いかけている。

またバルディアーニか……と思いながら集団に付いて行く。

かなりのハイペース。

しかし横風が吹いているわけではないので前の選手の後ろに付いていれば楽。

しかし足はあまり調子が良くない。

昨日のレースがハード過ぎたせいで疲労が抜けきっていない。

(しかしこの追走も逃げとのタイム差が広がって行けば諦めるはず。頑張れ!ベルラートと逃げている選手達!)

ペースの上がりだしのタイム差が40秒。

残念な事にそこから少しずつタイム差が縮まって行く。

40km辺りで無線から「次のアタックに備えて前に上がれ!」という指示が出る。

付いて行くのは出来るが前に上がれるようなペースでは無い。

それでも少しずつ前に上がって行くが、前に上がり切る前に逃げが捕まる。

45km地点程。

そこから再びアタック合戦開始。

中々逃げが決まらずアタックが繰り返される。

その内に自分も集団の先頭に上がる。

アタックしそうな選手の後ろに付いて、一緒に飛び出す。

逃がして貰えず。

集団先頭付近に戻り再び機会をうかがう。

カチューシャの選手が飛び出したのに反応。

決まらず。

数名の飛び出しに反応。

人数が多すぎて集団が付いてくる。

集団内での位置取りに失敗し飲み込まれる。

前に上がり直そうとするが、前に上がりたい選手がいっぱいで中々上がれず。

集団中盤まで飲み込まれる。

集団のペースが落ちて来て、もうそろそろ逃げが決まったかな?と思って集団の先頭を見る。

疲れて来ているのかキレの無いショボいアタックがかかっては潰されてを繰り返している。

(あの感じだとそろそろ決まる!今なら逃げに乗れるかもしれない)と思い前に上がる。

正直今の足の感じ的に逃げに乗っても良い動きが出来る自信は無い。

しかし楽して逃げに乗れるのなら乗りたい。

逃げに乗りたい気もするが、早く決まってペースが落ちて欲しい気もする。

そんな微妙な気持ちを持ちつつ、全力で前に上がろうとする。

その最中に3人が飛び出す。

直後に集団が「もういいやろ」という感じで一気に減速し逃げを決める。

逃げが決まるまでの約1時間半を平均時速51kmで走り抜けた。

かなり速かった前半を終えそこからはかなりペースが落ちる。

ボーとしながら集団後方や他の選手の側で走る。

今日は休息日。

昨日にフルで使った頭と足を回復させるために、気持ちを緩め何も考えずにボーっとしながら走る。

気を緩め過ぎて眠たくなって来る。

前半が速すぎたせいですぐに補給所がやって来る。

補給を受け取って再びボーっと。

その後無線で各選手に「今日の調子はどうか?」と聞かれ、自分は「まぁまぁ」と答える。

するとグレガが「ヤマモトは今日4級山岳が始まったら千切れるって言っていたぞ!」と無線で伝える。

グレガには今日のスタート前に「今日は逃げる為にアタックするが、もし逃げに乗れなければ一緒に4級山岳でグルペットか?」と聞いていた。

グレガは「お前はグルペットで良いが、俺は今日狙う」と言っていた。

無線から「全く問題ない、それでいい」と伝えられる。

それからはボーっとしつつ、時々集中して走っていた。

170km辺りから「前に上がっておけ」という指示が出る。

自分も一緒になって前に上がるが、集団内がかなり密集していて他のメンバーとはぐれては合流しを繰り返す。

無理の無い所で合流しているのでしんどさは無いが精神的に疲れる。

コーナーが増えて来て軽い石畳の区間も入って来る。

180km辺りでグレガに「山岳が始まったら千切れても大丈夫か?」と再度確認する。

「大丈夫。問題ない」という返事を貰って集団後方に下がる。

たしか、186kmから山岳が始まるはず。

他のメンバーと離れ山岳が始まるのを待つが、中々始まらない。

集団はかなり加速している。

さっさと山岳に入りグルペットをつくって帰りたい身としては中々めんどくさい。

ラスト35kmのゲートを過ぎる。

いつから登りが始まるのかなぁ。と思いながら付いて行く。

ラスト30kmのゲートを過ぎる。

過ぎた直後に前方で強烈な落車音。

マズイと判断し急ブレーキで止まる。

前方を見るとかなりの人数が巻き込まれた大落車が発生している。

巻き込まれている人数が多すぎるせいでNIPPOの選手が巻き込まれていないか瞬時に判断できない。

見落としが無いように全体を何度か見渡して誰も巻き込まれていないことを確認。

道路の真ん中に広がる自転車と人の山を回避して再スタート。

チームカーから無線で「誰か巻き込まれたか!?」とかなり焦った声で聞かれる。

「全員無事。誰も巻き込まれていない」と返す。

落車で止まったのは想定外だったが、グルペットをつくるには丁度いいタイミング。

落車に巻き込まれた仲間を待つためにユックリ走っている選手を抜いて行き、グルペットっぽい集団が出来るのを待つ。

バルディアーニの選手を抜いた時に「ゲンキ!」と呼ばれる。

またバルディアーニか……と思いつつも、今まで「ヤマモト!やジャポネ!」と呼ばれて罵倒されたことはあってもゲンキと呼ばれたことは無かった。

ペースを落として横に並び「グルペットか?」と聞くと「そんな感じ」といった反応。

様子を見てグルペットをつくりたいという事だろう。

それならば一緒に居る方が都合がいいので後ろに下がってその集団に混ざる。

下がり際にゼッケンの名前を確認したらチッコーネだった。

そこからはその集団に付いて普通のペースで走る。

しばらく走っていると自分達の右後方から集団の来る気配がする。

(グルペットが合流かな……うわぁ……AG2R6人で全力でローテーションしてる……)

恐らくエースが落車に巻き込まれたのだろうAG2Rがエースをメイン集団に引き戻すために全力でローテーションして自分達の集団を抜いて行く。

これは美味しいカモが来た!と言わんばかりに自分たちの集団が抜いて来た集団の後ろに付いて行く。

別にメイン集団に戻りたい訳ではない。

速いペースで引いてくれる集団に付くことで少しでも早く楽して残りの距離を短くしたいだけ。

その証拠にチームカーの車列に追いつき、一段とペースが上がりだすと「もういいや」といった感じでブチブチに千切れていく。

そこから再びグルペット形成。

残りの距離が減っていく毎に前から後ろから選手が合流していき最終的に50人近い集団でゴールした。

 

 

感想

 

ゴールしてから登り開始の距離を確認したら204kmからだった。

186kmは昨日の登り開始の距離だった。

レースが連続するため距離の記憶がごちゃ混ぜになってきているので毎日しっかり確認するようにしたい。

今日でやっと折り返しに来た。

疲労は溜まってきているような、溜まって来ていないような微妙な感じではあるが引き続き頑張っていきたい。

噂のグランツールで1日あるという絶不調の日もタイムトライアルで消化したし、風邪も完治したようなので今のところ不安要素は一切ない。

あとは自分の力を信じて全力で頑張るだけだと思う。

明日はド平坦のステージなので、連続コーナーと石畳、そして横風にだけ気を付けて走るようにしたい。

ちなみに今日確認できたバルディアーニのうるさい選手はボエムだった。

バルディアーニという一括りにしてしまうのはアレな気がするので覚えておくためにも書いておきたい。

 

 

キツさレベル

最初のたった1時間半だけちょっとしんどかった。

たった1時間半だけ。

昨日の疲れが抜けきっておらずキツかったと思っていたが、冷静に考えれば平均時速51kmなのだから多少キツくて当然なのだろう。

日々の回復はしっかり出来ているっぽいので自信を持ちたい。

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2016年5月18日 (水)

ジロ・デ・イタリア 10日目

ジロ・デ・イタリア 10日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月17日

距離:219km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:43

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

「今日はクネゴの山岳リーダージャージを何としても取り戻したい」という内容のミーティングがあった。

出来る限り前方に集まって行動するようにという指示。

 

 

レースレポート

 

集団の最前列に並んでパレード開始。

コーナーの多いパレードでズルズルと後ろに下がってしまう。

そしてレース開始。

開始直後もコーナーやロータリーが多くズルズル後ろへ。

開始してすぐ集団の前方からNIPPOのジャージを含む4人の選手が飛びだしているのを確認。

すぐに無線から「クネゴ行け!」という応援がンンドも聞こえる。

クネゴが飛び出しているのだろう。

しかし集団のペースは落ちず速いままで飛び出しを追いかけている。

チラッと隙間から前を見ると濃い緑のジャージが2人で集団の先頭でローテーションして追いかけている。

(バルディアーニか……)

結局その飛び出しは捕まる。

その後再びアタック合戦が続く。

協力する為に前に上がろうとするがハイペース過ぎて無理。

近くに居たビソルティも上がっては下がりを繰り返す。

前に上がりたいがこれでは無理。

仕方がないのでここで待機するか……むしろそうした方が良い。

というのも第6ステージから第8ステージにかけて雨と寒さの中でレースをしていたことにより咳が出て喉が痛くなっていた。

そして第9ステージではレポートにも書いたが筋肉の状態は良かったが心肺機能が絶不調になってしまった。

そして昨日の休息日では咳と喉の痛さがピークに……完全に風邪だった。

しかし今朝起きた時点では風邪は治っていたように感じた。

治っていたように感じはしたが本当に治っているかは不明。

治っていたとしてもここで無理をすれば再びぶり返す危険もある。

無理をしない為にも前には上がらない方が良い。

無線で呼び出されるようなことが有れば話は別だが、今はまだ呼ばれていない。

心拍数を確認しながら走る。

160後半まで上がっている。

これは心肺機能がしっかり機能している証拠なので良い。

そして少しキツイ。

キツさの感覚は主観的なものなので調子がいいかどうかの判断にはあまり役立たない。

登りが始まれば周りの苦しみ方と比較することで本格的に調子を把握することが出来るだろう。

そしてその後もアタックが続いては吸収を繰り返してレースが進む。

(これはマズイ展開だよな……)

メーターの距離は20kmを過ぎようとしていた。

21kmからは登りが始まる。

登りまでアタック合戦が長引いた際にはペースが収まらず悲惨な事になるだろう。

出来れば今日は登りが始まる前に逃げが決まり、落ち着いたペースで登りに入りたかった。

思った通りハイペースなままで登りに入る。

しかし事情が少し違った。

アスタナが先頭で集団をコントロールしていた。

アタック合戦では無くコントロールされた状態でのハイペース。

アタック合戦が継続している事より具合が悪い。

アタック合戦によるペースアップであれば疲れて来たり逃げが決まればペースが落ちる。

しかしコントロールによるペースアップは違う。

自分達が力尽きないペースを保ってローテーションを続ける為、基本的にペースが落ちることは無い。

今の場合は山頂を通過するまではこのペースを刻み続けるだろう。

今はまだ耐えれるが山頂までの16kmを耐えれるペースでは無い。

いずれは千切れるしかないのだろうが、とりあえず限界にならない程度に付いていこう。

登りのハイペースに付いて行く。

最初にスタキオッティが下がって行く。

調子が悪いのだろうか?

その後、何度か集団の最後尾10人ほどが千切れる。

ほぼ最後尾で登りだしていた自分はそのたびに新たに出来る集団最後尾に追いつく。

グロスが数人と一緒に千切れ下がって行く。

その後ベルラートが10人以上の選手と共に千切れて下がって行くのをパスする。

集団に付いて行くが中々キツイ。

心拍数は180を超えている。

(よし!行ける!調子が良い!千切れよう!)

調子の確認は済んだ。

無理に付いて行く必要は無い。

自分の後ろには相当な人数が遅れている。

この調子であればグルペットから千切れる事は無い。

次にペースが上がったタイミングで千切れた。

しばらく一定のペースで登り心拍数を楽な数値まで落とす。

しばらく登っているとベルラートを含む20人以上の大集団に追いつかれる。

そこに合流して登る。

無理をしない集団なので楽に登れる。

さっきのアスタナのコントロールは相当キツかった。

数日前に大門さんから言われた「ワールドツアーチームが牙を剝けばひとたまりも無い」という言葉を思い出す。

しかし今のは牙を剝いた訳ではないだろう……

研いでいる牙を軽く見せた程度?

「逆らえばこの牙で嚙み千切るぞ」という警告だろうか?

そんな事を考えながら登り山頂通過。

下りに入る。

無駄にローテーションに入って披露しないように集団後方に付いて行く。

無線で自分の居る集団の情報が入る。

どうやら40人以上の集団らしい。

この人数であれば前に追いつける可能性が高い。

追いつけなくとも全員で協力すれば確実にゴール出来る。

そう考えて集団後方で付いて行く。

すると次の登りが始まる手前で集団に追いついた。

追いついた直後に登りが始まる。

先頭を見れば再びアスタナのコントロール。

ペースアップを恐れるが今回は軽めのペースで山頂まで登った。

山頂手前で下りに備えて集団前方に上がろうとするが、登り切ってからもしばらく平坦が続くことを思い出し踏み止まる。

自転車だけに踏み止まる。

山頂通過後しばらく緩いアップダウンを繰り返して走る。

そして「モンテーゼ」の町を過ぎる。

この町は知っている。

練習で何度か通ったことが有る。

という事はここから先のコースも走った事がある道かもしれない。

どちらに向かっているかは分からないがその内分かるだろう。

その後下りに入る。

この下りも知っている。

長く下るがコーナーはあまり深くない、練習の時にもかなりのペースで下っていた。

2車線使える今であればあまりブレーキを使わずに下れるだろう。

後半には九十九折のコーナーが連続し危険。

そこを過ぎた直後に川沿いの平坦区間に左折して入る。

恐らくそこで伸びた集団が一気に縮むのでしっかり前に付いて行かないと遅れてしまう。

いつの間にか前に居たグライペルに付いて行く。

コースを知っている&グライペルの方が圧倒的に重いのでスリップするのであれば彼が先という安心感で下りのコーナーをガンガン攻めていく。

後ろから見たグライペルは基本的には筋肉質なパワー系スプリンター体系。

しかしふくらはぎだけは異様に発達している。

「どこでその筋肉使うの?」というレベルでデカい。

覚えていた通り下り川沿いへ。

集団が加速すると警戒し備えていたおかげで楽に集団に合流できた。

川沿いの平坦区間でビソルティとグレガが居るところに合流する。

無善からの情報でクネゴが逃げに入っていることは分かるが、どうやらトップ集団には居ない様子。

芋掘りだろうか?

ビソルティに「クネゴは逃げているのか?」と聞くと返事の代わりに。無線で「クネゴはトップの逃げ集団に入っているのか?」と聞いてくれる。

自分の立場では効きにくい内容だけに聞いて貰えて助かる。

無線から「3人が先頭で逃げており、それを追いかけてクネゴを含む10人が逃げている」と情報が入る。

ビソルティが改めてそれを説明してくれる。

「ありがとう」と言ってから、ついでにこの先のコースについても確認する。

「112kmから登りが始まって、130kmで登りが終わり、そこからアップダウン。で合ってる?」と聞くと「オッケー」とだけ返してくれる。

期限が悪いわけでは無くて基本的に寡黙。

登りが近づく。

(さて、どうしたものか……。グレガは調子が上がって来てるっぽい。現に最初の登りではグレガを待つ前に千切れてしまった。という事は誰か別の標的を見つける必要がある……。確実に完走することが見込め、楽に登ろうとするであろう人物……やはりグライペルか。)

そこから「グライペルを探せ」が始まる。

登り始めてすぐにグライペルを発見。

真後ろにピッタリ付いて行く。

なぜかすでにキツそう。

キツそうな雰囲気を出しつつもしっかり集団に付いて登っていくグライペル。

集団のペースがそこまで上がっていないこともあり自分は楽。

グライペルが上手い事位置取りすることも楽に登れる要因の一つ。

(グライペルは今日は確実に完走狙いのハズなので付いて行けば問題ない。グライペルが千切れそうな時に自分に余裕があれば集団に付いて行けばいいし、なければ一緒に千切れればいい。基本的には186kmの長い登りの麓までは集団で行きたいが……まぁ最低でもグライペルのグルペット……グライペットに残れればいいか……)

そんな事を考えながら付いて行く。

その後130kmの登り終わりまで一定のペースで進んだおかげでグライペットは発生しなかった。

そこからアップダウン区間に入る。

1つ1つのアップダウンに結構な高低差があるので結構キツイ。

途中でボトルの水がかなり少ないことに気付き、登りでチームカーを呼ぶ。

少し時間がかかり下りでのボトルの受け渡し。

相当怖い。

高速で下りながら片手放しでボトルを受け取るのだが、コーナーも有る為かなり危険。

自分の分と無線で頼まれたビソルティの分、そして余分に1つの合計3つ受け取るのがやっとだった。

受け取ってから集団の最後尾に追いつきいったん休憩。

休憩中にモビスターの選手が背中に大量のボトルを詰め込んで自分を抜いて行く。

あの下りのどこでそれだけのボトルを受け取れたのか……さすがワールドツアー。

その後ビソルティにボトルを渡し、余ったボトルを近くに居たグレガに渡しに行く。

グレガに渡してから後ろにいたグロスの顔を見ると相当キツそう。

大丈夫か?と思った直後に遅れて行った。

そこからは再びグライペルの後ろを陣取って走った。

最終的に目標としていた186km地点でグライペットが発生しそこで休みながら帰って来た。

帰っている途中で同じグルペットに居たベルラートからクネゴが2位に入ったと教えてもらった。

「1位は?」と聞くと「バルディアーニのチッコネという選手、かなり若い」と教えてくれた。

うるさいだけかと思っていたが若くて凄い選手も居るんだなと思った。

うるさい選手は若くは無かったのでチッコネとは別だろうとは思うが。

 

 

感想

 

前日まで体調を崩していたこともあり相当警戒してレースに挑んだが、むしろ絶好調という感じで本当に良かった。

だが、再び風邪がぶり返す可能性もあるので引き続き気を付けて走るようにしたい。

 

 

キツさレベル

特にキツイと感じたのは始めの登りだけではあったが、さすがに走行時間6時間越え、走行距離219km、獲得標高4200mとなればゴールした際の疲労度は半端無いものがあった。

しっかり休んで回復させて明日以降に備えたい。

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2016年5月15日 (日)

ジロ・デ・イタリア 9日目

ジロ・デ・イタリア 9日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月15日

距離:40.5km

天候:曇り

起床時体重:61.

起床時心拍:40

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ミーティングではないがホテル出発前に大門さんから「ユックリ走ったらタイムアウトになる可能性があるからしっかり走るように。そういう選手を何人か見たことが有る」と言われる。真面目に走ろうと心に誓う。

 

 

レースレポート

 

雨が降るという予報もあったが自分のスタート時点ではギリギリといった感じで曇っていた。

タイムトライアルスタート。

距離も長いこともあり最初の10分は少し抑えめで踏んでいく。

前半に踏み過ぎると後半に一気に失速する可能性がある。

メーターで心拍数を確認しながら踏んでいく。

心拍数が150から上がらない。

ヤバい。

調子が悪い。

普段であれば160まではすぐに上がるはず。

連日の雨と寒さによる消耗がここに来て出た感じだろうか?

最初の10分間が過ぎ本格的に踏んでいく。

それでも心拍150ぐらいのまま。

本格的に踏み出せば170台後半までは上がって欲しいところ。

っていうか、コースがキツイ。

タイムトライアルの癖に登りが多いし、下りもコーナーが多くてかなり怖い。

初日のタイムトライアルの際にも触れたが、自分はSKをタイムトライアルバイク仕様にして組んでもらっている。

タイムトライアルバイクでこのコースを走るしんどさに比べればまだマシな方だろう。

重い上にコーナーも曲がりにくいタイムトライアルバイクでこんなコースを走りたくない。

しかもタイムトライアルバイクが本来有利になる「速度の乗る直線」がコーナーが多いコース設定により潰されている。

それでも苦しみつつ「不味いなぁ~」と思いながら走っているとバルディアーニの選手に抜かされる!

「マジかよ!まだ開始から20分!単純計算で子の選手から3分遅れることになる!総合順位の逆順で出発していっているから、この選手は弱いはず!この選手から3分も遅れたらトップからどれだけ遅れるか分からない!打ち切りの30%を超えてしまう可能性がある!」

とにかく少しでも前のバルディアーニの選手から遅れないようにしようと考え、スリップストリームに入ってズルをしないようにある程度差を開けて付いて行く。

しばらく付いて行くと遠くに自分の前で出発したガスプロムの姿が見える。

その選手が通過した標識の場所を覚えておいて自分がそこを通過するまでにかかった時間を計算する。

1分差毎にスタートしたが、現時点で50秒差。

前のガスプロムの選手とは差が詰まっている。

前のガスプロムが遅すぎる可能性もあるが、自分が飛び抜けて遅いわけではないという安心感を得る。

バルディアーニに付いて行けば下りも速く走れるし大丈夫だろうと思っていると後ろからジャイアントの選手に抜かされる。

「……まぁワールドツアーのチームだし速くて当然だよね!総合順位が悪いのもアシストしてから遅れてるからだよね!」と自分に焦らないように言い聞かせる。

ジャイアントの選手がバルディアーニの選手を抜いたところで登りが始まる。

登りでペースが落ちたことにより3人の距離が近くなる。

「団子3兄弟かよ」と心の中で謎の突っ込みを入れる。

「俺が最後尾で3男か……」そんなことを思っていると『団子3兄弟の歌』が頭の中で流れ出す。

その後下りに入り3男は置いて行かれる。

その後再び登り。

今日のスタートの時から、さらに言えばイタリアに入ってからだが自分への応援が凄い。

「ヤマモト!」や「ヤマー!」、「ゲンキ!」「ジェンキ!」と様々な呼び方でかなりの人数の人数の観客が応援してくれる。

なぜここまで応援してもらえるのか分からないが、かなり嬉しい。

「小さい日本人大人気だな」と思い応援に答えれるように頑張って走る。

頑張って走り登りで自分より先に出発したガスプロムを追い越すことが出来た。

「これで最後尾は確実に回避」

その後下りに入るが、1人になった事により下りが遅くなる。

前に誰かいればその選手に付いて行くだけでいいので速く下れるが、自分1人になるとライン取りやコーナーへ入る速度が分からず過剰にブレーキしてしまい遅くなる。

その結果ラスト2kmで抜かしたガスプロムに抜き返される。

その後はガスプロムを追いかけてゴールした。

 

 

感想

 

スタート直後から調子が悪くて大変だった。

自分がゴールしてしばらくしてから雨がパラつき出していたが、ホテルに帰って来てテレビでジロの中継を見ると本降りになっていた。

いろんな意味でこの雨で走らなくて良かったと思う。

体調面でも心配だし、路面が濡れていれば下りが更に遅くなるのでタイムアウトを食らう可能性もあった。

状況的には去年の全日本選手権タイムトライアルに近いので後半に出発した総合上位陣は不憫である。

調子が崩れかけはしたが、幸いなことに明日は休息日。

しっかり休んで体を回復させて調子を上げてイタリアでの2周目に挑みたい。

というより、調子を上げた状態でないと生き残れない。

 

 

キツさレベル

調子が悪かった分踏むことが出来ず、休むことが出来たという微妙な感じになってしまった。

幸い雨にも打たれずに済んだので休んで体調の回復に努めたい。

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ジロ・デ・イタリア 8日目

ジロ・デ・イタリア 8日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月14日

距離:186km

天候:曇り後雨、そして晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:48

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日は自分かベルラートが逃げるという事になる。

自分的には逃げれるチャンスがあるとすれば今日のみ。

今日以降は平坦コースもあるがその後に山岳コースが控えているため無駄な体力を使うと完走できないからだ。

「逃げの為に動くのは今日のみ」その覚悟でスタート前から逃げの為に集中していた。

 

 

レースレポート

 

スタート前にサインに行くと後ろから「コンニチワー!」と声を掛けられる。

誰かと思って振り返るとアルノー・デマール。

「コンニチワー」と自分もなぜか片言で返し、「フランス語でハローは?」と聞く。

「ボンジュール」と教えてくれた。

ああ、そういえばそうかと思いながら「ボンジュール」と言うと発音が違ったようで2回ほど言い直して教えてくれた。

今日はいいことが有りそうである。

出走サイン後にインタビューがありスタートラインに並びに行くのが少し遅くなり前から3列目辺りに並ぶ。

パレード開始。

隙間を見つけては前に上がって行き、パレード中に先導車の後ろに付く。

逃げに乗る為に全力でうごくつもりではあるが、逃げに入れる可能性が1番高いのはスタートアタックでの数人の飛び出しに入る事。

長引けば確実に逃げに乗れない。

パレードが終わりレーススタート。

スタート直後の飛び出しにすぐさま飛びつく。

一瞬抜け出したがすぐに追いつかれる。

そのまま次のアタックに反応。

無線から「落ち着け」と言われるが、落ち着いていると絶対に逃げれない。

スタート直後しか自分にはチャンスが無い。

だが決めれず。

これは確実に長引く流れ。

逃げれる可能性はかなり低くなるが少し待機するしかない。

雨が降り出す。

視界が悪くなり集団前方を維持するのもかなりリスキー。

逃げたい選手がかなり多く、ごったがえしている。

集団前方にクネゴとベルラートも上がって来ている。

その後何度かアタックが続き10人くらいの選手が先行する形になる。

集団の動き的にあの逃げは捕まるのでその次が狙い目だろうと集団前方をキープする。

捕まるのに時間がかかり登りが始まる。

登りで集団が飛び出しを捕まえる為に加速し棒状1列になる。

この登りがあることは知っていた!そこまで長くない!ここを耐えきれば逃げのアタックに反応できる!

そう思っていつもは位置を下げるところだが全力で粘る。

「今は位置を下げるべきではない!今日逃げに乗らなければ今年のジロで逃げに乗ることは出来ない!キツイけど頑張れ!まだいける!キツイ!やっぱやめた!」

キツ過ぎて限界とても耐えれるレベルでは無い。

「でも登りの終わりまでの距離は短いはず、少しでも前に残っていればまだ逃げれる可能性が残る」と思い一瞬「やめた」と思った気持ちを繋ぎ直す。

限界になりながらも少しでも粘ろうと一生懸命登る。

ふら付いてしまいロットソウダルの選手と接触してしまう。

「これは良くない。これでは落車を引き起こしたバルディアーニの選手と一緒だ。これでは逃げに乗るなんてできないし、よしんば出来たとしてもスグに千切れるのが関の山だろう。自分の今の力では勝負に絡めそうな日に逃げに乗るというのは無理という事だろう。」

そう考えて逃げに乗ることを諦める。

ペースを更に落とし抜かれながら登って休む。

左折の看板が目に入る。

左折すれば下りだろう。

下りだしの直前だけもがいて下りに入る。

道は広いが雨のせいで視界も悪く路面もスリップの危険がある。

前の選手に付いて行くが前で集団が分裂している。

前の選手が交代していき自分も追いつく為に踏むが追いつけず交代。

自分の後ろにいた選手達から絶対に遅れないように気を付けて全力でそこに付く。

その集団にスカイの選手が3人おり全力で前を追ってくれる。

「ここに付いていれば復帰できる」と確信し全力で付いて行く。

相当速い。

今日は横風が無いが、一瞬でも油断すればブッ千切れるレベルでキツイ。

,3日前に大門さんが「ワールドツアーチームが牙を剝けばひとたまりもない」と言っていたことを思い出す。

これがその片鱗だろう、付いて行くだけでマジで限界。

千切れないように全力で踏みつつ小さい体をさらに小さくして空気抵抗を減らして付いて行く。

前の集団に追いついた。

しかしそこもグルペット。

登りと下りで集団がバラバラになったのだろう。

昨日の様に爆速で前を追いかける展開が続く。

前の集団に追いつくごとにペースが一瞬落ち、そのおかげで自分より先に遅れていたスタキオッティとビソルティが合流する。

2人は前に上がって行ったが、自分は引き続き最後尾で粘る。

最後尾の方が後ろの事を気にしなくていいから気が楽。

40km辺りでやっと前に追いつきペースが落ちる。

そのタイミングで他の選手と一緒にトイレに行く。

集団に復帰する為にトイレが終わった選手で協力して集団を追いかける。

自分の前にクイックステップの選手が入ってくる。

61番、キッテルだ。

デカい。

今まで外人選手を見て縦に長いと思ったことは何度もあるが、デカいと感じたのはこれが初めてである。

何というか……全体的にデカい。

足は当然として上半身もデカい。

筋肉の付き方が素晴らしく、全身にバランス良く付いているおかげでロードレーサー特有のアンバランスさが無く綺麗。

そして、縦だけでなく横にも大きいおかげでかなり良い風除けになる。

キッテルが風を切ってる。

集団に復帰するのにかなり時間がかかる。

やっとのことで追いつくと集団のペースがかなり上がっている。

先ほどグルペットから復帰したばかりで一体何が起こっているのか分からない。

無線からの情報でベルラートが逃げているのは分かっていた。

NIPPOの選手が集まっているところに合流する。

クネゴ、グレガ、ビソルティ、ジリオーリ、スタキオッティ、グロスが居る。

グロスに「ベルラートとフィロージが逃げているのか?」と聞くと「ベルラートが逃げていて、フィロージは千切れている」と教えてくれる。

続いて「なんでこんなに速いん?」と聞くと「10人逃げていてその内の1人に総合で1分30秒遅れのクイックステップの選手が居る」と教えてくれた。

なるほど、逃げられてはマズイ選手に逃げに入られてしまったから、吸収するかタイム差を少なく保って確実に吸収できるようにしようという魂胆だろう。

でも逃げ集団は10人でローテーションし、集団は今のところ最大でもジャイアントが8人でローテーションしている状態だろう。

これでは差が詰まりにくいどころか広がる可能性がある。

その後もずっとハイペースで進み続け集団が横に広がったのは登り少し手前の90km辺り

そこからしばらく少し落ちたペースで横に広がって進む。

タイム差も最初は3分半ぐらいだったのが5分程に広がっていた。

リーダーチームのジャイアントがどういう考えなのか予想してみる。

今の感じだと自分達だけで追い続けるのはキツイと判断したのだろうか?

ならば、あえて逃げとのタイム差を大きくすることで、逃げに選手を送り込んでいない『総合リーダージャージを狙っている』チームに「お前らのチームも大きなタイム差で逃げ切られたら後々困るだろう?」と言ってタイム差を詰める為のローテーションの協力を求めるつもりだろうか?

まあなんにせよ「ベルラートが逃げに入っている」し「総合順位も狙っていない」NIPPOには関係のない話である。

自分としては今日も楽にかつ確実にゴールできればそれでいい。

その後110km地点にあった壁のような坂を越え、120km地点の3級山岳を集団で無事にクリアした。

山岳が終わってから本格的に逃げとのタイム差を詰める為に集団が加速。

それから逃れるために逃げ集団も加速し、高速の鬼ごっこが始まる。

そして自分は集団最後尾で苦しむ。

今日の打ち切りタイムリミットは恐らく先頭のゴールから30分ぐらい。

出来れば160km手前にある登りの入り口まで集団で行きたかったがキツければ千切れた方が良いかもしれない。

1人で千切れるのは危険なので誰かが千切れるのを待つ。

ラスト30kmの手前で集団の後ろから10人目辺りの選手が遅れる。

何人かはそれを交わして前に合流していくが、グレガ、ジリオーリスタキオッティを含む7名程が諦めてペースを落とす。

自分もそこに加わり、ラストの2級山岳を含む30kmを流しながらゴールした。

 

 

感想

 

逃げたくて全力で動いたが無理だった。

潔く諦めた方が良いと感じた。

逃げろと言って貰えれば挑戦することもあるかもしれないが、ここからは完走する事と仕事をすることに集中したい。

今日までの感じではジロ・デ・イタリアなのに山岳よりも平坦の方がしんどいという感じである。

明日のタイムトライアルは無理せずに余裕を持って走りたい。

そしてフィロージが昨日からお腹の具合を悪くしてしまい今日のレースでタイムアウトになった。

 

 

キツさレベル

前半のキツさは今日までのレースで1番という感じだった。

とにかくキツかったが耐えきることが出来て良かったと思う。

少しでも調子が悪ければ遅れると感じたタイミングが何度もあった。

中盤以降に関しては比較的楽に走ることが出来たので前半に負ったダメージを回復することが出来た。

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2016年5月14日 (土)

ジロ・デ・イタリア 7日目

ジロ・デ・イタリア 7日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月13日

距離:211km

天候:曇り後雨、そして晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:53

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

ジュリアーニに今日の指示を確認しに行くと「今日は20km地点に山岳ポイントがあるのでそこまではクネゴがポイントを取れるように協力して動き、その後は誰が逃げに乗ってもいい」と言われた。

「逃げるか?」と聞かれたが「明日に逃げたい」と答え、「じゃあ今日は休みつつ走れ!」と言われた。

 

 

レースレポート

 

今日は「一昨日と同じ」平坦ステージ。

詐欺の香りがするので十分に気を付けて走ろうと考える。

短めのパレードが終わり広い道でアタック合戦が始まりすぐに逃げが決まる。

逃げが決まってすぐに無線から「コントロールするから前に上って来るように」という指示が出る。

フィロージが集団の右端を凄い勢いで上がって行った。

「今日は真面目なんだな」と感心する。

少し遅れて自分も集団の先頭に合流する。

スタキオッティ、ベルラート、フィロージ、自分、グレガの順に並んでローテーション開始。

始めはある程度のペースで長めに引いて交代していく。

自分の前のフィロージが短めで交代しようとし、後ろから「長く引け」と無線で指導される。

ここまで一貫していると逆に好感を持てる。

サボることを前提とした信頼関係という感じ。

フィロージの後に自分が引いて1周目のローテーションが終わる。

1周目のメンバーにジリオーリとビソルティを加えて2周目が始まる。

始まると同時にペースが上がる。

1人1人の引く距離を短めにしてかなりハイペースで平坦区間を進む。

自分が先頭で引いていた際の感じでは、確実にタイムトライアルで出す力以上に踏んでいた。

逃げとのタイム差を1分半くらいで保ったまま追い続ける。

詳しい作戦は分からないが、登りで吸収しようという魂胆なのだろうか?

自分はただローテーションの速度を感じ取りそれを維持するだけである。

11km地点を過ぎてすぐに前方に登りが見える。

山岳ポイントへの登りだ。

それが見えた瞬間にスタキオッティがローテーションから離脱。

戦力にならないと自分で判断したのだろう。

ジリオーリ、ビソルティ、ベルラート、自分、グレガ、の順で登りに入る。

入った瞬間に前の3人が一斉にボトルを1本捨てる。

少しでも重量を減らし早く登る為だろう。

自分もそれを見てすぐに1本捨てる。

登り出しからかなりのハイペースで突き進む。

後ろに付いているだけでも相当キツイ。

しかも各自がかなり長めに引くせいで先頭が回ってこずその間、延々と苦しみ続ける。

スタキオッティと一緒に離脱しなかったことを後悔するが今さら離脱することは出来ない。

1回だけでも引いて下がればいいだろう。

ベルラートが交代し自分の番がやって来る。

ペースを落とすことは出来ない。

短く引くのもアシストとして情けない。

「1回だけしか引かないのだから全力で頑張ろう」と思い。

限界に近い力9割ほどの力で踏んでいく。

残りの距離を確認しながら頑張る。

17km地点。

まだ頑張れば引くことが出来るが、そうした場合力を使い切り集団から一気に遅れてしまう。

あと3kmも登りが続くのでそれを耐えきる力も残さないといけない。

「1回しか引けなくて申し訳ないが交代!」と思って先頭を交代する。

交代して知ったが、自分の後ろにはグレガとクネゴだけで他のメンバーは1回引いて集団内に下がっていた。

自分も集団内に飲み込まれる。

グレガを先頭に集団が縦に伸び10番手辺りから2列ぐらいになって登っていく。

自分は集団内をドンドン下がって行く。

大切なことは1人にならないこと。

前を引いていたとはいえ登りでは後ろも先頭と同じくらい苦しい。

後ろで苦しんでいるスプリンター達がグルペットを形成するはずである。

今日はスプリンター向けのステージなので千切れたスプリンター達は前に追いつく為に全力で追いかける。

そこに便乗すれば集団に帰ることが出来る。

集団内を下がって行くうちにいつも遅れるスプリンター達を発見する。

この選手達と一緒に居れば大丈夫。

それ以上遅れないようにそこで粘る。

案の定しばらくして近くに居た選手がユックリではあるが一斉に集団から遅れだす。

グルペット形成。

後はここから千切れないように粘るのみ。

だが、前を引いていたダメージも有り相当キツイ。

ここは明日以降の事を考えて足を残す場面では無い。

無理してでも、限界を超えてでも残らなければいけない場面である。

「調子が良いだろう!まだまだ行けるだろ!周りを見て見ろ自分以外の選手もキツそうだぞ!あいつらは前を引いても無いのにキツイんだぞ!前を引いていた分俺の方が強いぞ!酸素を取り入れろ!血液に酸素を回せ!そして足を回せ!頑張れ!回せ!頑張れ!回せ!」

心の中で松岡修造並みに熱く自分にエールを送って頑張る。

最初は頑張っていたグルペット集団も徐々に元気を失い、前から離れる速度が速くなっていく。

それにつれて徐々に自分も楽になっていく。

心拍数もピークの頃より下がりだしている。

山頂までラスト1kmの看板を過ぎる。

そのころには相当回復し、集団前方から遅れてくる選手を逆に抜き始める。

徐々に位置を上げて行くとグレガと並ぶ。

グレガが「俺の後ろに付いていればいい」と言ってくれる。

「よろしくお願いします!」という気持ちでそこからはグレガに付いて行く。

山岳ポイントを過ぎ若干下って平坦区間に入る

今日は山頂通過後もしばらく平坦基調の登り区間が続く。

集団先頭の先を見るとトップの集団は遥か彼方。

そこからブチブチと千切れた小さな集団が1列になって先頭を追いかけている。

前にある集団を吸収することでより大人数のグルペットにしようと、全力で前を追いかけ始める。

NIPPOは「絶対に前に追いつかなければいけない」という立場ではないので集団後方で各自がバラバラの位置で付いて行く。

横風で集団が道路の右端に寄せられながら全力で爆走。

前の選手に必死で食らいついて行く。

身長が小さいおかげで受ける風が少なくて済む。

今日はホイールをBORA50にしてもらっていたおかげで高速域でより楽に走ることが出来る。

もう一つの選択肢としてはBORA35だが、自分の感覚としてはBORA50は巡行性能が良く高速域で力を発揮し、BORA35は踏み出しの反応が良く登りが軽いという感じ。

今日のような平坦基調?のコースではBORA50が適していると読んだ。

グルペットの集団が徐々に大きくなっていくが、それでもトップのグループはかなり遠いままレースが進む。

41kmから始まる下りに入る。

トップのグループを追いかけているためかなり速いが、広く真っ直ぐな下りの為安全に下ることが出来る。

余裕が出来たので片手を離して背中のポケットからライスケーキを取り出して食べる。

自分の横では両手をハンドルから離してウィンドブレイカーを着ている選手も居る。

ちなみに時速は70km越えの状態。

たいがい頭のおかしなスポーツである。

最終的に下り切って結構進んだ60km地点で集団が1つにまとまる。

その後ペースが落ちたことで休みながら走ることが出来た。

休んでいる最中にクネゴに「調子はいい?」と聞くと「疲れている」と言っていた。

山岳ポイントがどうだったかは答えが聞くのが怖くて聞けなかったが集団トップを通過していたらしい。

休みながら「次の登りは……たしか70km地点からか」と思ってメーターを確認する。

73km地点。

既に始まっていた。

そこから徐々に勾配がキツクなっていったがそこまで苦しむことなく乗り切れた。

そこから下りに入る15kmかけて500m下る。

雨が降っていたこともありかなり寒い。

めったに使わない長袖のウィンドブレーカーを着ていたにも関わらず下り切った時には震えるぐらい体が冷えていた。

体温を上げる為に何か食べようと背中のポケットに手を入れるが。

上手く取り出せず手こずっていると隣を抜いて来たFDJのイグナタス・コノヴァロヴァスに「寒いか?」と聞かれたので「イエス」と答えておいた。

そこからは何事も無く休みながら走る。

ラスト60km地点でグロスがトイレに行きたいという事で一緒に止まって終わるのを待つ。

そこから一緒にスタートし自分が先頭で集団を追いかける。

今日は集団スプリントになる可能性が高いので、スプリンターのグロスを不必要な所で疲れさせてはいけない。

下り基調の道をチームカーの間を上手く抜けていき無事集団に復帰することの成功。

グロスが集団内を上がって行くのを確認して集団後方で再び休憩。

「今日は最後に4級山岳があるがどうするべきか?自分的に頑張らずにグルペットで帰りたいがスプリントステージという事でグルペットが出来ない可能性が高いし、出来ても集団に復帰する為に高速だろう。流して1人で帰って来るという手もあるが、50kmを1人で帰るというのは30分の猶予があるとはいえ結構怖い……わがまま言わずに集団に頑張って付いて行くか」いろいろ考えた結果そういう結論になった。

そして4級山岳が始まる。

最初はユックリ目のペースだったが徐々にペースが上がって行く。

遅れ始めている選手もいるが少数。

グレガも集団後方に残っているし千切れるかどうするべきか……。

悩んでいる間にラスト2kmの看板を過ぎる。

「こうなれば頂上まで頑張ろうかな!」そう腹を括った瞬間に前方で集団が分裂しグルペット形成。

グルペットはトップ集団が見えるぐらいの位置で登りきり下りに入る。

自分達のグルペットにキッテルが居るらしく、クイックステップがグルペットの先頭で全力のローテーションをして前を追いかける。

本日2回目の高速グルペット。

クイックステップのおかげで集団に復帰することが出来た。

集団も逃げを捕まえる為に高速で進む。

若干の横風も手伝い、後ろでもかなりキツイ。

千切れたい気もするが、あとは平坦のみなので付いている方が楽な気もする。

集団の最後尾で苦しみつつ千切れるか悩んでいると集団のペースが落ちる。

そこでグレガから「残りの距離も少ないし無理せずに千切れればいい」と言われる。

その後ラスト10kmから再びペースが上がりその瞬間に付いて行かずに千切れる。

自分が千切れてすぐに自分の前に居た10名程も踏むのを止めて集団から遅れる。

その集団にグレガとジリオーリがいたので追いついて一緒にユックリ走ってゴールした。

 

 

感想

 

予想を裏切らないしんどい1日だった。

一昨日の事もあり身構えていたのでそこまで衝撃は無かった。

レースがキツくなるかどうかは選手次第といったところだろう。

そもそも今日のレースがしんどかったのは最初の2級山岳で踏んだのが原因な気もするが。

もっと言えば集団が分断したこと自体、NIPPOが原因を作ったような気もするが。

山岳リーダージャージは昨日の時点で2位だったLOTTOのティム・ウィレンスが1点差でクネゴを上回りジャージを手放すことになった。

ちなみに今日の獲得標高は2400m……平坦ステージとは一体?

レースレポートの最初の部分でも少し触れたが明日は逃げたい。

明後日にはタイムトライアルが控えているため逃げ切りの可能性も高いからである。

逃げたいと言って簡単に逃げれるものでは無いというのは百も承知であるが、明日は逃げる為に全力で努力したいと思う。

 

 

キツさレベル

横風、雨、寒さ、そして登りといろんな意味でしんどい1日だった。

しっかりと休んで回復させて明日に備えたい。

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2016年5月13日 (金)

ジロ・デ・イタリア 6日目

ジロ・デ・イタリア 6日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月12日

距離:157km

天候:曇り後雨、そして晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:40

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日の自分へは昨日と同じくユックリ。

グレガの側で走っていればいいという指示。

 

 

レースレポート

 

今日のコースはジロ・デ・イタリアのコースマップを確認した際に始めの山場になると予想した重要なステージ。

まずはここをクリアしないことには当然ながら明日は無い。

明日は来るけど暗い明日がやって来る。

後ろ向きではあるがレース前から打ち切りの割合を確認しておく。

今日はトップから10%遅れれば打ち切られる。

レースのトップタイムは4時間は切らないハズなので160分の10%で16分。

かなりシビアなタイム設定。

ラスト20kmの登りが始まるところまで粘れないと完走は厳しい。

クネゴの山岳リーダージャージをキープする必要もあるので今日も集団前方に並ぶ。

果たして今日はゆっくり走れるのだろうか?

パレードが始まり平坦基調な道に入りレーススタート。

開始直後からアタック合戦が開始。

自分としてはクネゴが逃げに入ってくれればそれが一番楽で良いのだが……。

流石に逃がしてもらえないだろう。

最初のアタックにベルラートが入る。

3人が先行を開始する。

無線でベルラートに「先頭交代に加わるな」という指示が出る。

クネゴが入っていない逃げはNIPPOにとって必要ないという事だろう。

その逃げをグロスが追いかけて差を詰める。

自分は前に上がるのに失敗しており集団の中盤から様子を見ていたのだが、どのチームかは忘れたが「何やってんだよ」という感じで起こっているワールドツアーチームがいた。

逃げに選手を送り込んでいるのにそれを追いかけて潰しに行くというのは、やはり印象が悪いだろう。

最終的にある程度詰めたところでクネゴが集団から発射し逃げを追いかけ始めた。

しかし集団もそれを追い始め最初に逃げていたメンバーを含め全員が吸収される。

そのあたりのタイミングで自分も集団の先頭に上がる。

後ろにいるとサボっていると思われるし。

何度かアタックが繰り返されて吸収されてを繰り返す。

フィロージが全力でアタックに行っている姿も見かける……(作戦を理解しているのだろうか?)

そして最終的にビソルティの入った3人の逃げが決まる。

そこから無線で口論が始まる。

意味的には「今すぐローテーションを開始して追いかけ直して吸収するべきだ」というのに対して「ビソルティが入っているのに追いかけるのは良くない」という言い合い。

ちなみに前者がクネゴで後者が監督のジュリアーニ。

今日はジュリアーニが冷静。

クネゴがかなり焦ってしまっている。

「ちょっと落ち着け」など言える訳も無く事態が終息するのを待つ

最終的に「ビソルティが1番で通過すれば山岳リーダージャージがビソルティに移るだけだから問題ないし、クネゴが山岳を4位通過できればクネゴが山岳リーダージャージを守れるという事で落ち着いた。

今日もローテーションするのか?と事態を戦々恐々と見守っていただけに安心した。

無線での言い合いが落ち着くまで待っていたが、自分の変速の調子が悪いのでそれを無線で告げてチームカーまで下がる。

メカニックに状況を説明して後輪交換という事になる。

後輪を交換して再スタート。

集団のペースが落ちていたこともありすぐに集団に追いつく。

今朝の起床時心拍が40だった時点でだいたい予想がついていたが今日はかなり調子がいい。

かなり軽く登れている。

この登りのペースの感じだと今日は千切れる心配は無い。

それにもし自分が千切れるくらいにペースが上がったとしても自分より先にスプリンター達が大量に遅れるはずなので問題ない。

という事で集団最後尾で余裕を持って登る事にする。

逃げが決まっているので集団は延々と一定のペースを刻み続けて登る。

調子がかなりいいこともあり全く苦しむことなく付いて行ける。

そのまま登り続け山頂までラスト3kmの所から若干ペースが上がる。

少し踏んで付いて行き、ペースが若干落ちたタイミングで集団の中盤近くまで上がっておく。

こうしておけば次にペースが上がった際に遅れつつ登ることも出来る。

その後ラスト1.5kmを切ってから再びペースが上がる。

残りの距離が少ないこともありそのままの位置で付いて行く。

山頂付近で集団が縦に伸びたので更にポジションを前に上げる。

ここでポジションを上げたのは下りに向けてアドバンテージを稼ぐため。

そして下りに入る。

入ると同時に急に雨が降り出す。

路面が一気にウェットになる。

北イタリアと違い、ただでさえ路面状況の悪い南イタリア、そこに更に雨で路面が濡れるとなると相当危険。

「いつ滑るか分からない」というぐらいの危険度。

集団も棒状1列になって下ってはいるが全く速くない。

1列になっている理由は1番良いコーナーのライン取りが出来ないと滑る危険があるから。

車間もそれぞれがかなり開けて下っている。

自分も、普段であればバイクを倒しこんで下るところを、出来る限りバイクを立てて横方向に力がかからないように気を付けて下る。

全員が相当注意深く下ったためか落車は一度も発生していなかった。

自分は前の選手にしっかり付いて行って下っていたが、何人か前の選手が前から千切れており集団が分断されていた。

自分は前に付いて行くことは出来ても前との距離を詰める技術は無いし、出来たとしてもここで無理に突っ込んでいく必要は無いと判断する。

この下りは絶対に落車せずに下り切ることが重要だし、自分の後ろにはまだまだ選手が居る。

下り切ったところの平坦区間で後ろにいる選手達を利用して集団に追いつけばいい。

そう考え焦らずに確実に下っていく。

下りの勾配が緩くなりそろそろ平坦区間に入る兆しが見えてくる。

そのタイミングで4人ぐらいの選手に抜かされる。

これを利用しない手は無いと考え抜いてきた選手の後ろに付いて一緒に下っていく。

そのころには雨がやみ路面も乾き出していた。

予想通りすぐに下りの区間が終わり平坦区間に入る。

思っていたよりも集団から遅れておらず遠くない位置に大きな集団が見える。

上手く他の選手の後ろに付いて行きトップ集団に追いつくことに成功。

そのすぐ後にチームカーにボトルを貰いに行き5本受け取って集団に帰って来る。

そこから他のNIPPOの選手にボトルを渡そうとするがほとんどのメンバーが要らないと言う。

考えてみれば雨の降った下りを抜けた後で体も冷えているし喉が渇くわけも無いだろう。

思い返せば自分がチームカーにボトルを貰いに行った時も自分の分は貰わなかった。

背中にボトルを入れていても邪魔なだけなので押し付けるように他のメンバーにボトルを渡して捌いて行く。

しかし最終的にボトルが2本も余ってしまった。

しょうがないので1本は少し減っていた自分のボトルと交換して残りの1本は背中に入れたままにする。

誰が欲しいといった際に渡せばいいだろう。

しかしその直後に補給所がやって来る。

サコッシュを受け取ったがそこにもボトルが2本入っている。

現在手元にボトルが5本、本当に邪魔。

もっていてもしょうがないのでいらないボトル3本はボトルが欲しそうな観客に向けて転がすようにして投げる。

恐らく回収してくれるだろう、要らないボトルの有効活用である。

その後落ち着いた時点で距離と時間を確認すると、90km過ぎで2時間半以上経過していた。

現時点で15分遅れても大丈夫。

ちょっと待て、計算が合わない。

スタートの時点では16分しか遅れることが出来ないと計算していたはず。

よく考えてみると、なぜか1時間=40分で計算していた。

本当に謎である。

それほどまでにスタート前には気持ちが焦っていたのだろう。

計算し直せば少なくとも24分遅れても問題ないことになる事が分かる。

これであればラスト40km辺りから始まる坂で千切れてもゴールできるだろう。

集団の様子を見ながらではあるが無理に付いて行かなくても良いと思うとかなり気が楽になる。

昨日のレースの終盤に落車したジリオーリに「調子はどう?」と聞くと「痛い」と言っていた。

ジリオーリは左腕にタトゥーを入れている。

前に聞いた話だと軽い擦過傷であれば問題ないが、深い擦過傷であればタトゥーの模様も削げるらしい。

ジリオーリは昨日の落車で右腕はボロボロになっていたが左腕はほぼ無傷だったのでタトゥーは無事。

ちなみにグレガ先生は両腕を含む体のアチコチに自分の子供に関係するタトゥーを入れている。

グレガはアムステルゴールドレースでかなり派手に落車したが、顔面から落車したようでタトゥーは無事だったよう。

タトゥーをしている人間は落車の際に本能的にタトゥーを庇うのだろうか?

そしてラスト40km辺りからの登りが始まる。

昨日と同じような感じの広い道を同じような感じで登っていく。

めんどくさいな……早くグルペットが出来ないかな?と思いながら付いて行くが皆中々粘る。

千切れていく選手も居ないことは無いが少数。

グルペットを形成するには人数不足。

ペースは上がることなく一定で登り続ける。

途中で2回、集団の真ん中の中盤より後方の位置で落車が起きる。

両方ともバルディアーニが絡んでいた落車だった。

バルディアーニが原因かどうかは分からないが、無理して集団の中を位置取っているからふら付いたりして落車を起こす。

こけた側は自業自得だからいいが巻き込まれた側はいい迷惑だろう。

足止めを食らった側もいい迷惑である。

落車を起こすぐらいであれば集団の後ろで付いて行けばいい。

集団の後ろで付いて行けるか心配なぐらいしんどいのであれば残りの距離も少ないし、さっさと千切れればいい。

余裕が無いから必死になり過ぎて落車を起こすのだろう。

特にバルディアーニに関してはいつもうるさい。

少し前に入ったりしただけですぐに文句を言ってくる。

ワールドツアーチームはよっぽどでない限り文句を言うようなことは無い(無言の圧力はあるが……)。

チームのガラなのか余裕が無いからなのか知らないが、もう少し優雅に走って欲しいところである。

結局そこの登りでグルペットが出来ることは無く。

1度下って平坦を挟んだ後のラスト20kmを切ったところから始まる登りが始まった「瞬間」に大人数のグルペットが出来てそこでユックリ休みながらゴールした。

グルペットの雰囲気はかなりマッタリしていて、各選手が談笑しながら走り、ランプレのロベルト・フェラーリは登りの途中で「足が攣った!」とか言ってふざけていた。

山岳ポイントでは1回目のポイントでビソルティが1位通過し3位に浮上、集団ではクネゴがトップ通過の4位で山岳リーダージャージをキープした。

 

 

感想

 

ジロの最初の1週間で一番警戒していた山岳ステージであったが終わってみれば、余裕という感じだった。

実際なんの勝負にも絡んでいないし付いて行くだけだった上に最後はグルペットだったので楽なのは当然かもしれないが、かなり緊張感を持ってスタートしただけに一安心という感じではあった。

調子は今年1番と言っても良いぐらいに上がって来ているのでかなりいい感じである。

この調子を崩さないように、また調子がいいからと言って調子に乗らないように引き続き気を付けたい。

それに平坦だと思っていても昨日の様にかなりハードなステージの場合もあるので1日1日きを引き締めて集中してレースに挑みたい。

 

 

キツさレベル

楽だった。

かなり身構えていただけに反動で余計に楽に感じたのかもしれない。

レース展開的にもハードで無かったというのも要因ではあると思う。

ちなみに獲得標高は3300mさすが山岳ステージという事で『平坦ステージの昨日より500mも』多く登った。

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2016年5月12日 (木)

ジロ・デ・イタリア 5日目

ジロ・デ・イタリア 5日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月11日

距離:233.0km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:49

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日の自分への指示はジュリアーニから一言「トランクイーロ(ユックリ)

 

 

レースレポート

 

自分だけ少し遅れてスタートラインに並びに行くと、NIPPOの選手が最前列を陣取っていた。

「クネゴがジャージを持ってるから前方に固まっているのかな」と思い自分もその側に並ぶ。

パレード開始。

今日のパレードは2kmと少しと短め。

「ユックリという指示だし前に居なくていいかな」と思い後ろに下がって行く。

パレードが終わりレース開始。

アタックしている選手が見えたが少しして集団が一定のペースになる。

「逃げが決まった感じでは無いな」と思いつつ、だいたいどういう感じか想像は付いていたが集団前方を見て見る。

オレンジ色のジャージが集団の先頭に居る。

「やっぱりね!」と思い急いで集団の先頭まで上がる。

クネゴ以外の選手が集団の先頭でローテーションしている。

ジリオーリに「逃げは行っているのか?」と聞くと「逃げは決まっていない」と教えてくれる。

なるほど、山岳ポイントまで集団をコントロールすることで逃げを決めさせず、クネゴが山岳ポイントを1位通過することで今日もジャージをキープするという事だな。

と理解する。

今日は意図がハッキリしているし、かなり意味のある仕事になる。

ローテーションに入るとボーレの指示でローテーションに入る選手がセレクションされていく。

グロスは昨日に逃げているし今日は集団スプリントの可能性が高いという事もあるのだろう、回らなくていいと言われる。

ジリオーリとビソルティも回らなくていいと言われる。

結果的に自分、スタキオッティ、フィロージ、ベルラートの若手軍団とボーレ。

ボーレがなんとなく先生っぽい感じ。

ボーレは見た目がかなり、かなり厳ついが頼りになるし指示も的確。

グレガ・ボーレ先生。

ペースはそこまで上げずある程度という感じで先頭を長めに引いて交代していく。

フィロージが先頭に出る。

結構早くに交代する。

自分の後ろからスタキオッティーが「おい!もっと引け!」と怒る。

しょうがなくという感じでフィロージが再び先頭で牽引を続ける。

その後ローテーションをしばらく続ける。

他のチームもNIPPOが山岳ポイントまで集団をコントロールすると分かっているようでアタックは一切してこない。

そのまま25km地点まで行きラスト10km。

後ろから他のチームが後ろから上がって来てNIPPOの列車の少し後ろに並んでくる。

先頭に出ると左右の後ろから他のチームが上がって来ている気配をすごく感じ、プレッシャーが凄い。

そのせいで気が付かない内に踏み過ぎていたようで後ろのスタキオッティから「踏み過ぎている」と指摘される。

その後少しの平坦と下りを挟む。

その間もペースをかなり上げることでNIPPOが集団先頭を死守。

下りの途中で左に曲がり山岳ポイントまでラスト2kmの看板を通過。

ベルラートが先頭で自分が2番手で曲がったのだが自分がコーナリングに失敗しグレガ(ボーレ)が自分のインから前に出た。

一瞬グレガが飛び出したような状態になり、すぐに後ろからジリオーリとビソルティのクライマー2人がクネゴを後ろに付けてグレガに追いつく。

そしてそのまま山岳ポイントに向けて発射。

自分の仕事は終了でペースを落として登る。

山岳ポイントを狙っている選手を先頭にした集団が勢いよう自分を抜いて行く。

集団の先頭はグレガを先頭にNIPPOが4人いて少し開いて数名の集団が追いかける状態。

その後ろに若干バラけつつも集団が続いて行く。

その後、無事にクネゴが山岳ポイントを1位で通過。

さすがクネゴ、決めるときはかなり格好良く決める。

自分はイーブンペースで登り出し、いずれ来るであろう「登りはどうでもいいから、下りで追いつきたい選手が固まっている集団」を待つ。

山頂までラスト500m辺りのころでそういう雰囲気の集団に合流し下りに入る。

下りがかなり速い。

しかし、昨日下りで千切れた事を反省して、2回目の山岳ポイントの後の下りで練習して根性を叩き直したこともあり付いて行ける。

「前がスリップしない限りは自分がスリップすることは無い」精神で前の選手に全力で付いて行く。

そのおかげで下りの途中で逃げが決まってペースが落ちたメイン集団に追いついた。

そこからは集団の中盤辺りで場所をキープしながら進む。

「今日のレースは距離が長いけどここより後に山岳ポイントは無かったはず。登りが有っても緩めだろうし楽勝かな?仕事もしたし、クネゴは1位通過したし良い1日だ」と思いながら平坦区間を走る。

途中でグレガから「捕食は食べているか?今日は長いからしっかり食べろよ!でも食べ過ぎるな。今日は俺と一緒に居ろ」と言われる。

「レースの後半で千切れてグルペットに入るのか?」と聞くと「様子を見ながらだな、今の様にユックリであれば付いて行くし、ペースが上がってキツ過ぎれば離れる。あと、落車で集団が止まっても無理に追いつかず遅れる。レースはまだまだ長いから前半の期間は無理せず疲れを溜めないようにして後半に備える。俺は最終週で勝負する」と言ってくれる。

そこからはグレガと一緒に走る。

途中でグロスから「調子は?」と聞かれ「まぁまぁ良い」と答えると「俺は良くない、足がクソッたれだ」と言っていたので「今日はスプリントするのか?」と聞く。

「出きればするが……」と微妙な感じ。

昨日の芋掘り(逃げを追いかけてアタックするも追いつてずに宙ぶらりんの状態になる事)が相当効いているのだろう。

その後、異変が起き始めるのは補給ポイントを過ぎた100km過ぎの辺りから。

ちなみに補給は無事に受け取った。

思っていたより結構登る。

ペースは速くないが地味に足に来る。

「これ以上ペースが上がると不味いな、でもまだまだ距離があるし遅れる訳にはいかない」と思っていると登りが終わる。

下りに入りかなり速いペースで進んで行ったが今回も無事に付いて行けた。

下りの途中で集中し過ぎて変な顔になっている事に気付く。

唇がとんがって付き出している。

頭に青いバンダナを巻いたお祭りとかで売っている仮面を思い出すが名前が浮かばない。

しばらくかなり悩んだが結局名前が分からず諦める。

下り切ってから「なんかヤバいぞ……結構キツイ」と思ってグレガに「調子はどう?」と聞くと「俺は死んでいる」と笑いながら答えてくれる。

笑ってはいるがかなりキツいのだろう。

自分だけがキツイわけではないと分かり安心するが、キツイことには変わりが無く中々マズイ。

137kmからの登りが始まる。

2車線の高速道路のような道で延々と地味に登り続ける。

キツイ。

速くは無いが確実に疲れるペースで登り続け足にダメージが溜まり続ける。

千切れはしないけど千切れたい、前半にローテーションした疲労が今になって効いて来ている。

そう思いながら苦しんでいるとスタキオッティがほぼ最後尾の自分の横を下がって行く。

耐えきれなかったようだ。

しばらくして無線から「スタキオっ頑張れ!そこにいれば大丈夫だ!速くない!登りをそこで越えれば集団に戻れるぞ!」というジュリアーニの応援が聞こえてくる。

そこがどこかは分からないが後ろに遅れている集団があるようだ。

自分はまだ耐えれる状態だったのでそのまま耐え続けると登りが終わって平坦区間に入る。ジリオーリがBMCの選手からコースの高低表を見せてもらっていたので自分も頼んで見せてもらう。

179km、そこを越えれば下りに入る。

現在154kmであと25km。

30分辺りだろうか?それだけ耐えれば下りに入るし、もし千切れたとしても確実に完走できる。

まずはそこを目標に頑張ることにする。

その後の軽い登りでボトルを貰うために無線でチームカーを呼ぶ。

「今は登っているから少し待て」という指示が出る。

すると横に居たグレガが「何が欲しいんだ?俺が取って来てやる」と言い、無線でチームカーに「俺が下がるから上がって来てくれ」と言って他の選手の欲しい物のオーダーも聞いてチームカーに取りに行ってくれた。

その登りを越えて166kmから始まる登りへ。

無線からも「これが最後登りだから頑張れ」という指示が出る。

この登りが終われば後は平坦と下りしかない。

もしここで千切れるとグルペットで下りと平坦区間を走ることになる。

しかし、今日はスプリンター向きの平坦ゴール。

グルペットに入ったスプリンター達はゴールスプリントをするために何としても集団に追いつこうとするだろう。

そうなれば爆速で下るに違いない。

ハッキリ言ってそこに付いて行く自信はまだない。

という事はここでもしグルペットが出来てそこに入ってしまうと下りで確実に千切れて1人になってしまう可能性が高い。

登りの終わりは170km過ぎだが、ゴールまでは更に50kmもある。

1人で50kmはゴールできるか微妙。

多少無理してでも集団に残った方が賢明。

少しでもアドバンテージを持って登る為に集団がユックリ登っている間に一気に集団の先頭近くまで上がって登る。

千切れても大丈夫という余裕がある場合は集団後方で登っても良いが千切れたら不味い場合は少しでも前で登りだした方が良い。

集団の先頭がかなり近い位置で登り出しそのままの位置をキープして登り続けた。

幸いな事にここでは集団のペースがそこまで上がらなかった為に比較的楽に登りきることが出来た。

その後1回軽く登ってから下りに入る。

ゴールまで50kmを切って来たという事もありかなり速い。

コーナーも連続し難易度で言えば今日で1番。

前から遅れないことだけに集中し全力で下る。

集団に付いたまま下ることに成功!

「下りのテクニックを身に付けた!」と思って集団の前方を見ると人数がかなり減っている。

「たしか集団の結構な後方から下り出したはずなのに……」と思って目を凝らすと遠くにもう1つ集団があるのが見えた。

下りで集団が分裂していた。

自分達の集団にも相当な人数がおり、前に追いつかなければいけない選手が全力で追いかけてくれたおかげで前に追いつくことができ、集団が一つになる。

ラスト35kmのゲートを越える。

無線から逃げとのタイム差の情報が入って来る。

1分を切っている。

今日は集団スプリントだろう。

そこから若干のアップダウンを含む平坦区間を集団が高速で進む。

道が細いこともあり棒状1列。

集団の最後尾でグレガの後ろに付いて走る。

ボトルの水を飲んでいるとラスト25kmのゲートが現れる。

ゲートを過ぎる際に集団にブレーキがかかり、自分もボトルを加えたまま急いでブレーキする。

「ヒョットコ!」ここで変な仮面の名前をいきなり思い出した。

その後20kmを過ぎる。

グレガの後ろで千切れるタイミングを待つだけかな?と思っていると無線から「前に上がれ」という指示が出る。

「マジで!?」と思いながらクネゴの側まで前に上がる。

クネゴに「側にいればいいか?」と聞くと「ここで良い」という事でそのまま走る。

集団はペースを上げてラスト10kmを過ぎる。

ここから3km先で1度ゴールを通過し、その後もう1度ここを通ってゴールする。

ここまで来れば千切れても良いが付いて行けるなら付いて行けばいいだろう、無理は禁物だが。

集団に付いて行くと石畳が現れる。

1回目の石畳を耐え、ゴール地点前の石畳で10人ほど前の選手が集団に付いて行けず遅れる。

それを抜かして集団に追いつこうと頑張る選手もいたが自分は「もういい」と無理をせずにその遅れた集団でゴールした。

 

 

感想

 

イタリアに来てからかなり調子が上がって来ている。

調子が上がってはいるがレースはまだまだ続くので調子に乗らないように、無理しないように気を付けながら走るようにしたい。

調子がいい時ほど注意深くなる必要がある。

前半はクネゴの山岳ポイントの為にローテーションで集団をコントロールしたが、かなりいい経験になった。

あまりそういう経験は出来ないので今日の経験は大切にしたい。

レースが終わってからFDJの選手に「良いレースだったか?」と嫌味でなく普通に聞かれ、「1回目の山岳が終わってからはもっと平坦なコースだと思っていた」と話した。

アルノー・デマールだった。

 

 

 

キツさレベル

かなりキツかった。

しかし出し切った訳ではないのでまだ頑張れる。

千切れたいけど千切れられないという微妙なしんどさに苦しみ続けた日だった。

今日のコースは平坦コースという分類だったにもかかわらず、獲得標高は3000m近かった、とんだ詐欺である。

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2016年5月11日 (水)

ジロ・デ・イタリア 4日目

ジロ・デ・イタリア 4日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月10日

距離:200.0km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:43

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

「今日は誰かが逃げに入れ!」という指示が出る。

自分に対しても「ゴー!」と言われたらアタックに行けという指示が出る。

 

 

レースレポート

 

今日は自分も逃げれれば逃げていいという事でやる気十分でスタートラインに並ぶ。

前から5、6列目くらいの位置からパレードスタート。

「ゴー!」と言われれば行けとは言われたもののいつ言われるか分からない。

チーム内でも逃げたい選手が多いはずなので言われない可能性もある。

しかもアタック合戦が長期化すれば自分が逃げに乗るはかなり厳しくなる。

アタックの回数も何回も行ってしまうとゴールするための足を残せなくなる。

狙い目は2日目3日目にベルラートがやったような「スタート直後の飛び出しでの逃げ」か、その飛び出しが捕まってからのカウンター。

とにかくスタートと共に動けるようにパレード中に前から2列目まで上がる。

自分がいる集団の左端と逆側の先頭付近にベルラートがいる。

今日も行く気だろう。

0kmを過ぎてレーススタート。

アタックがかかりベルラートが反応する。

そして集団が「伸びた」

今日はスタートアタックが決まらなかった。

アタックに反応できるように集団の前方を維持しながら様子を見る。

クネゴもジリオーリも上がって来ている。

それぞれが逃げる為にアタックに反応するので、誰も反応していないアタックを見つけるのが大変。

反応していないアタックに誰かが反応する前に反応して飛び出すが簡単に決まらない。

3回くらいアタックに反応してみたが決まらなかった。

「あと反応できて1、2回かな?それ以上やると頭に血が上ってやめ時が無くなるな」と思っていると登りが始まる。

こんな登りコースマップにあったっけ?と一瞬思ったが、最初に若干の登りがあった事を思い出した。

逃げが決まっていないことでペースが上がる。

アタックに行ったこともありキツイ。

まずここではアタックできない。

アタックしようものなら吸収された際に集団の最後尾送りになる。

ダメージを押さえて登りきる為に集団内の位置を若干下げながら登る。

登りはそこまで長くなくしばらくして下りに入る。

ハイスピードで下っているため前には上がれず。

集団中盤から後半あたりで下る。

平坦区間に入った際に逃げが決まっていなければ再びアタックに反応してみよう。と考える。

下りが緩くなったところで集団が横に広がりペースが落ちる。

いつの間にか逃げが決まっていたようだった。

逃げが決まったのならあとはクネゴかボーレの側で今日も待機かな?と思っていると無線で会話が始まる。

音質も良くなくイタリア語もそこまで分からないので詳しくは分からないが、雲行きが怪しい。

なんとなくわかるが聞き間違いか勘違いであって欲しい。

願いが通じず「集団の先頭に出て追いかけろ」という指示が出る。

一応クネゴに確認すると「前に上がるぞ……」という事で追走開始。

20km手前の地点からタイム差3分でNIPPOのみのローテーションが始まる。

無線からの指示を聞いていると、逃げとのタイム差を詰めたところでグロスを発射して逃げに乗せるとのこと。

グロスとエースのクネゴ以外の7人でローテーションを回す。

全力ではないが確実に前とのタイム差を詰めていくためにチームタイムトライアルのような感じで追いかける。

そのおかげでタイム差は徐々に詰まっていく。

ローテーションをしながらいろいろ思うことが有る。

「今日がイタリア初日だから大切という事は分かるが、2日目、3日目とベルラートが逃げていた訳なのだからわざわざ決まった逃げを追いかけなくても……」とか、

「逃げが決まって休めると思ったのに追いかけるとか、逃げに選手を送り込めなかった事に対する罰ゲームみたい……」とか、

「結構高い負荷でローテーションを回しているけど後半の山岳大丈夫だろうか……?」とか、

「ワールドツアーチームから絶対に『余計なことしやがって』って思われてるよな」とか

「っていうか、こうやってローテーションしている姿って時間帯的にテレビに映らないよな……」とか

とにかくマイナスなことが頭に浮かぶ。

しかしそんなことで文句を言える立場では無い。

「前を追え」という指示が出た以上は「もういい」という指示が出るか、前に追いつくまでは追いかけ続けるのである。

他の選手のペースを落とさないように気を付けながら、かつ力を使い過ぎないように気を付けてローテーションをする。

ローテーションをしている感じだとフィロージがサボっている。

去年の北海道でもサボっていた。

皆フィロージがそういう性格だと分かっているようで文句は言わないが、フィロージが変わった瞬間に一気にペースが上がる。

無線からは逃げとのタイム差が聞こえてくる。

確実に縮まっていっている。

その内追いつくだろう。

他にも「チームタイムトライアルだ!頑張れ!」等と聞こえてくる。

「今年のジロはチームタイムトライアル無いはずだったのにな……」と思いながらローテーションを続けていると、とうとうタイム差が1分を切り、逃げの姿が視認出来るようになる。

そこから更にタイム差を詰めていく。

30秒程。

NIPPOの列車の後ろにいたクイックステップの選手が「どこまでタイム差詰めるんだよ、早く発射しろよ!」と言っている。

そのすぐあとにグレガがグロスを後ろに付けて集団から発射。

その後にグロスがボーレの後ろから発射して逃げを追いかけ出す。

グロスが発射した後に集団が再び活性化するが逃げは捕まらずそのまま行った

そしてそこからアタック合戦がまた始まる。

しばらくしてグロスが飛び出したままで集団が落ち着いた。

60kmを過ぎていた。

そして再び無線からヤバそうな内容が聞こえてくる。

近くに居たフィロージに「グロスにげに入ってないの?」と確認する。

「宙ぶらりんの状態でジュリアーニが怒ってる」と言いながら「やべーな」という顔をしている。

そして無線では監督と選手の口論が始まっている。

監督のジュリアーニがかなり怒っている。

そしてとうとう「前に出ろ!」という指示が出る。

「マジで?」と思っていながらクネゴの側にいると「他の選手と一緒に前に上がってくれ……」とクネゴに申し訳なさそうに言われる。

「マジか……」と思いながら他のNIPPOの若手が待つ集団の先頭に上がって行く。

アスタナの横を過ぎる時に「またあいつら始めんの?」と言っている声が聞こえる。

「そうです監督がオコなんです」と思いながら前に上がって行く。

前に出てローテーションを始めるが前回に比べて圧倒的にユックリ。

仕方が無くやっているという感じ。

そして自分の番が回ってくる前に「もういい」という指示が出る。

ジリオーリが「下がるぞ」と言って下がって行く。

後ろにいたクイックステップに「何がしたいんだよ!」と言われ、下がって行く最中にティンコフから「もういいのか?グッジョブ」とからかわれる。

いろいろな事態が終息しやっと集団の後方で休みだす。

他のNIPPOの選手とも話をするが一様に「疲れた」と言っていた。

その後ボトルを1回運んで引き続き休憩。

途中で真っ暗なトンネルを通過する。

その最中に「オォー」という低い雄たけびと共にブレーキがかかる。

「落車か?」と思ったがどうやら違うらしい。

暗いトンネルの両サイドの地面に松明のようなものが置かれていた。

「これが原因か」と思いながら横を通過すると暖かい。

何か別な方法は無かったのだろうか?

その後も地面への設置型松明は2回ぐらい現れ、そのたびに暗いトンネル内でブレーキがかかり中々危険だった。

ちなみに今日は足の調子が良さそう、しかしローテーションしているので結構疲れている。

この後120kmと145km地点から登りが始まるが、どこまで付いて行けるだろうか?

レースの感じ的に120kmからの登りではペースが上がらないだろうし、もし上がっても死ぬ気で付いて行かないとゴールできなくなる。

逆に145kmからの登りはペースが上がる可能性が高いが、そこまで行ければあえて遅れる選手もいるだろうし遅れてもゴールできると思う。

考えてもしょうがないが、120kmからの登りは絶対に集団に付いて行かないといけない。

そして120kmからの登りが始まる。

速くない。

集団の先頭を見てもそこまで踏んでいないし集団の雰囲気も穏やか。

しかし道が細く急なコーナーが連続する箇所もあり、集団の後方は詰まって止まりかけることが多くペースが安定しない。

一定のペースで登りたいので集団最後尾から若干遅れて登る。

こうすれば前が詰まってもある程度であればブレーキせずに走れるのでストレスと無駄な足を使わずに済む。

登りの頂上が近づいてくる。

大丈夫だろうとは思うがペースアップした際に遅れないように山頂までラスト1kmの辺りで前に上がる。

やはりペースは上がらず、クネゴの側で山頂通過。

その後下って平坦区間に入る。

140km辺りで「次の登りに備えて前に上がるように」と無線で指示が出る。

ほとんどの選手が登りに集団前方で入りたいために、先頭付近の位置取りはかなり激しい。

集団の左端から上がろうとするが中々上手く行かない。

集団の中盤より後ろといった位置で登りが始まる。

予想通りのペースアップ。

結構きついが耐えることが出来ないペースでは無い。

割り切って遅れ始める選手も出てくる。

耐えつつ登っているとボーレと並んだ際に「無理して集団に付くな。後ろに遅れている集団もあるからキツければペースを落とせ」と言われる。

明日以降のレースに備える為にもその後に遅れだした選手と一緒に遅れることにした。

途中でそこにボーレも合流。

ボーレはアムステルで顔面落車してしまい、1週間以上練習が出来ていなかったせいで調子がまだ上がっていない。

その為、ジロの前半は休みつつ走って調子を上げて行くつもりなのだろう。

その後下りで失敗しその集団から遅れる。

チームカーに抜かれ、その際に「後ろにグロスがいるグルペットがあるからそこに合流して流して帰って来るように」と言わる。

ペースを落として後ろを待ちつつ下り、下りの途中で合流する。

そこに自分と同じく前から遅れて来たボーレが合流。

グロスより先に遅れていたスタキオッティが後ろから合流。

「パンクしやがった」と言いながらフィロージがいつの間にか出現。

フィロージは良く変な所を走ったり、わざと後輪をロックしたりしているのでそれが原因だろう。

そしてそのままの集団でゴールした。

メイン集団ではクネゴが2回目の山岳ポイントを1位で通過し、山岳リーダージャージを獲得した。

 

 

感想

 

後半の山だけ気にしていればいいと思っていたらとんだ1日になった。

調子が良かったことも幸いしそこまでダメージがあるようには感じていないが、まだまだ先は長いのでしっかりと休んで後半でバテ無いように気を付けたい。

レースが終わってからボーレが「ジロは3週間もあるのだからここで無理をしては最終日まで残れない。今は無理をせず確実にゴールできる集団で休みながら走らなければいけない」と言ってくれたので明日以降は無理をし過ぎないようにしたい。

今日の様に仕事をしなければいけない場面が出てくるのでその時の為に無駄な力を使わずに確実に1日1日をクリアしていきたい。

 

 

キツさレベル

.

ジワジワとくる疲労感が有ったという感じだった。

追い込み切る前にあえて千切れたため登りもそこまでしんどいということも無く、終盤のアップダウンもグルペットでユックリ走ることが出来たので後半に関してはそこまでしんどくは無かったが、心拍のデータ的には結構追い込んでいる個所もあったので疲労に気を付けたい。

前半で負ったダメージは結構あるはずなのでしっかり休んで回復させるようにしたい。

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2016年5月 9日 (月)

ジロ・デ・イタリア 3日目

ジロ・デ・イタリア 3日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:オランダ

日程:5月8日

距離:190.0km

天候:晴れ

起床時体重:?

起床時心拍:52

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

レース前のミーティング

 

ミーティングにて「今日もクネゴかボーレの側にいればいい」という指示が出る。

 

 

レースレポート

 

今日はスタートラインに早めに並べに行けため結構前方でパレード開始。

「今日もスタート直後に逃げが決まる可能性が高いな」と思いながら走る。

「もしそうなら逃げたいな……」と指示と違う考えが頭に浮かぶ。

「明日は休息日だし、今日は平坦コースでタイムアウトになる可能性もないし……」と考える。

「流れでアタックに行ったら逃げに入っちゃいました!って言えば許されるかな……?」と考えは続く。

しかし、最終的に「でもやっぱり指示を無視して暴走するのは良くないな……」と考え暴走しない為にも位置を下げてアタックに行けないようにする。

集団後方に居たクネゴの側で走りながらパレードが終わりレースが始まる。

開始直後に集団の先頭を見ているとすぐに4人が飛び出し集団はペースを落として逃げを決めさせる。

どのチームが行ったかは確認できなかった。

しばらくしてクネゴに「逃げは4人?」と確認する。

すると「今日もベルラートが行ってる。毎日行ってるな!」と嬉しそう。

ベルラートはチーム内でも1番若い選手だがクネゴと仲が良く、今回のレースでもクネゴと同部屋、ベルラートが行っているのでクネゴも上機嫌。

昨日と違い今日はすぐに8分差が開きそこからペースをコントロールする展開になる。

昨日よりも速いペースで集団が進む。

逃げが4人という事で逃げのペースも速いのだろう。

逃げてるチームはLOTTO JUMBO、ディメンションデータ、ベルラート、サウスイースト。

レース後にベルラートから聞いたがLOTTOの選手は昨日と同じだったらしい。

地元オランダで見せ場を作りたいLOTTO、ワールドツアー1年目でアピールしたいディメンションデータ、プロコンとして目立ちたいNIPPOとサウスイーストといった感じだろう。

その後しばらく走りボトルが1本空になる。

「ボトルを取りに行くタイミングかな」と思いクネゴに確認しようと横に並びに行く。

丁度並びに行ったタイミングでクネゴが無線でフィロージに「ボトルを取りに行ってくれ」と頼む。

そして自分に「フィロージが行くから大丈夫」と言ってくれる。

(何も言っていないのに考えが読まれている……)

その後はクネゴやボーレの側で待機しながら走る。

道の感じは昨日と同じく急に狭くなったり急ブレーキがかかったりで危険。

しかし、昨日より速く集団が進んでいる分集団が伸びているので昨日よりは危険度合がマシな感じ。

第1チームカーのジュリアーニがベルラートの為に逃げ集団まで上がって行った為、集団への無線での指示は第2チームカーのマンゾーニが行う。

昨日と同じく、「あと何kmで道が狭くなる」とか「次のコーナーを曲がったら風向きがどうなる」とかといった感じ。

「今がすでに道が細いけど!」とか「今、追い風なのにコーナーを曲がっても追い風!?」とかと選手が言い返して無線で会話しているが、その後の説明に関しては理解できない。

とにかくクネゴかボーレの側にいれば問題ないだろう。

またボトルが空になったところで無線から「あと少しで補給所」と言われる。

そして補給所。

いろいろ上手く行かず受け取れず。

上手く受け取れなかった選手がチームカーにサコッシュを取りに下がって行っていたので自分も下がることに。

クネゴに「サコッシュを取れなかったから車に取りに下がる」と伝えるとクネゴが無線でチームカーにそのことを伝えてくれる。

後ろに下がってチームカーを呼んでいる段階で何が必要か無線で聞かれる。

水とスポーツドリンクとライスケーキ、と伝える。

チームカーがやって来て伝えたものと、食べ物とボトルを1本余分に受け取って集団に戻る。

自分と同じくサコッシュを取り損ねたビソルティにボトルと食べ物を受け渡す。

その後も集団内でクネゴかボーレ、そして時々ジリオーリの側で走る。

そして100km過ぎの地点から集団のペースが上がりだす。

無線から「横風が始まるから前に上がれ!」という指示が出る。

NIPPOの他の選手の動きを見ながら一緒に動こうとするがあまり前に上がる感じでは無い。

昨日と同じでそこまで風が吹かないのかな?と思っていると横風開始。

結構強めの横風。

集団が縦に伸びて後ろを千切りにかかっている。

自分はフィロージの何人か後ろで付いて行く。

結構な時間踏み続ける。

このペースだと前から遅れることは無いな、と思い少し安心する。

しばらくしてペースが落ちるが、どう考えても集団がペースダウンするようなタイミングではない。

前の方を見るとやはり集団が分裂している。

トップのグループから遅れた選手達が複数の集団を作っているが、自分たちの集団は最後尾。

ひとつ前の集団にNIPPOの選手が大量にいる。

前を追いかけるローテーションに加わってとりあえずNIPPOが大量にいる集団に追いつく。

その時点でワールドツアーチームの選手が結構な人数含まれる大きな集団になる。

ここにいれば前に追いつけるだろうし、遅れたとしてもDNFにはならないだろう。

集団の後方に下がって付いて行くだけにする。

絶対に追いつかなければいけない選手が前を引いてくれるおかげで前の集団との差が詰まっていく。

トップ集団は団子状で進むため、コーナーや中央分離帯で減速する。

しかし追いかける集団は1列棒状なので上手く流れて進んでいく。

そのおかげで前に追いつく。

が、追いついた直後に集団で落車が発生。

狭い区間で発生したため道が完全に塞がり一旦止まる。

落車した選手が左右に避けたのか、道の真ん中を少しずつ選手が抜けていく。

自分もその流れに乗り集団復帰を開始する。

再び前を追いかける集団が形成される。

自分の前にはカンチェラーラ。

この集団にいれば確実に集団に復帰できると確信する。

やはりトップ集団に追いつく。

前にはほとんど出なかったが前を追いかける為のペースアップで中々疲れた。

気が付けば130km。

そこからしばらくして山岳ポイントを通過。

若干ペースが上がったがそこまでキツクは無い。

そもそもここで苦しんでいたらイタリアに入ってからの山岳が苦しいどころじゃ済まなくなる。

その後しばらくアップダウンが続く。

集団のほぼ最後尾にいるボーレの後ろに付いて行く。

無線からは最後の周回コースに入るまでのカウントダウンが時々聞こえる。

そしてラスト10kmの看板を確認したことで周回コースに入った事が分かる。

周回コースは14km程。

ゴールラインまで走った感じでは基本的に直線的ではあるが直角コーナーやその後に急に道が狭くなったり、普通の直線でも急に道が狭くなったりと、中央分離帯が少ないだけで今まで通りのオランダの道。

ラスト3kmを切ってからは2か所程危険な場所が有ったので落車が発生する可能性もある。

場合によっては無理せず千切れても良いかもしれないと思いながらボーレに付いて行く。

2周目のラスト5kmを越えたあたりのコーナー連続区間で集団が加速して縦に伸びる。

とにかくボーレから遅れないことだけに集中して付いて行く。

川を渡る大きな橋のところで横風と共に集団の後方がまとめて遅れる。

ボーレも無理して前に追いつこうという感じでもなかったので自分もその集団にいる事にする。

アシストを終えた選手を含む大きめの集団でグルペットを作って走り、ラスト1周に入って少ししたところで落車により遅れたグロスとスタキオッティとフィロージもそこに合流。

そのまま無事にゴールした。

 

 

感想

 

今日も昨日と変わらず集団ステイの1日だった。

昨日違い横風の分断が発生し集団も速かったがほとんど先頭に出ていないのでそこまでしんどくは無かった。

山岳ポイントの登りも、結構踏んでいるなぁという感じではあったが千切れそうな気配は全くなかった。

周回コースにはいってからは遅れてしまったが、総合順位を狙っている訳ではないので無理して足を使って落車の危険がある先頭に付いて行くよりも、確実に楽にゴールできる後方集団にいた方が良いだろうという判断だったので別に良かったと思う。

 

 

キツさレベル

昨日と変わらず集団後方で付いて行くだけだったので基本的にはキツク無かったが、横風の分断の際に前に追いつく為に結構踏んだので若干疲れたという感じ。

レース終盤も無理せずグルペットに居たのでしんどく無かった。

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2016年5月 8日 (日)

ジロ・デ・イタリア 2日目

ジロ・デ・イタリア 2日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:オランダ

日程:5月7日

距離:190.0km

天候:晴れ

起床時体重:61.

起床時心拍:43

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

レース前のミーティング

 

監督のジュリアーニに今日はどうしたら良いか確認しに行く。

「今日はアタックに行かなくていい。ジロはまだまだ長いし今日はみんな元気だから激しくなる可能性もある。最終日まで完走しなければいけないからここで力を使っては完走できない。もし、『アタックに行く』という事になれば無線で指示するからその時だけ動けばいい。今日は基本的にみんなの側で待機していればいい。」

という話だった。

 

 

レースレポート

 

6km弱のパレードを挟んでレース開始。

開始直後に本当に一瞬ペースが上がったがすぐに落ちる。

集団先頭を見ると横に広がっているのでアタックが決まったのかもしれないが逃げている選手の姿が見えない。

凄い勢いで逃げを決めたのだろうか?

しばらくしてジリオーリの近くに行って「逃げが決まったのか?」と聞いてみる。

「ベルラートが乗っている」と教えてくれた。

その後無線でベルラート、LOTTOJUMBO、ディメンションデータの3人が逃げているという情報が入る。

逃げとのタイム差はすぐに5分開きその後6分半近くまで開いた。

集団のペースはかなりゆったりとしており今は楽で良い感じ。

しかし後が怖くもある。

タイム差を大きく開ければ開けるほどその後のペースアップが半端無いことになる。

今日は横風区間があるという情報もあるので小さくて軽いジャポネーゼ的には要注意である。

しかし逃げが3人という事で比較的簡単にタイム差を詰めることが出来る可能性もある。

その場合はペースアップの度合いがまだマシになるだろう。

近くに居たグロスに今日はどんな感じのレースになると思うか聞いてみる。

「恐らくずっとこんな感じで進むんじゃないか?」と言っていた。

その後タイム差が徐々に開いて行き最大8分半ほどまで開いた。

自分は基本的に集団の後方で他のメンバーと固まって走っていた。

コースの沿道にはかなりの人数の観客の人たちがビッシリと並んで観戦している。

1回しか通らないにも関わらずよくこれだけの人数の観客が集まるものだと感じる。

ロータリーにもビッシリと観客の人たちが立っているせいでロータリーの出口の方向が分からず若干怖い。

無線からも時々指示が入る。

主に「あと何kmで道が細くなる」とか「何km先のコーナーで横風になる」とかである。

基本的には集団後半で固まっており、あまり前に上がることは無い。

コースに関しては、かなり頻繁に中央分離帯が現れて危険。

更にコーナー直後に道が急に狭くなったり、何でもない直線区間でイキナリ狭くなったりしてかなり危険。

とにかく危険。

急ブレーキもかなりの頻度で発生する。

しかし急ブレーキはあっても落車が起きないところがさすがワールドツアークラスのレースという感じ。

無線から「あと少しで横風が始まるぞ!気を付けろ!前に上がれ!」

と横風区間への距離のカウントダウンと共に何度も聞こえてくる。

全員で固まって徐々に前に上がって行く。

そしてとうとう横風区間に入る。

が、そこまで横風が強くない。

オランダの横風という事で相当警戒していたが今日は風が弱いようでペースも上がらず。

しばらくしてクネゴに「今日は風が強くないよね?」と聞く。

「今日は風に関しては大きな問題がある日では無いな」と答えてくれた。

今日はチームのメンバーが代わる代わるチームカーにボトルを取りに行っている。

自分はタイミングを逃し取りに行けていない。

「仕事しないとなぁ」と思いクネゴに「水を取りに行こうか?」と聞く。

「あと5kmで補給所だから今は行かなくていい」と言われ、補給所で受け取りやすいように集団最後尾に一旦下がる。

その後補給所でサコッシュ(補給食やボトルの入った袋)を受け取る。

そこからは結構バラバラに走っているチームのメンバーの誰かの近くで走る。

主にクネゴかボーレ。

130km地点辺りから集団のペースが少し上がり本格的に逃げの吸収に向かう。

逃げ捕まらないまま150km辺りにある山岳ポイントを通過したためそこまでペースが上がらずに登りを通過。

無線から、グロスとスタキオッティがスプリントするようにという指示が出る。

自分にはアシストしろという指示は無かったため今日は集団でゴールすることに集中する。

最後の街中を周回するコースに入ってすぐのところでとうとう落車が発生。

道が急に細くなったところで集団が詰まりこけた様子。

自分の前方左側で結構な人数が巻き込まれている。

自分の前の選手が急ブレーキで後輪を滑らせておかしな動きをしている。

タイヤは滑らせるよりも滑る直前の状態の方がグリップするため速く止まれる。

詳しくは動摩擦力と静止摩擦力で調べてもらうと分かると思う。

ロックしないギリギリでブレーキを調整する。

「もしかしたら突っ込んでこけるかも」と思ったところでギリギリ止まれて落車回避。

とりあえず後ろから突っ込まれない為にも右側から抜けて再スタート。

NIPPOの誰かが巻き込まれていたがクネゴは自分の側にいたので大丈夫。

無線から指示があれば止まって待とうと思いながら、遅れた分を取り返すために集団に追いつく為にもがく。

結局無線からは「待て」という指示は無かった。

そこからは周回コースに入る。

周回コースに入った時点で逃げとのタイム差40秒。

集団が一旦ペースを落とす。

そのまましばらくタイム差40秒の状態が続く。

集団がタイム差を完璧にコントロールしているので今日は集団スプリントだろう。

ラスト1周に入って集団のペースが上がりラスト3kmを切ったところで自分の横を逃げていたベルラートが下がっていった。

この辺りから、「アシストで前を引いた選手」や「集団でゴールする気のない選手」が集団から遅れていく。

自分としては出来れば今日は集団でゴールしたい。

しかしほぼ最後尾にいたため止める選手をかわすのが大変。

しかも気が付けば数人前の選手がやめており集団から離れている。

「追いつかないとマズイ」と思うが前もゴールスプリントに向けて加速しているので大変。

「どうするか!?」と思ったタイミングで自分の側のスカイの選手が前を追いかけ始める。

心の中で「頑張れ!諦めるな!俺のためにも!」と思いながらその後ろに付いて行く。

応援の甲斐あってか、ラスト1kmを切ってから集団に追いつく。

そしてそのままゴール。

ゴールしてから自分の後ろを見ると誰も居なかった。

 

 

感想

 

アタックに行かずとにかく集団に残れという事で集団に残ってゴールできた。

自分の前で落車があったが巻き込まれずに済んでよかった。

横風についてはかなり心配していたがそこまでキツク無かったので正直助かったという感じではある。

文字通り「明日は明日の風が吹く」ので明日も気を付けて走りたい。

本格的にレースが始まったので日々集中して指示を全うできるように頑張りたい。

 

 

キツさレベル

距離は長かったが全体的にユックリ目のペースで進んだのでしんどく無かった。

それでもコーナーや道が狭くなった後の加速の繰り返しは中々疲れを蓄積していたのでしっかり休んで明日に備えたい。

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2016年5月 7日 (土)

ジロ・デ・イタリア 1日目

ジロ・デ・イタリア 1日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:オランダ

日程:5月6日

距離:10.km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:42

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

アペルドーアンの街中を走り抜けるフラットなタイムトライアルコース。

コース全体を通して直角コーナーが何度かあるが、試走した感じだとそこまでテクニカルだとは感じなかった。

 

 

レース前のミーティング

 

タイムトライアルということもありミーティングは無し

自分的には明日以降の事を考え、筋肉と心肺に刺激お入れておきたいという事で全力を出して行くことにした。

 

 

レースレポート

 

全く緊張していない状態でスタート台に立つ。

スタート台に立ってから若干心拍数が上がり、緊張しだす。

オーロラビジョンに自分の姿が映っているのを見て「日本にも放送されているのかな?」と思っているところで10秒前のカウントが入りタイムトライアル開始。

スタートのベロドロームを出て公道に入る。

両サイドの沿道は観客の人たちで溢れている。

タイムトライアル前の試走のタイミングから沿道は観客の人たちで溢れていたが、かなりの割合の人がピンクのシャツを着て応援してくれている。

公道に入って直ぐ無線から指示(応援?)が入る。

内容的には「行け行け行け!良いペースだ!もう少し上げろ!そうだ!完璧だ!」こんな感じ。

若干のペース指示と選手のモチベーションを高める言葉をかけてくれている。

沿道もかなり盛り上がっており拍手と共にNIPPO!やジャポネーゼー!、ヤマモト!と言った応援の声が聞こえる。

日本人であってもここまで応援してもらえるのはかなり嬉しい。

指示と応援を受けつつ順調に走っていく。

タイムトライアル全体を通して何度か直角コーナーを曲がる。

自分のタイムトライアルバイクは、身長の問題でフォーミュラキングでポジションが出ない為SKをタイムトライアルバイク仕様で組んでもらっている。

そのおかげもありいつもと同じ感覚でコーナーに入ることが出来、かなりいい感じで曲がることが出来ている。

しかし、5kmを過ぎたあたりからペースが落ちてくる。

かなり足が重い、調子に乗って最初の5kmを飛ばし過ぎた。

ラスト3kmの地点を通過する。

5kmを過ぎてからラスト3kmを過ぎるまでがかなり長く感じた。

しかも残りは今の距離の1.5倍。

一瞬そんな考えが浮かんだが即座に考えないことにして忘れる。

いつの間にか無線からの指示や応援も入ってこなくなっている。

先ほどから時々沿道に備え付けられている大型テレビを通過する一瞬ではあるが、自分が写っていないかチェックしている。

そのたびにLOTTO JUMBOの選手が映されている。

恐らく現在のトップタイムで走っているのだろう。

そんなことを考えながら走っているとLOTTO JUMBOに抜かされる。

一気に抜かされ「マジか!」と思っている間に離れていく。

一瞬気が抜けそうになるが諦めずに踏み続ける。

さっきから無線が入らなくなっていたのは後ろにLOTTO JUMBOの選手が近づいて来た為邪魔にならないようにチームカーが停車させられたからか等と考えながらラスト1km。

最終コーナーを曲がって立ち上がりでダッシュ。

LOTTO JUMBOの選手に一瞬近づくがやっぱり離れていく。

沿道の大型テレビには前のLOTTO JUMBOの選手が写っており、その後ろに見切れかけながら自分が写っている。

もしかしたらLOTTOJUMBOの選手がゴールする映像を映す流れで自分も映るかもしれないと思い、しんどいにもかかわらずしんどく無さそうな顔をしてゴールした。

 

 

感想

 

レポートの中でも書いたが前半に飛ばし過ぎて後半にバテてしまった。

落ち着いているつもりでもジロという大舞台に立っているというプレッシャーで冷静に慣れていないか興奮してしまっている部分があるのだと思う。

また、10kmという短いタイムトライアルを全力で走った経験が少ない為ペース配分を把握できていなかったという原因もあると思う。

そして今日の順位が190位という事で改めて理解した事が、周りの選手が自分よりも相当強いという事である。

明日以降はこのことを念頭に置いてレースをしないと一瞬の気の緩みで終わってしまう可能性がある。

本番は明日からなので、「完走&チームから指示された仕事をする」事を目標に生き残れるように日々全力で頑張っていきたい。

 

 

キツさレベル

距離が短かった事もありそこまでの疲労度は無い。

前半に突っ込み過ぎて後半にペースを落としてしまったが、前半にかなり良いペースで踏めていたので筋肉にはいい刺激になったと思う。

心拍数のデータ的にもかなり上昇していたのでいい感じで追い込めたと思う。

ちなみにLOTTO JUMBOの選手に抜かれてからも一生懸命踏んでいたつもりだったが、データ上では抜かれた直後から心拍数が下がり始めていたので若干踏むのを止めていたようだった……データは正直である。

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2016年5月 3日 (火)

エスキボーン・フランクフルト

エスキボーン・フランクフルト

 

クラス:HCクラス ワンデーレース

開催国:ドイツ

日程:5月1日

距離:206.8km

天候:晴れ

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、ジャンフランコ・ジリオーリ、アントニオ・ニーバリ、ピエールパオロ・デネグリ、イウリ・フィロージ、山本元喜

 

エスキボーンを出発後、複数の周回を経てフランクフルトにゴールするレース。

58.2kmと64.8kmと77.3kmと85.2kmと113.7kmと128.7kmと156.6kmと171.4km地点に山岳ポイントが25.2kmと36.8kmと43.4kmと107.2kmと108.5kmと150.1kmと151.4kmと184.6km地点にスプリントポイントが設定されていた。

スタート後に一度大きく登って下ってから小さめの山岳ポイントが連続する丘のレース。

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レース前のミーティング

 

自分とベルラートとニーバリはアタックに反応して逃げに乗れるように、クネゴ、ジリオーリ、フィロージ、デネグリは固まって後半に備えて一緒に居るようにという指示。

 

 

レースレポート

 

パレードは無く号砲と共にレース開始。

スタート上手く前に並べず集団の中盤より後方でスタート。

スタートからペースが一気に上がり集団が縦に伸びる。

その状態でコーナーの連続。

街中を抜ける道を走っているので道が細い上に道の両端に時々車が止まっているので中々危険。

直線で踏んで前に上がり、コーナーの立ち上がりでダッシュしてと踏みっぱなしの状態が続く。

相当キツイ上に中々前に上がれない。

延々と苦しみ続けた結果街中を抜けてからやっと先頭に出ることが出来た。

そこからアタックに反応していく。

集団が追いかけそうな飛び出しは無視して反応しない。

集団が緩んだタイミングや2、3人が飛び出したのに反応していく。

横風が強く飛び出した選手のペースが上がらないこともあり簡単には決まらない。

ベルラートやニーバリの動きを見ながら動いてアタックが被りそうになった際にはやめる。

先頭付近で動き出す前にかなり足を使っていたので連続しては動けない。

逃げが決まらないままレースが進み、無線から「10kmぐらいしてから登りが始まるから前に上がるよう」にという指示が出る。

そのまま逃げが決まらないまま登りが始まる。

前に上がって来たクネゴの横で逃げに乗れるタイミングが無いか見ていると、クネゴに「俺が行くからこれを持っていてくれ」と言われてジャケットを渡される。

後でチームカーまで下がった際に渡せるようにそれを背中に入れておく。

その後、登りで2名が飛び出しそれを追いかける形でニーバリが集団から飛び出す。

その飛び出しが逃げになった。

50km手前で逃げは決まったがその後もしばらくは若干ペースが速いままレースが進んだ。

その後ペースが落ち着いてから下りに入る。

下りの途中でボトルが1本空になる。

クネゴに「水を取って来ようか?」と聞くと「頼む」という事で取りに行く。

無線で「水を取りに行く」と伝えてから集団後方に下がってチームカーを呼ぶ。

他のチームも水を取りに下がって来ていたせいでチームカーの車列が渋滞を起こしておりチームカーが上がって来るまでに結構時間がかかる。

その間集団最後尾で待っていたのだが集団が伸び縮みするせいでインターバルがかかりかなり大変。

やっとチームカーが上がって来て逃げているニーバリ以外の分のボトルを5本背中に入れて前に上がる。

前に上がっている最中に登りが始まる。

背中にいれている合計2.5kg以上のボトルと水がかなりの重りになる。

思わず背中のボトルを捨てたくなるぐらいキツイ。

あまり長くなくすぐに頂上まで500mの看板が出る。

しかしそこから勾配がかなり急になり激坂。

ここでボトルを捨てると時間をかけて受け取ったのが無駄になる!と捨てたくなる気持ちを我慢して全力でもがいて山頂通過。

そこから下りと平坦に入り他のメンバーにボトルを渡す。

それからはしばらくクネゴの側で待機する。

ちょくちょく登りが入る。

そのたびに苦しむ。

前半に動いたせいか足がかなり重い。

自分の思ったように踏めないせいでかなりストレスになる。

どうにかならないかと回転数を上げて見たりしてみるがへばり付くように重いまま。

仕方がない、今日は耐えるしかない。

もっとも、いつも耐えているだけではあるのだが。

メーターを確認すると90kmを越えていた。

その後100km地点辺り軽くアップダウンがありペースが上がるが耐える。

ヨーロッパに来た当初は100km辺りでほぼ確実に千切れていたのでまだ集団にいるというのは成長でもあるのだろう。

レースが始まる前から吹いていた強風は相変わらず強いままで横風の際には集団が風下に追いやられる。

集団後方にいるとコーナーや横風で千切れた選手の巻き添えを食らって遅れてしまうので出来る限りクネゴ達の側の集団中盤に居るようにする。

110kmから登りが始まる。

比較的緩い登りですぐに山岳ポイントまで500mの看板がでる。

看板が出たあたりから勾配が少し急になる。

そして山岳ポイントまで100mの看板を過ぎるとともに右に曲がり激坂。

あと100mで登りが終わる!と思いながら踏んで粘る。

山岳ポイントのゲートをくぐるが緩やかに登りが続く。

山岳ポイントで登りが終わると思って全力で踏んでいたせいでかなりキツイ。

集団最後尾で千切れてくる選手をかわしながら下りに入るまで粘ることが出来た。

そのまま120kmを過ぎる。

ここに来てやっと足のへばり付くような重さが無くなって来る。

120km走っていることもあり疲労はしているがストレスを感じるような足の反応鈍さは無くなっている。

そこから再び先ほどの登りへ。

足は相当限界だが少しでも粘りたい。

ジロ・デ・イタリア直前のレースという事もあり少しでも我慢して追い込む必要がある。

この登りも粘って集団内に残る事に成功。

しかし先ほどの山頂を過ぎてから別の道に入り更に緩やかに登る。

集団最後尾に追いやられひたすら粘る。

最後尾の状態で下りに入る。

集団が縦に伸びて半端無いペースで下る。

集団後方がブチブチ千切れているのが見えるが自分の今の状態では前に追いつくのは無理。

他の選手が千切れた差を埋めるのを願うだけの他力本願状態。

運よくコーナーで緩んだ集団に追いつく。

そこから一瞬登って再び下り。

再び前で中切れが発生する。

今回は前に追いつくことが出来ずに遅れてしまった。

150km地点で終了。

 

 

感想

 

ジロ直前のレースという事で少しでも粘れるように頑張って走ったが150km地点で終わってしまって悲しかった。

あと50km粘れればゴールできたので余計に悔しかった。

集団最後尾にいると伸び縮みの影響でしんどくなることは分かっているのだが前に上がるタイミングを見つけられずにそのまま最後尾という事が多い。

無理してでも上がった方が後々楽になると考えて頑張るべきだと感じる。

ジロまであと数日と迫っているので集中してベストなコンディションで挑まなければ生き残れない。

 

 

キツさレベル

10

千切れたいと思うタイミングは多々あったが、追い込むためと考えてとにかく頑張り続けた。

千切れそうになるたびに追い込み続けたので相当キツかったが、その分耐える練習になったと思う。

ジロではさらに耐えなければいけないと思うのでモチベーションと根性で頑張るしかない。。

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