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2016年5月29日 (日)

ジロ・デ・イタリア 20日目

ジロ・デ・イタリア 20日目

 

クラス:WT ステージレース

開催国:イタリア

日程:5月28日

距離:134km

天候:晴れ

起床時体重:60.

起床時心拍:54

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ

 

 

コースプロフィールは省略。

 

 

レース前のミーティング

 

今日の指示はグレガの側に居るようにとのこと。

 

 

レースレポート

 

一昨日と昨日の疲れ&今日のレースがスタートからイキナリの登りという事で滅多にしないローラーアップをしてからスタートラインに並びに行く。

結構前に並ぶことが出来た。

アップやスタートラインに並びに行く際に走った感じでは足の感じが結構良さそう。

もしかしたら登りでクネゴの援護が出来るかもしれないと思いながらパレード開始を待つ。

短めのパレードを終えてレース開始。

イキナリの登り。

開始直後はペースが上がらない。

開始と同時に逃げが行ったのだろうか?それとも嵐の前の静けさというやつだろうか?

出来れば前者を期待したいが、恐らく後者だろう。

しばらくして集団の先頭が縦に伸び出す。

その瞬間に前方から聞こえてくる「グルペートッ」という悲鳴。

悲鳴を無視して加速して行く集団。

アタック合戦が始まる。

今日は調子が良いはず、心拍数もいい感じに上がっているし足も軽く感じる。

起床時心拍は54とジロの期間中で最高値を記録していたが、ホテルが標高2000mにあったせいだろう。

クネゴの援護をしようと前に上がろうとする。

頭打ちだと思っていた集団の速度が更に上がる。

前に上がるどころか後ろに振り落とされる。

半端ねぇ!これがスタート直後のフレッシュな状態でのアタック合戦!援護とか舐めたことを言っていた自分を殴りたい。

とにかく付いて行くことに全力を尽くさないと、ここで遅れると完走すら危うい。

グレガの3人ほど後ろに付いて行く。

今日の「グレガの側に居ろ」というのはアタックに備えてとかでは無く、側に居るだけで限界だろうと見越したうえでの言葉だったのだろう。

最初の登りは8kmで一旦緩やかになるはず。

そこまで粘れれば希望が見える。

現在4km。

マジでヤバい。

自分の位置から見える集団は少人数に分かれてバラバラになっている。

どこからがグルペット予備軍でどこからが逃げ予備軍か判別がつかない。

とにかくグレガを含む自分の前の集団に食らいついて行く。

自分の後ろに選手の気配は感じない。

少なく無い人数が自分の後ろに居たはずだが、散ったのだろう。

とにかくこの集団には付いて行きたい。

しかし自分が今いる集団も1つ前の集団に追いつこうとペースを上げている。

千切れかけたり付き直したりを繰り返しながら付いて行く。

(無理してでも付いて行くべきか?しかし残りの距離がまだまだある。ここで出し切るのはマズイ。でも前に追いつけばペースが落ちるはず。そこまで耐えればどうにかなるか?でも足が相当ヤバい。緩くなるまでの残りの距離は?1.5km!?ヤバい……無理……)

力尽きてブッ千切れる。

やってしまった。

完全に出し切って千切れてしまった。

これはマズイ。

とにかく回復させないとどうしようもない。

自分が思うに、自分の回復力は高いはず。

まだ取り返しは付く。

後ろにはまだ選手が居るはずだし、最悪の場合はそのメンバーとグルペットを形成すればいい。

審判車に抜かれる際に「ヤマモト!ユックリ走って回復させろ」と声をかけてもらう。

後ろから2人の選手に抜かれるが回復しきっていなかったので付いて行かず。

登りが少し緩やかになったか?というタイミングで結構な人数の集団に抜かれる。

これはオイシイ!と思い即座に飛びつく。

あと少しで下りと平坦が来るはず。

この集団に付いて行けばいいペースで前を追ってくれる。

上手く行けば前に復帰できるかもしれない。

先に抜かされた2人を吸収し、そのままの勢いで前を追いかける。

再び勾配が急になる前に前方に形成されたグレガを含む大集団に追いつく。

大集団はペースを落として楽なペースで登っている。

グルペットだろうか?

しばらく息を整えて落ち着いたところでグレガの側に行く。

「この集団はグルペットか?」

「いや、違う。メイン集団だ」

どうりで集団の上空にヘリが飛んでいる訳である。

メイン集団はペースを落としたまま19km地点の1回目の1級山岳を通過。

速すぎないペースで下り、41kmから始まる2回目の1級山岳へ。

登り始めは先ほどの登りと同じく比較的ユックリ。

足にダメージがそこまで来ない。

このままのペースで登り切らないかな?と淡い期待を持ったが、5km程登ったところでペースが上がりだす。

このペースは不味いな……と思いながら集団内を下がって行く。

一瞬ペースが上がっただけか?とも思ったがどうやらそうではない。

ペースアップが始まったようだ。

あと15kmも登る。

ここで無理は出来ない。

単独でも遅れて1人で登っていればその内グルペットに追いつくことが出来ると判断し集団から遅れようとする。

そのタイミングで集団の後ろ3分の1がゴッソリ遅れる。

丁度いいタイミングだったのでそこに合流して登る。

無理の無いペースで登り切って1級山岳を通過。

集団先頭10番手辺りで下りに入る。

前に付いて行くが、その前の選手が中切れを起こす。

上手く前との差を詰めることが出来ず自分も前から遅れる。

何人かの選手に後ろから抜かされ、付いて行こうとするが上手く付けず遅れる。

後ろから選手が来ないので一瞬で後ろを確認するが、後ろも結構バラバラになっている。

自分が下りが下手な訳では無く、自分の前に行った選手がとびきり上手いだけ。

むしろ位置的には自分もそこまで下手な方ではないハズ。

ヘアピンの連続する区間は単独で下り、直線的な下りに入ったところで後ろを待つ。

ダニエル・オスに抜かされて後ろに付く。

重いので下りが速いし、一杯踏んでくれそうだからだ。

案の定、先頭交代の要求もせずに黙々と踏んでいく。

しばらくして後ろから大きな集団が追いついて来てローテーション開始。

下りで先行したメンバーを追いかける。

103kmからの最後の1級山岳が始まるところで前に追いついて1つの集団となって登りだす。

少し足に来るくらいの一定のペースで登って行く。

時々無線からトップ集団とのタイム差の連絡が来る。

山頂が近づくにつれ、打ち切りのタイムリミットまで十分に余裕が有ることが確定的になっていく。

余裕が出来たことで集団のペースが徐々に落ちていく。

余裕のあるペースで最後の1級山岳を通過。

下りに入る。

1車線、ガードレール無し、白線の向こう側は崖、という中々クレイジーな下りを1列になって下って行く。

時間的に余裕があるおかげでそこまで速くは無い。

しかし前の選手の下りが下手で前から遅れ始めている。

余裕があると言っても前から遅れるのは嫌だったので直線的な下りで前の選手を抜いて集団に追いつく。

かなり下りが上手くなっている気がする。

昔と比べて、視線の送り方、見るべきところ、集中力、判断力がかなり上がっている気がする。

調子に乗っていると絶対にこけるので、無理には攻めず自分が「絶対に大丈夫」と思う速度を維持して前に付いて行く。

そしてラスト3kmを切ってから少ししてラストの3級山岳に入る。

ジリオーリに「タイムアウトの心配は無い?」と聞くと「全く問題ない」と教えてくれた。

そこからは集団に付いて行くだけでゴールした。

 

 

感想

 

最初の8kmを耐えれば後はどうにかなると思っていたが、その8kmが半端無く速くて相当キツかった。

それ以降はそこまで苦しむことも無く走ることが出来たので良かった。

感覚的には昨日の方がよっぽどしんどかったという感じである。

明日はトリノへ向かう最終日。

ここまで来れば完走は確定的と言えるが、最後までどんなトラブルが有るかは分からないのでリラックスしつつも集中して走りたい。

今日で全ての山岳ポイント地点を終えたわけだがクネゴの山岳リーダージャージは昨日まで2位につけていたニエベに逆転されてしまった。

本格的な山岳が始まってからは全くと言っていいほどクネゴのアシストが出来ていなかったので申し訳なかった。

自分に対してのジロのこの山岳でのアシストは期待されてなったとは思うが、いずれは期待されるような選手になりたい。

 

 

キツさレベル

スタート直後のペースアップが半端無く辛く、出し切って千切れてしまったが、その後に復帰することが出来て良かった。

それ以降は限界を越えないレベルで走りきることが出来たので全体としてはそこまで辛いとは感じなかった。

しかし134kmのレースとは思えないほどに長く感じたのは確かであった。

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コメント

完走おめでとうございます。ブログとても楽しみに毎日読ませていただきました。今後もがんばって下さい!

投稿: | 2016年5月30日 (月) 05時22分

最終日、楽しんで下さい。
アレアレ ジェンキ!!!

投稿: のりた | 2016年5月29日 (日) 15時53分

山本元喜選手。ありがとうございます。
ロードレースが好きな人なら、誰しも憧れるグランツールをこんなにも共有させていただいて。
私の周りですら、夢の共有がしたい!って日増しに拝読する仲間が増えて。前半は応援。後半は元喜選手の頑張りに自身を見つめ直したりして。。
大門さんやクネゴ選手の想い。グレガ選手、ベルラート選手皆さんの迫力が感じられて自転車競技は素晴らしいと改めて感動しました。

最終ステージは、私も気持ちの中で一緒させて下さい。日本中の仲間もきっと一緒に走ってると思います‼
山本元喜選手。本当におめでとうございます。さらなる先に進まれる勇姿をこれからも応援させて下さい!

投稿: 京都のミミナシホウイチ | 2016年5月29日 (日) 15時12分

今朝ブログをチェックした際に更新されていなかったので、もしや・・・と心配したが、ゴールしたんだね、良かった!

明日は最終日、少しはジロを楽しみながら走ってくれ、3週間ホントによく頑張ったね。

投稿: ひろべ | 2016年5月29日 (日) 14時47分

お疲れ様でした。
最初はとんでもないことになってたんですね!その後が比較的平和で良かったです。
山本選手のおかげでとても良いジロ観戦ができました。ありがとうございます。あと1日、無事に走って帰ってきてください。

投稿: いちごう | 2016年5月29日 (日) 11時26分

ようやく終わりましたね。凄い経験だったのではないでしょうか。グランツールのヤバいレベル、その中で堪えて堪えて限界突破、念願の逃げ、そして完走。最後は思いっ切り楽しんで来て下さい!

投稿: まみぐ | 2016年5月29日 (日) 09時19分

登りと下りしかない山岳ステージ、見ている方も思わず力が入る感じでした!
優秀な山岳アシスト、どこのチームも喉から手が出るほど欲しいでしょうね。クライスヴァイクも、アシストがいれば…。
最終日、完走は目の前ですね。完走した先、元喜さんはどのような選手になっていくのでしょう。とても楽しみです。ずっと応援していきます!あと1日、頑張って!

投稿: ありお | 2016年5月29日 (日) 09時17分

メイン集団についている山本選手、ばっちり映ってました!
家族で歓喜してみてました!!
いよいよフィニッシュですね!!
くれぐれも気をつけて、Genki一杯の笑顔ゴール、チョー期待してます☆

日本ではTOJも今日から始まりますが、すっかり山本選手ファンになった私はNIPPO応援で、明日の京都ステージでエールを送ってきます!
VIVA Genki!!!!

投稿: | 2016年5月29日 (日) 08時49分

おめでとうございます!スゴイです!!
ここまでくれば「完走」達成、間違いなしですね☆ ゆっくり最終ステージを楽しんでください(^-^)/

投稿: | 2016年5月29日 (日) 08時43分

スカルポーニみたいなアシストが出来たらかっこいいですよねえ。
明日は最終日。
悔いの無いよう自分の走りをしてくださいね!

投稿: halu | 2016年5月29日 (日) 08時26分

おめでとうございます。これで完走間違いなしですね。とっても嬉しいです。これからも、いや今日も頑張って下さい。

投稿: bluerider54 | 2016年5月29日 (日) 08時16分

クネゴの山岳賞は非常に残念でした。
ジロが始まってばかりな頃はクネゴにあんまり興味がありませんでしたが、げんきくん好きになって、クネゴも応援するようになってました(笑)


最終日を楽しんで下さいね!

投稿: ギガタケノコ | 2016年5月29日 (日) 08時16分

山場を乗り越えた様子で完走目前ですね
クネゴの山岳賞は残念でした
マリアローザ争いもこの終盤もの凄い展開でアシストの仕事って大事だなぁと改めて見せつけられました

元喜選手は今回ペース判断とか色々周りに助けられてましたがこの経験を活かしてチームを助ける仕事も増えていくんでしょうね
期待しています!

投稿: | 2016年5月29日 (日) 07時51分

集団の最後尾に着いてる姿、しっかり映ってましたよ。かなり限られた人数の集団に付いて行ってる姿がしっかりと。
明日、とうとうトリノですね。ジロもゴールしてしまいますが、元喜選手のこの3週間のブログから成長を感じ、また次のステップに期待しています。
明日、最後まで無事に完走して下さい。
それにしても、クネゴの山岳賞。。。本当に残念です。いつか、山で元喜選手がエースを引く姿見れるのかな?

投稿: 猫まんま | 2016年5月29日 (日) 07時13分

お疲れ様でした。
明日はいよいよ最終日ですね。あっという間の3週間でしたが、山本選手にとっては長い時間だったのかもしれませんね。
最終日は楽しんで走ってください。無事ゴールするように祈ってます。

投稿: マッチ | 2016年5月29日 (日) 06時55分

山本選手のブログでロードレースの面白さを知りました。本当にありがとうございます。毎日、グランツール後にブログを書く日本人選手がいるなんて想像もしていませんでした。ロードバイクで日々遊んでいる息子にも読ませています。ジロも残すところあと1日ですね。ほんとうにお疲れさまです。完走、期待しています!!

投稿: TT | 2016年5月29日 (日) 06時42分

辿り着いた最終日!
今日のブログを読んで、走ってきた全部が未来に繋がっている気がしました。
最後までいい走りで行けますように!
トリノが待ってるぞ!

投稿: | 2016年5月29日 (日) 06時35分

おめでとうございます。毎日、読ませていただいて楽しかったです。これからの活躍を期待しています。元気をたくさんもらいました。ありがとうございました!

投稿: なかけん | 2016年5月29日 (日) 06時30分

本当にお疲れ様でした!(^^)!明日はパレードを存分に楽しんで下さいね(^_^)

投稿: | 2016年5月29日 (日) 06時22分

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